獄中からいただく年賀状の中には、今年もまた、おどろくほど細密な絵やかわいいイラストが添えられているものがありました。
しかし、使える筆記道具は限られています。
聞いてみたところ、東京拘置所の場合、使用できるのは次のようなものに限られるそうです。
・シャープペンシル(黒)
・筆ペン(黒)
・ボールペン(黒・赤・青)
・色鉛筆(赤・青)
・蛍光ペン(黄)
これらを工夫して組み合わせ、カラフルな絵にするのだそうです。
12色の色鉛筆が使える拘置所もあるそうで、絵心のある方にはうらやましいようです。
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昨年、死刑囚の母親が遺された基金(大道寺幸子基金)により、死刑囚による文芸作品や絵画作品の募集・発表の事業がスタートしました。
作家の加賀乙彦さんや、文芸評論家の川村湊さん、美術評論家の北川フラムさん、ほかの方々が優秀作品を選考し、大阪拘置所在監の河村啓三さんの自伝『こんな僕でも生きてていいの』、東京拘置所在監の澤地和夫さんのドキュメント『死刑囚物語―獄中坐禅二〇年』の二つの長編作品が受賞し、いずれも出版の企画が進んでいると聞きます。澤地さんの作品は、高層化された東京拘置所で死刑囚が現在置かれている状況が詳述されており、かつて医師として東京拘置所に勤務された経験も持つ加賀さんが「自然との接触がまったくなくなっているとは!」と強く推薦されたものです。
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また、絵画・イラストでは福岡拘置所在監の金川一さんの「壺」の絵が佳作になりました。
その選考委員会で、応募作品が並べられた机を前にして美術評論家の方がこんな意見を述べられていたのが印象的でした。
……文章なら原稿用紙と格闘できるけれども、美術では、この程度の大きさの紙では自分をぶつけられないですね。よほど達者になったら描けるかもしれないけど。……やはり使う道具ももっと多様でないと手の力が関われないですね。
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死刑事件の方に限りませんが、私たちは獄中の方と面会する際、お困りのことはありませんか、何か処遇についての希望はありませんか、とたずねます。そんなとき、「……でも、こんなことを言うと、犯罪者が何をぜいたくな、と世間の人は逆に反発するでしょうから」と答えを遠慮される方もいます。
大きな画用紙や12色の色鉛筆を使うことはぜいたくなことでしょうか。
今年も大道寺幸子基金の作品募集があります。多彩な作品が集まることを期待しています。