お手軽経営用語入門

ナ行
ニュー・エコノミー [読み:ニュー・エコノミー]
[分野] 経済

ITによって、インフレ・景気循環・失業などの経済上の問題が解決されたという考え。これまでの歴史にない経済環境。

 ほんの少し前まで、日本でもアメリカでもIT関連の会社は高く評価されて、株価も高かったですね。でも、去年の夏ぐらいから、IT関連株も暴落してしまいましたけど・・・
 そのころよく言われていたのが、日本では「IT革命」、アメリカでは「ニュー・エコノミー」です。
 どちらもITがあれば経済は上手くいく、という話です。

 さすがに、ITがあれば経済は大丈夫という議論は楽観的すぎるけど、いくらITバブルが弾けたとはいえ、ITの全てを否定するのも短絡的だと思います。パソコンやインターネットのようなITが多くのビジネスを生み出してきたのも事実です。

 さて、ニュー・エコノミーの世の中ではインフレが起きないと言われています。インフレ無き経済成長がニュー・エコノミーの最大の特徴なんです。

 みなさん景気がよかったころを思い出してください。
 なんでも高かったですよね。特に土地と株。
 景気がいいとインフレが起こりやすいんです。
 というのも、景気がいいというのは、みんながモノを欲しがることです。モノが不足して、お金が余っているんです。そういうときには、商品の奪い合いが始まってインフレになります。

 ところがIT革命に沸くアメリカでは、あれだけ(株が値上がりして)景気が良かったのに、インフレにならなかったんです。(98年・99年ぐらいはインフレ率1%から2%の間ぐらい。90年代の初めは5%程度とインフレだった。)

 その理由がITだと言われています。
 ITを利用することで、需要と供給のバランスが上手くとれたと考えられているんです。

 普通企業が新製品を出すときは、あまりたくさん作りません。供給が需要を上回って、売れ残ると困るからです。でも、その製品がヒットしたら、どんどん増産します。供給が需要を満たせないと、商機を逃すし、お客さんに怒られるからです。

 これまでは、そういった需要の予測や実際に売れた数を調べることが難しかったのです。それに、たとえ商品が売れていると分かっても、そこから増産するのには時間がかかりました。
 でも、ITの発達で需要の予測や実績の把握が簡単になってきました。しかも、売れていると分かってから、生産を始めるまでの時間が、かなり短縮できるようになりました。
 デル・コンピューターなんて、お客の注文を受けてからパソコンを組み立てているという話ですもんね。

 ニュー・エコノミーやIT革命は、本当に新しい産業革命なんでしょうか?

 もう少し、見守る必要があるのでしょうね。

(2001.05.17)
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ネットワーク外部性(network externalities) [読み:ネットワークガイブセイ]
[分野] 戦略

利用者の需要および便益が財・サービスの利用者数や、だれが利用するつもりかという点に依存するような性質。

 みなさんが普段食べているお米や野菜って、ちゃんとおいしく食べられれば十分満足できるよね。冷蔵庫や洗濯機のような家電製品も、ちゃんと使えればいいよね。
 だけど世の中には、商品の機能がどんない優れていても、周りの人が使っていなければ役に立たないモノがあります。

 例えば電話なんかがそうです。
 いくら声がきれいに送れても、この世の中で自分しか電話を持っていなければ意味がないよね。話をする相手がいませんもんね。出来るだけたくさんの人が電話を持ってないと意味ないよね。

 他にもパソコンなんかがそうです。
 どんなに計算速度が速くても、きれいな画面表示が出来ても、友達や同僚とデータ交換が出来なければ不便ですよね。あなたのパソコンが、世界で一台しかないモノなら、ソフトを全部自分で作ったり、高いお金を払って作らなければいけません。
 だけど、みんなが使っているウィンドウズのパソコンなら、お店で安くソフトを買えるもんね。(っえ!安くないって?・・・でも、Excelなんかを自分専用に作ったら、数百万円、数千万円するよ)

 こんなふうに、商品の魅力がどれくらいたくさんの人が使っているかで決まることを「ネットワーク外部性」といいます。
 パソコンやゲーム機にネットワーク外部性が働くのは有名ですよね。

 今では当たり前だけど、ビデオデッキにネットワーク外部性が働いたのは意外でしたね。
 もともと、TV番組を録画するのが目的のビデオなんだから、VHSとベータが両立してもおかしくないのに、一方的にVHSが売れて、世の中はVHS一色になりました。
 その理由は、レンタルビデオの存在でしょうね。
 レンタルビデオ店でビデオを借りたければ、お店にあるのと同じ方式のビデオデッキを持ってないと仕方ないもんね。

 なるほどポイントはレンタルか!

 レンタル汚れた靴下で洗濯機のデファクトスタンダードを取るぞ!!

(2001.05.15)
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のまネコ問題 [読み:ノマネコモンダイ]

[分野] 危機管理

エイベックス社がO-ZONEの「恋のマイアヒ」特典DVDに、インターネット掲示板2chで親しまれているキャラクターと類似したキャラクターを利用したムービーを収録したことに始まる一連の騒動。

のまネコ問題というのは、簡単にかいつまんで言うと、エイベックスが、2chの人気キャラクター「モナー」とそっくりなキャラクター「のまネコ」を、浜○あ△みさん発案のキャラクターとして意匠登録したところ、2chを中心に激しい抗議の声が上がり、エイベックスが、しぶしぶ意匠登録を取り下げた(商標は残存しているようです)という事件を指します。

のまネコ問題というのは、ずいぶんと複層的な問題を含んでいます。

そもそもアーティストの楽曲を許可を取らずに利用したFlashアニメーションは許されるのか。
2chで親しまれているアスキーアートによるキャラクターの著作権は誰に帰属しているのか。
エイベックス松浦社長の「謝罪」は、企業の危機管理として適切だったか。
等々です。

ボクが、今回、注目したいのは、危機管理、というより、企業と消費者のコミュニケーションです。

エイベックスが、2chの人気キャラクター「モナー」によく似た「のまネコ」を商品化したことにより、殺人予告を含むまでの激しい抗議の声が起こりました。

なぜ、殺人予告までの激しい抗議行動が起きたのでしょうか。

それは、「のまネコ」を商品化したのがエイベックスだからです。

どういうことかというと、エイベックスは、ここ何年間にも渡り、CDの売り上げ低下の原因は、インターネットユーザーが、違法コピーした音楽ファイルを交換しているせいだと語ってきました。

ボク自身、ファイル交換というのは、あまり奨励できるものではなく、ましてwinnyを利用するような不特定多数の人に対するファイルの配布は、既に私的利用と超えているとは思います。
しかし、エイベックスに、「オマエたちは悪だ」と"名指し"されたインターネットユーザーの中には、エイベックス(を含むレーベル各社)に、ささやかな反感を持った者も、少なからずいたでしょう。

しかも、エイベックスは、ソニーと並んで、強硬にコピーコントロールCDを普及させようとしてきました。
確かに、レーベル会社は、楽曲のコピーをコントロールする権利を有していますし、コントロール技術が適切であるならば、そのこと自体は問題ではありません。
ただ、この行動によって、エイベックスは「違法コピーは許さない」という姿勢を、満天下に示したことになります。

にも関わらず、モナーをコピーして恥じない行為をしたのです。
当然、2chに巣くう消費者は、エイベックスに対して、「他人のコピーは認めないが、自分がコピーすることは恥じないんだな」と反感を持つことになります。

ボクは、だからといって、殺人予告はイクナイと思います。

しかし、エイベックスは、企業体として、このような危機に対して適切に対処するという必要がありました。
つまり、感情的にならずに、冷静に対処することです。

しかし、残念ながら、松浦社長は、本人がどう思っているかは別として、反対の行動に出てしまいました。

つまり、感情的反駁です。
彼は、挑発をしてしまったのです。

mixi脱退にあたって、彼は脱退宣言をmixiに書き込みました。
その中で、若干不用意な発言が見られました。

> アスキーアートにそれほどの文化と皆様の支持があることは
> 2チャンネルを見ない私にはまったくわかりませんでした。
> むしろ2チャンから派生したキャラクターが有名になっていく
> ことに2チャンの方々が喜んでくれるのではとも思っていました。

え〜と、翻訳します。

・アスキーアートには文化はない
・オレは2chなどという(低俗な)ものは見ない
・せっかく有名にしてやったのにグダグダいうな

ケンカ売っとんかい!
(ノ ゚Д゚)ノ ==== ┻━━┻

ボクは、松浦社長自身は、クリエイティビティに理解もあり、だからこそ、あのエイベックスのお家騒動を制して社長になられたのだということは理解しています。

しかし、SNSであっても、インターネットという開かれた空間、つまり、自分に悪意を持っている人も見るであろう場所に書き込みをするときには、もう少し、慎重だった方が良かったかと思います。

結局、今回の騒動の根底は、2chという文化を本心では尊重していない人への2ch住人の反感があると思われます。

確かに、松浦社長自身は、Flashに新しい時代を感じる感受性があり、コピーコントロールCDを止めるなど従来のエイベックスの路線を変更してきたという実績があります。

しかし、一般人は、松浦社長をエイベックスの社長としてみているのであって、彼と先代の違いなど知ったことではないのです。

だからこそ、企業の危機管理として、もう少し慎重であるべきだったと残念でなりません。
なぜなら、松浦社長という影響力もあり、優れた感性とビジネスの能力を持った方をネットから遠ざけ、そして、2chやフラッシュが市民権を得る機会が遠ざかったからです。

ともあれ、もし、アナタの会社が、ネットの風評被害に遭った時には、以下に注意することが必要だと思われます。

(1)感情的にならない
(2)ネットとその住人を理解した上でメッセージを出す
(3)謝るときは、決して釈明をしない

ネットを敵にするのではなくて、味方にする方法を考えなければイケマセンね(第一歩はネットへの敬意を持つことですが)

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(2005.11.08)
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