タイトル serial experiments lain
名言 ありす 「でも、あたし達、変だよ。あたし達、昨日人が死ぬのを間近に見たんだよ?それなのに、まるで映画でも見たくらいの感覚でいってる」
麗華 「でもさ、昨日の夜、確かにあたし達そこに居たけどさ、何かリアリティが無かったって気がする」
樹里 「あたしも、そんな感じかな。ありす、そんな深刻に受けとめない方がいいと思う」
ありす 「そうじゃなくって、深刻に受け止められないから変なんだって」
 
感想

映像の世紀第二回は、発表後7年を経ても、根強い人気を維持するカルト的作品「serial experiments lain」です。

この作品は、「98年度文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門 優秀賞」を受賞しており、公の評価も高いようですね。

あらすじは、

ワイヤードと呼ばれるネットワークの発展により、完全なネットワーク社会となった現在より少しだけ未来を舞台に、名門女子中学の2年生、岩倉玲音(いわくられいん)が、様々な怪現象に出会うというサイコ・サスペンス。

この作品の見所は、インターネットの未来像を描いたワイヤード、パソコンや情報端末の発展系であるNAVIといった、未来的グッズのセンスです。

未来のパソコン(NAVI) 未来のケータイ
 
未来のメール  

まだ、i-modeもなかった時代に、中学生が授業中に携帯端末でメール交換する姿を描くとは、今見ると、現代の予言のようです。

話は、自殺したクラスメートからメールが来るという、都市伝説的なエピソードから始まります。
メールの内容は、「死んだのではない、"こっち"側にきただけ、玲音も ”こっち”へくればいいのに」

死者からのメールが語りかける・・・「神様がいる」と

本作品は、各話完結型で事件が起こり、その事件のつながりから、玲音の出生の秘密が明らかになっていく、という構成になっています。

ただ、この作品が個性的なのは、先ほど、「各話完結型で事件が起こり」といいましたが、各話で起こった事件は、基本的には、すべて解決しません!
ええ、投げっぱなしです!

解決しないエピソードが重なって、解決しないストーリーが完結する・・・
このぶん投げ感が、TVシリーズが終わっても、視聴者に余韻を与えて、未だに人気が衰えないのかも知れません。

まあ、深夜アニメとはいえ、こんな突飛なストーリー許されたのも、98年のアニメ界を取り巻く事情が特殊だったからかもしれません。

98年という時代は、 95年のエヴァンゲリオンのヒットとエヴァ現象を受けて、前衛的な演出や心理学的なモチーフを取り上げた作品が数多く作られました。

その特徴としては、自己の内的世界(精神世界)と外的世界(現実世界)の区別が希薄な人物が主人公になるというものでした。
このアプローチ自体は、後に「最終兵器彼女」などのセカイ系で大成するわけですが、本作品でも、自他の区別が希薄になるというモチーフを上手く使っています。

セカイ系では、自分と世界の境界が曖昧になることで、主人公が全知全能になるといった結末が見られますが、本作品では、自分が失われていくことの恐怖を、サイコサスペンスとして描いています。

ネットの世界の出来事が、現実をゆがめ、現実に生きる人々は、何が異常で何が正常か、何が現実で何が作り物かわからななくなっていく・・・
そんな恐怖が描かれているのです。

現実と幻想が交錯する

そして、玲音が自分の存在を失っていく様子と、ワイアードと現実世界の境界が曖昧になる様子がシンクロしていきます。

玲音は現実さえも「書き換える」力を得ていく

結局、すべての謎は解き明かされず、解釈を視聴者に委ねる結末ですが、98年という世紀末の雰囲気を感じ、今見ても古さを感じさせません。

ネット関係者は、見てみる価値があるかもしれませんよ!
(もう見ている人がほとんどだろうけど)

ちなみに主題歌はBoAさんでした。(韓国からきたBoAさんとは別のようですが)

この作品を見るなら

(2005.10.22)

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