2007/01/09
秘密以来7年ぶりの東野圭吾作品です。原作本はもう先に読んでいました。この作者のことだからどんなトンでもないどんでん返しが待っている事やら、と思いつつ読み進んだのですが、どんでん返しはありませんでした。犯罪者やその家族は差別されるのが当然、犯罪を犯すなら家族もそれに巻き込むことを覚悟しなければならない、というまことにお伽話的ではない終わり方をします。多くの人々の共感を得、満天下子女の紅涙を絞るような物語展開じゃありません。原作者本人もまさかこれが映画化されるとは思わなかったという意味のことを言っていますが、この映画は原作に対して忠実に作られています。主人公の打ち込む先が音楽の代わりにお笑いになるだけで、それ以外は基本線原作通りです。映画の方は小説とは違う驚きのラストが待っているといったこともありません。主人公と妻子はこれからも差別と戦いながら生きていくのでしょう。
ちょっと気になることとしては、主演女優さん綺麗過ぎです。社会の底辺で差別されている者同士が出合うんですから、こんなフランス人形みたいな美貌の主演女優さんは話に似合いません。それでも主演女優さんが綺麗なのは映画を良くするかなり重要な要素ですからね。良しとしましょう。主人公に「差別のない場所を探し求めるんじゃない。ここから始めて、社会とのつながりを増やして行くんだ。」と説く勤め先の会長が一番印象に残る登場人物でした。客席は半分ぐらいしか埋まっていませんでしたが、それでも「スタッフロール中席立ち率」ゼロの、印象深い映画でありました。