食事を抜いてこの本を読め!!

ジャンル 歴史小説
書名 一夢庵風流記
著者 隆 慶一郎
出版社 新潮文庫 ISBN 4101174148 値段 667円
名言 俺もお前も図体がでかいだろう。図体のでかい奴は、嘘は云わないんだ。判るな。そんな小汚い真似をしなくていいからさ。一発ぶん殴りゃ相手は死ぬんだ
感想

 「一夢庵風流記」は、戦国末期から江戸時代までを駆け抜けた、一代の風雲児 前田慶次郎を主人公にした歴史小説です。
 主人公、前田慶次郎は、傾奇者(かぶきもの)といって、派手な格好と異様な振る舞いで人を驚かすのを愉しむ男です。しかも戦いが強く、文字どおり無敵の戦士です。

 この作品は、少年ジャンプで連載されていた「花の慶次―雲のかなたに」の原作でしたので、漫画で読まれた人も多いかもしれませんね。
 ジャンプ版「花の慶次」は、権力者に翻弄される人々に同情した慶次郎が義憤に駆られて、悪を成敗して回るという、北斗の拳の時代劇版のような話でした。
 まあ、毎回、秀吉に意地悪されて窮地に立った慶次郎を家康が助けたり、時代劇テイストの強い話でした。

 さて、この「一夢庵風流記」、作者の理想の漢(おとこ)が描かれて居るんだけど、ちょっと凄すぎです。
 慶次郎のすごさを物語るエピソードとして、初めて秀吉に対面する場面があります。

 ある日慶次郎のもとに、元主君である前田利家の妻"おまつ"がやってきます。
 おまつは、慶次郎に秀吉の呼び出しに応じて、出仕するように言いつけます。
 しかも、その対面の場で、秀吉を怒らせてはいけない、とまでいいます。

 慶次郎は、おまつに惚れているので、言いつけを拒むことができません。
 しかし、慶次郎は傾奇者なので、権力者に媚びへつらうことはできません。
 つまり、秀吉を怒らせないなんてことは不可能です。

 さて、みなさんが、このような窮地に陥ったとしたら、どう切り抜けますか?
 普通は、秀吉にお世辞をいうか、対面せずに逃げようと思いますよね。
 彼は逃げません、お世辞も言いません。
 悩みに悩んだ彼は、単純な結論に達します。

 「秀吉を殺そう」

 ・・・って、なんでやねん!!

 この小説は、全編この調子!慶次郎の一般人には及びもつかない漢っぷりを見せつけます。
 ページをめくる毎に、ツッコミどころ満載で、一度読み始めると、もう夢中!最後まで読み切ってしまいます。
 慶次郎の活躍からは目が離せません!!
 ・・・違う意味でな。

 漢になりたい人、必見の書ですね。

(2001.02.13)

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