お手軽経営用語入門

ハ行
買収防衛策(ポイゾンピルなど) [読み:バイシュウボウエイサク]
[分野] 金融 法務

敵対的な企業買収者に会社の支配権を譲り渡さないような対策

老舗の大きな会社が敵対的買収の対象になるたびに、効果的な買収防衛策は何か議論になります。
一般的に使われているのは、新株予約権を利用したポイゾンピル(ライツプラン)です。

新株予約権というのは、将来、その会社の「株買うことができる」権利です。
株そのものではないけど、株に変えられる権利ですね。
商品引換券みたいなものです

買収者にしてみれば、株価が安くて株の数が少ないほど買収しやすいので、将来株が増えるぞ、と買収者を脅かすのが目的です。

下の表でまとめておくけど、買収防衛策にも、沢山の方法があります。
例えば、自社の資産を(安く)売ってしまうとか・・・

方法が多いとなると、一番効果的な買収防衛策は何か気になりますね。
それを考えるには、買収者は、何のために買収するか考える必要があります。

結論から言えば、買収者は、企業を乗っ取って、お金儲けをしたいわけです。
とすれば、買った企業の価値が大きくて、買うための費用が少ないほど儲かるということになります。

  企業価値 − 買収費用 = 儲け

になるからです。

そこで、買収防衛策としては、「企業価値を下げる」か「買収費用を増やす」のが効果的となります。
先ほど書いたポイゾンピルは、「買収費用を増やす」効果があります。

とはいえ、この買収防衛策、一般株主にとっては、今、自分の持っている株価の価値が下がったり、新しく株を買うことが難しくなったり、良いことがないんですね。
そのため、無秩序な企業防衛は、認められない傾向があります。
ホリエモンが、ニッポン放送を買収したときに、ニッポン放送が新株予約権を発行することを、裁判所が認めなかったのも、一般株主の利益を重視したからです。

このように、買収防衛は、慎重にやらないと、なかなか成功しません。

買収防衛は、普段からの注意と慎重な決断が大事です!

この記事に関連する商品

具体的でわかりやすいよ!

<参考>防衛策の分類

「予防」策 @株価(時価総額)を向上させる 増配のアナウンス  
TOBの実施 Take Over Bid 、又はTender Offer Bidの頭文字からTOBと略される)は、ある企業の経営権の取得などを目的に、株式の買い取りを希望する企業や個人が買い付け期間や、買い取り株数、価格を公表して、不特定多数の株主から株式市場外で株式を買い集める制度。
A実質的企業価値を減少させる ゴールデンパラシュート(黄金の落下傘) 買収された後、現在の取締役はまず解任されることが多いのだが、その取締役の退職慰労金の額を非常に高額に設定しておく。それにより、買収したとしても後の出費が多いということを見せつけて、買収を思いとどまらせるやり方。
ティンパラシュート(ブリキの落下傘) 買収された後、人員整理などで従業員が解雇されることが多いことを利用した方法で、従業員の退職金の額を非常に高く設定しておく。それにより、買収したとしても後の出費が多いということを見せつけて、買収を思いとどまらせるやり方。
ポイズンピル(毒薬条項) 新規に株を発行する増資という方法を用い、それを新株発行予約権という形で信用のおける企業、個人に発行する。それにより、全体の発行株式数を上げ、買収する企業の持ち株割合を下げて買収されないようにするやり方。ただし、1株単位の価値が下がるので、批判を招くのは必至。そのため、毒薬の名がつけられている。
「フリップ・イン型ライツ・プラン」とも呼ばれる。
B情報収集体制を確立する    
「対策」 @買収コストの増大 TOBの実施 上に同じ
A買収可能性の排除 プロキシ・ファイト 株式そのものの取得ではなく、株主権行使につき委任状を取り付け多数派を構成する方法。
スーパーマジョリティー 買収した後、取締役解任などの特別決議の可決資本割合を80%や90%のように上げておき、簡単に可決できないようにするやり方。
スタッカードボード 取締役の任期をずらして半数ずつ改選されるようにして、時間を稼ぐやり方。
B企業価値の希薄化 スコーチド・アース・ディフェンス(焦土作戦) 会社の持っているクラウン・ジュエル(財産的価値の高い物)を関連会社などに売却して会社自体の価値を一気に下げて買収するメリットをなくすやり方。
C時間稼ぎ    

 

(2005.10.19)
   目次に戻る
ホームに戻る

プロシューマー(Prosumer) [読み:プロシューマー]

[分野] ヒッピー経済


Producer(生産者) + Consumer(消費者)をあわせた造語。商品を自ら生み出す消費者を意味する。文明評論家アルビン・トフラーが「第三の波」で提示した概念。

最近、産業のサービス化というのが話題になっています。
従来のように、製品を生産して販売するビジネスでは、十分な利益が生めなくなったので、顧客の問題を解決するソリューション型のビジネスが必要だという話ですね。

ITの世界では、製品のコモディティ化、つまり、どのメーカの作るコンピュータも特徴が無い、というか、特徴を出せないという現象が起こっているので、利益のためには、製品以外の部分で差別化しないといけないと、ソリューションビジネスが大流行です。

まあ、この場合には、お客さんにITコンサルをするという話になります。

さて、プロシューマーですが、これも製品のコモディティ化によって生まれてきます。

産業が高度化すると、生産力が高まって、自分で工場を持っていなくても、思い通りの製品を生み出すことが出来るようになります。
ちょっと前には、ファブレスという、工場なしに設計と販売だけをするビジネスが流行りましたね。
このように、生産そのものが競争力を生まない時代が始まっているのです。
そして、コモディティ化した「生産」を消費者が直接利用するとき、プロシューマーになります。
自分のデザインしたセーターを縫製工場に作らせるといった感じで。

このプロシューマー現象、実は、資本主義そのものを破壊するムーブメントです。

と言うのも、資本主義社会というのは、お金で材料を買い、材料を加工して製品を作り、これを販売してお金を儲ける社会を意味します。
この社会では、材料を加工する能力、つまり、生産力が経済力の優劣を決定します。

経済学における交換方程式では「G(貨幣)→W(商品)→G'(貨幣)」という資本運動を意味します。

しかし、経済が高度化して、生産力が競争力の源泉ではなくなると「G(貨幣)→W(商品)→G'(貨幣)」という経済活動に意味が無くなります。
むしろ「W(商品)→W'(商品)」という、新しい物々交換の世界が生まれます。
GとWの交換に意味が無くなるからです。

これが、プロシューマーの世界ですね。
なぜ、情報化社会でプロシューマーが注目されるかというと、IT技術を使うと、簡単に商品を作ることができるからです。

例えば、このページでは、素人の方が自作の音楽を売っています。
これは、DTMというIT技術の賜ですね。

もうすぐロボットが生まれ、命令一つで何でも作るようになれば、資本主義は崩壊して、プロシューマーの世界が生まれるかも知れません。

ざまー見ろ資本主義!!

この記事に関連する商品
今日はなし

 

(2006.02.05)
   目次に戻る
ホームに戻る

ポイゾンピル [読み:ポイゾンピル]
[分野] 企業買収

買収者が一定の株式を買い占めた場合、自動的に新株が発行され買収者の株式取得割合を低下させる仕組み。

なんかポイゾンピルでググッて来てくださる方がいるようなので、今回はポイゾンピル。
ポイゾンピルというのは、毒薬という意味です。
何が毒薬かというと、株価が安いとか、ちょうど出物があったということで、敵対的買収者が、その会社の株を買い占めると、自動的に新株が発行されて、買い占めを行った買収者は大やけどを負うということで、「毒薬」と言われています。
一種の罠ですね。

ただ、毒薬というのは、買収者側から敵意を込めて呼ばれる呼び名で、もう少し中立的には「ライツ・プラン」と呼びます。

安定株主や経営陣に新株予約権という、株を買う権利を与えておくことで、防衛するということです。

でもね。

敵対的買収の「敵対」って、誰に敵対するんだろう?
「防衛」って、何を守るんだろう?

そう考えると、結局、敵対的買収への防衛策というのは、経営者の保身にすぎないのかも知れません。

それに「ポイゾンピル」は、会社(というより経営陣)が「友好的」と認める人にだけ、新株を買う権利を与えるものです。
すると、ボクら一般人は、新株予約権なんてもらえませんよね。

結局、「ポイゾンピル」は、一般株主を犠牲にして、経営者を守る手段なのかも知れません。

そんな批判もあって、M&Aの本場アメリカでも、ポイゾンピルは下火になって来ています。

とはいえ、グリーンメーラー(カンタンに言えば総会屋)から会社を守る必要もあり、単純にはいきません。

公正な企業防衛の手法が必要ですね。

この記事に関連する商品
今日はなし

 

(2005.10.31)
   目次に戻る
ホームに戻る

ポッドキャスティング(放送と通信の本当の融合) [読み:ポッドキャスティング]
[分野] 技術

インターネット上で音声や画像データファイルを公開する方法の1つ。携帯音楽端末にデータを配信することをいう。

多くのサラリーマンは、毎朝満員電車で通勤していることと思います。
東京だけでなく、地方でも通勤電車は満員なのは、電鉄会社が暴利を貪っているせいですが、今日は、その話ではなくて、満員電車で情報収集する方法です。

電車の中では、身動きもできないので、本や新聞も読みづらいものです。
そこで、ラジオ・・・と考えてみるのですが、地下鉄には電波が入らないのですよね。

仕方がないので、音楽を聴いて時間つぶし、という人も多いと思います。

最近では、iPodのような大量に音楽を持ち歩けるプレーヤーも出てきたので、通勤電車での音楽シーンは劇的に向上しましたね。

でも、iPodの本当の魅力は、取りためた音楽を聴くだけではないのです。

iPodが、僕たちに呈示した、新しいプレーヤーの使い方が、ポッドキャスティングです。ポッドキャスティングは、iPodのPodと、"放送"を意味するbroadcasting(ブロードキャスティング)を組み合わせた造語です。

iPodを使った放送ということですね。

iPodは、ネット接続されたパソコンとつないで利用するようにできています。
そこで、一般の人も、ネット経由でiPodにデータを送ることで、個人放送局を可能にしたのがポッドキャスティングになります。

具体的には、放送したい人が、ポッドキャスティングを配信センターに登録して、これをユーザーがダウンロードすることになります。

放送内容は、基本的に自由ですので、ニュースや英会話の講義なんかもポッドキャスティングで聞くことができるんですね。
満員電車での楽しみが増えました。

ところで、実は、ポッドキャスティングの登場には、業界を揺るがす重大な意味があるのです。
それは、インターネットを使って放送ができるようになったので、TV局のような巨大な設備を持たなくても、簡単に放送ができるようになったということです。

おそらく早晩、今のようなTV局は消滅するでしょう。
そう思うと、楽天やホリエモンが、TV局を莫大なお金を出して買おうとしていることが、滑稽にも見えてきます。

彼らは、「放送と通信の融合」と唱えますが、それはTV局からは始まりません。

皆さんの手の中にある小さな端末から始まるのです。

この記事に関連する商品

欲しいけど・・・miniもってるしなぁ〜

 

(2005.10.21)
   目次に戻る
ホームに戻る

ホームに戻る

Copyright (C) 2000-2005 西麻布 夢彦 All Rights Reserved.
<免責事項>
提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、ともあき(ウェブマスター)及び情報の提供元は 一切責任を負いかねます