食事を抜いてこの本を読め!!

ジャンル マンガ SF ファンタジー
書名 電波オデッセイ
著者 永野 のりこ
出版社 ASCII COMIX(アスキー出版局)後にアスペクトに変更 ISBN 省略 値段 573円
名言 旅の終わり いつか彼方で おかあさんにあったらば

話すんだ

あたしが この世界に生まれて どんな遠くまで行ったか
どんなものに出会って どんなにたくさんのものをみつけたか

そうだ あかあさんに会ったらば
まず 一番にこう言おう

おかあさん
ホラ 見て おかあさん
オミヤゲだよ

感想 (あらすじ)
 不登校の少女、原スミコが死を決意したとき、オデッセイと名乗る謎の人物(幽霊のように中に浮いている)が現れる。
 彼は原さんに「忘れたの?きみは観光客じゃないか 地球(ここ)への 彼方から来て また彼方へと去る」と、彼女がこの世界のパッセンジャー(通行人)にすぎないことを伝える。そして、帰る時は心1コ分に入りきれる思い出だけしかオミヤゲにできないという。
 パスポートの有効期限はあと1年。原さんのオミヤゲ探しが始まる。
 このマンガは、中学生くらいの少年少女が抱える心の闇とその克服をテーマにしています。主人公のほかにも、拒食症の少女や、周りの人から見た自分と、自分自身の目から見た自分のギャップに悩む少年など、みなさんも悩んだような問題がいろいろ描かれています。

 永野のりこさんは、「みすてないでデイジー」という、マッドサイエンティストの少年がクラスメイトの女の子に恋をして騒動を起こすという、ナンセンス・ギャグマンガでデビューし、「ヤング・マガジン」連載の「GOD SAVE THE すげこまくん」でメジャーになった作家さんです。
 ちょっとアレな主人公が巻き起こすドタバタと、誰もが感じる孤独をテーマに優れた作品を多く生みだしています。

 今回の名言は、自分を捨てた母親が実は狂気の果てに自殺していたことを知った主人公が、そのかなしみを乗り越えて、母親にすがるのではなく、むしろ母親の苦しみを包み込めるまでに成長したという、この物語のエピローグに登場する台詞です。
 今は亡き母により大きな愛をもって語りかける主人公の台詞は、力強く感動的です。
 親の子への愛、子の親への愛を描いた佳作です。

(2000.10.7)

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