2007/04/22
劇場で見逃したこの作品、TV放映されて初めて見ました。ピラミッド・万里の長城と共に、人類が作り出した3大無駄といわれるこの超弩級戦艦大和、国力を傾けて建造し、事実上何の戦果も挙げなかったこの超弩級ガラクタの最期に相応しい姿が描かれていました。46センチ主砲を一発も撃つことなく、スズメバチの大群のように来襲する飛行機に手も足も出ないまま沈められてしまったのです。航空機時代の幕は日本が真珠湾で開いたのです。真珠湾は航空機が戦艦を沈めた人類史上初の戦争でした。これによりアメリカは対艦巨砲から航空機時代への変革を学習し、航空機と空母の増産に力を入れ、2年半後に時代遅れとなった対艦巨砲の象徴である大和を新時代の主力兵器である飛行機によって葬ったのです。
この映画では主人公2人より臼淵磐(うすぶちいわお)大尉の方がずっと印象に残る描き方をされていました。「進歩のない者は決して勝たない。負けて目覚めることが最上の道だ。日本は進歩ということを軽んじ過ぎた。私的な潔癖や徳義にこだわって、本当の進歩を忘れていた。敗れて目覚める、それ以外にどうして日本が救われるか。今目覚めずしていつ救われるか。俺たちはその先導になるのだ。日本の新生にさきがけて散る。まさに本望じゃないか。」ミッドウェイ海戦で負け始め、レイテ沖海戦でもう決定的に負けが確定した以降もなお、降伏という破局を一日伸ばしにするためにこうした特攻に人の命を注込み続けた旧日本軍指導者達の愚かさ加減を短い言葉で表しているようにも読めます。若干21歳。愚行の生贄にされるには若過ぎました。さらに日本軍指導者達はこの大和撃沈という「先導」にすら学ばず、彼が望んだとおり目覚めるためにはさらに2発の原子爆弾を必要としたのでした。