2008/10/19
よろしいですか。
【用例】
お名前のほう頂いてよろしいですか。
生年月日のほう頂いてよろしいですか。
今までのご住所のほう頂いてよろしいですか。
今までのお電話番号のほう頂いてよろしいですか。
新しいご住所のほう頂いてよろしいですか。
新しいお電話番号のほう頂いてよろしいですか。
2002/05/11 某社コールセンターにて
【解説】
こっちは住所変更のためにわざわざ電話してるわけですから、名前や住所や電話番号を伝えるのは「よろしい」に決まっていますが、このお兄さん、「〜して下さい。」を意味する日本語は最初から最後まで100%「頂いてよろしいですか」に統一しておられました。とにもかくにも考えられる最も馬鹿丁寧な表現を選定或いは考案し、どのような場合でも徹底してそれ一つを使い続けること、これが「無理難題客」「うるさい客」そして自分のミスから身を守る効果的な方法である、と確信されている様子が手に取るように解る、興味深いやり取りでありました。
羽田空港内の喫茶店で210のコーヒーを注文し、500円玉を出しましたところ、不機嫌そうなおねいさんから「10円はよろしいですか。」と不機嫌そうに言われました。何か不味いことでも言ったかな、と思いつつ頭の中の新丁寧語→旧人類日本語インタープリタを全力で働かせたところ、数秒の間をおいて「よろしいですか」は「ナニナニして下さい。」の意味であるとの情報がHITしました。つまりこのおねいさんは一番安いタカが210円のコーヒーを注文するのに500円玉なんざ出すんじゃねえよ、せめて10円玉ぐらいねえのかよと仰っているのだとの啓示を受けました。私は銀色の各種硬貨(多くは一円玉)しか入っていない小銭入れをお目に掛け、非礼を詫びたのでありました。あ〜〜苦いコーヒーでしたこと(爆)。
とある「CS研修」を視聴する機会がありました。講師はホテル業界においてその人ありと言われた達人だそうです。で、その中で件の達人センセイ“「お待ちください」等という失礼な物言いは決してしてはならぬ、「お待ち頂いてもよろしいですか」と言え”の由。なるほど、昨今「〜〜して下さい」は全て「〜〜して頂いてもよろしいですか」「よろしかったでしょうか。」「してもらっても良いですか。」と質問の体裁で語られることに私は強い違和感を持っていました。それは10回に1回ぐらい、ここぞという特別な時にえいっと出すなら意味があっても、これ程徹頭徹尾何から何まで「よろしいですか」の連発では単なる安全第一言いかえ言葉にしか聞こえないからです。しかし行儀お作法の先生がそうしろと力説され、その有難い講演ビデオが配布されているのですから、これは私の感覚が間違っているのかもしれぬ、と一瞬不安になりました。尤もそのセンセイ、有難いお言葉を述べる際に「拝聴して下さい。」という謙譲語・尊敬語逆転使いしておられました。礼儀作法の達人ではあられても、私から見て敬語の達人ではあらしゃりませんように拝見いたしましてごじゃりまする(爆)。
「オツミイタダイテモヨロシイデスカ」仮名漢字混じりで書くと「お積み頂いてもよろしいですか。」だと理解するまでに数秒掛かりました。要するに自分で積めってことです。車で灯油を買いに行ったんです。スタンドお兄さんはポリタンクに給油してトランクの前に置き、この不思議な発音をなさったもので御座います。どうやらポリタンクに給油するまでが店側の仕事、そのポリタンクを車に積むのは客の仕事であったようです。いやはや、もはやR2D2のような翻訳ロボットを雇わないと物を買うのも不便な日本国で御座います。より正確に申しますると、「よろしいですか」<「よろしいでしょうか」<「よろしかったでしょうか」の順で丁寧度が上がりまする。ま、要するに長い方が上、現在形より過去形の方が上、ってことなんですが(爆)。奇妙日本語界に於いて、何故“過去形は現在形より丁寧度が上”と定まったのかは存じません。何方か見当の付く方は是非ともご教示くださりますよう。。。。。2008/10/19
もはや奇妙語に入れて良いかどうかさえ解らぬようになりましてごじゃりまする。☆☆