食事を抜いてこの本を読め!!

ジャンル ビジネス
書名 経営パワーの危機
著者 三枝 匡
出版社 日本経済新聞社 ISBN 4-532-14314-4 値段 1,553円
名言 有望な人材の経営特訓だ。社内でも使うが、キャリアの途中で一度は社外に出す。小さい会社でいいから『社長』をやらせる。年齢なんか関係なし。優秀なやつに重荷を負わせるんだ。
感想  三枝氏は、小説風経営書を得意とする作家さんです。元はBCGにもいたコンサルタントですね。
 本書もそうですが、無味乾燥になりがちな経営書を小説風にすることで、経営の世界がエキサイティングに楽しめます。しかも、内容は実話をもとに再構成したものですから、一般のサラリーマン小説に比べて、実用性も高い内容になっています。

 この「経営パワーの危機」は、大手電機メーカーの社長が、自分の次の世代を担う人材が育っていないことに危機感を感じ、若手社員(とは言っても課長級)を子会社の再建のため社長として送り込むところから始まります。
 経営者として成長するには、小さい会社でも『社長』を経験するのが一番よい、と考えたからです。

 話は、この若手経営者「伊達陽介」の成長物語として進みます。
 赤字からの脱却、新規事業への挑戦、社内政治による混乱、そして自身の慢心からくる危機。
 読んでいると、自分も伊達のようにエキサイティングな経験をしてみたいと思うこと請け合いです。

 不満な点もあります。
 それはどうして経営者育成のためには、「小さい会社でも『社長』を経験するのが一番よい」のかロジカルに説明されていない点です。
 直感的には大賛成なんですけどね。

 さらに驚いたことがあります。
 本書は、1994年の作品です。話は1980年代のベンチャーブームの後始末を描いたものですが、その様子が、なんだか2001年の現在に重なります。
 なんというか、古さを感じさせないんですね。

 経営書の古典として長く愛される作品かも知れません。

2001.05.13

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