2009/09/26
「かもめ食堂」「めがね」と続く“余りドラマチックな事は起きないけど、遠い国・ゆったり流れる時間の中で、登場人物の心もゆったりしていく”大森 美香監督作品です。
突然タイへ行ってしまい、菊子の経営する“ゲストハウス”(小規模なリゾートホテルらしきもの)で働いている京子。そこへ卒業旅行として4年ぶりに母親に会うため、娘のさよがやってくるところから物語が始まり、6日後にさよが日本へ変えるところで終わります。 日本でさよは祖母に預けられていますが、父親の存在は明かされません。さよは京子に、自分を捨ててタイへ行ってしまった理由を尋ねます。京子はただそうしたかった、そうすることが良いと感じたという意味の事だけを語ります。捨てられた娘がそれで納得するはずもなく、“理屈として”の話は噛み合いません。それでも、このタイのリゾートホテルで何日かゆったり暮らせば、だんだん気持ちも和んで行きます。ハッピーエンドにはならないまでも、さよは何となく母親の無茶な行動を理解できそうな気配を感じさせながら帰国の途につきます。 最後の場面、プールサイドの安楽椅子で息を引き取ったらしい菊子が、空港に向かう親子の前に姿を一瞬表します。菊子を死なせなくても良かったのではないかとも思いますが、「菊子は余命半年と宣告されましたが、ずっと元気に暮らしていました」では話が締まりません。そして経営者を失ったゲストハウスがどうなるのか、そこに働いていた京子はこの後どうするのか、色々想像を膨らませる作用をしています。 タイ国政府観光庁も協力しているこの映画、見るとタイへ行きたくなります。取り敢えずどこかのリゾートホテルで、何をするでもなくゆったりと数日過ごすといった贅沢な休日が欲しくなります。