2007/03/11
映画【旅の重さ】
|
|
1969年に作家の由起しげ子さんが亡くなったあと、その書斎から発掘された投稿作が素九鬼子(もと・くきこ)さんの作品「旅の重さ」でした。由起さんは素九鬼子さんから送られたこの原稿を持ったまま他界されたわけですが、その後この作品が世に出たのは幸いでした。
映画【旅の重さ】は1972年に松竹から公開されました。主演女優は高橋洋子さん、助演女優が秋吉久美子さん、2人共この作品のために公募で選ばれており、デビュー作品です。原作は“奔放な母親との生活に疲れ、家出した高校生の少女「私」が、四国遍路を続けながら母親に出し続ける手紙”の形を取り、一人称で語られます。映画は原作にかなり忠実な作り方をされていて、共に 私は名古屋の高校二年生であった時この作品に出会い、映画を立て続けに何回か見、原作本もこれまた立て続けに何回か貪り読みました。年齢から見ても、私の性格を形作るにかなりの影響を与えたのではないかと思います。主人公の少女と私はほぼ同世代、私は普通の高校生として大人しく暮らしていましたが、この少女は自分で自分の人生を切り開くために行動を起こしています。自分はこのまま親の敷いたレールの上を歩き続けて、将来は会社員に“でも”なるのかな、それで自分の人生は良いのかな、と多くの若者がぶつかるのと同じ問題に当時の私も当たっており、この作品はそんな私のハートを直撃したようです。 現在松竹ホームビデオから税抜き3,800円で発売されているそうですが、私は今見る勇気がありません。1999年【秘密】に出会うまで、27年間に亘って私の半生通算単独best1であった作品を今見返して、もし懐かしさ以外何も感じなかったらどうしよう、と心配なんです。このまま一生見ないで過ごすか、どこかでもう一回見てみるか、思案のしどころです。DVD化されたら考えることにします。 |
![]() |
随分迷った挙げ句、ついに再会しました。三十数年ぶりです。今から見返せば勿論単純な物語展開なんですが、やはり心に染み入る映画でした。スタッフロールで「秋吉久美子」の名がその他大勢と同じ扱いで流れていくことに今更ながら気付きました。
←それにしても何の飾りもない簡潔な盤面です。2007/03/11 |