タイトル さよなら大好きな人
アーティスト 花*花 (作詞&作曲:こじまいづみ)
名言 何もかも忘れられない
何もかも捨てきれない
こんな自分がみじめで
弱くてかわいそうで大きらい
感想  「花*花」は兵庫県出身の「おのまきこ」「こじまいづみ」の2人組です。
 関西在住ながらグイグイ頭角を現して、紅白出場まで果たしましたね。

 この「さよなら大好きな人」は、タイトルからも分かるように、失恋を歌ったラブソングです。
 女の子2人組が歌う失恋ソング、興味が沸きますね。

 さて、同じ失恋ソングでも男の子2人組の「ゆず」は、凝った曲を作りました。
 大ヒット作の「サヨナラバス」です。

 「サヨナラバス」の見事さは、情景描写を淡々と続けて主人公の感情を押さえに押さえて、最後に爆発させる構成のテクニックですよね。

 出だしが、

予定時刻は六時

ですよ。

 事実をただ客観的に語っています。
 感情の入り込む余地もありませんね

 そしてその後、バスが来るまで、彼女が無言でうつむいて歩いたり、主人公は石を蹴ったり、静の美学が貫かれます。
 こんな時に、ビービー泣いたり、ベラベラしゃべるもんじゃないよね。
 男が泣いていいのは、親が死んだときと妻が死んだときだけです。

 そうやって、悲しい感情と戦いながら主人公は耐え続けますが、でも耐え切れません。

さよならバスよどうか来ないでくれないか
やっぱり君が好きなんだ

 これだって、心の中で叫ぶだけ。
 表面は努めてクールに、クールに
 もしかしたら、泣いてすがれば別れずに済むかも知れません。(注.現実には逆効果です)

 でも、彼は耐えます。
 そして、バスが彼女を連れ去った後

立ちつくす街並みひとりぼっちには慣れているのに
どうして涙が止まらないんだろう

 彼女が去り、誰もいなくなってから、はじめて自分の感情を表に出します。
 ハードボイルドにカッコつけて感情を押し殺しながらも、最後は泣いてしまうなんて、男の悲哀を感じるなぁ。しかも、彼女には涙を見せない。
 北川、おまえ漢(おとこ)だよ。(注.「サヨナラバス」の作詞は、ゆずの北川悠仁)

 さて、この名曲に対して「花*花」はどう応えるのか!

まず出だしが

さよなら 大好きな人
さよなら 大好きな人
まだ 大好きな人

 ・・・えっ?いきなり??
 ふつう場面とか、人物紹介から始めるもんじゃないの?
 ボクまだ心の準備できてへんで・・・

 しかも

何もかも忘れられない
何もかも捨てきれない
こんな自分がみじめで
弱くてかわいそうで大きらい

と、畳みかけるように自虐モードに入ります。

 「みじめ」「弱い」「かわいそう」と嘆いて「大嫌い」と落とします。
 だれか、フォローしたれよ!

 そして

泣かないよ 今は
泣かないよ 今は
心 はなれていく
それでも私の 大好きな人

未練バリバリです。

 よくよく見てみたら、「さよなら大好き"な"人」なんだよね。
 "だった"じゃなくて・・・

 この曲、すごい怨念がこもってるよ。
 自虐と未練と女の情念の世界ですね。

 でも、これって、なんかボクらのよく知っている世界ですね。

 そう演歌ですよ。
 着てはもらえぬセーターを編んでみたり、連絡船で凍えそうなカモメ見つめたり・・・

 こわいよぉ〜

 結局、「ゆず」と「花*花」の違いって、恋愛に対する男女のスタンスの差なのかも知れないね。
 男は散り際は美しく、でも泣いちゃう。
 女は、別れても別れてやんない!だって、わたしはカレの最後のオ・ン・ナ

 こわいよぉ〜

 でも、現実には女の子の方が立ち直りがはやいんだよなぁ〜
 より戻そうと思って電話したら「私、もう彼氏いるよ」とか「う〜ん、ちょっと〜」とか「この電話番号は現在使われていません」
 って、引っ越しとるやん

 ずるいよぉ〜

(2001.01.06)

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