その会社なんぼや!

第二話 合い言葉はNPV

 さて、企業評価の方法として、代表的なものはどんなものがあるだろうか?
 従来、税法や証券市場では以下のような基準を利用してきました。 
<税法>
類似業種批准法
純資産価格法
配当還元法
<証券市場>
類似会社批准法
収益還元法
 でもね、今企業間の株式交換やM&Aでは、これらの評価方法を利用することはまれなんです。その理由は、上記の評価方法では、企業が生み出す本当の価値を計ることが出来ないと考えられているからです。
 例えば、比較的多くの要素を考えている「類似業種(会社)批准法」では、「配当金額・利益の金額・純資産額」を元に、会社の価値を決めるんだよね。
 でも、株主が望んでいるのは配当じゃなくて株の値上がりだし、会社が生み出す価値は利益と云うより現金(フリーキャッシュフロー)というように、前提にする数字が全然変わってしまったんですね。

 それで、今一番よく使われている評価方法は、その会社が、この先の未来に生み出す現金(キャッシュ)の合計を元に、現在その会社はどのくらいのお金(フリーキャッシュフロー)を生み出すポテンシャルを持っているか計算する、NPV(Net Present Value:正味現在価値)なんです。

 ところで、企業の価値を計るときに、今年入ってくる100万円と、10年後に入ってくる100万円を同じと考えてもいいのでしょうか?
 次回は、お金と時間の関係、つまり現在価値について考えてみたいと思います。
 乞うご期待

次回 第三話 時は金なり その1

<用語解説>     
  • 類似業種(会社)批准法
    評価する会社と似た業種(会社)で上場している企業の株価を基にしてその上場企業と評価する会社の「配当金額・利益の金額・純資産額の3要素を批准して株価を算出する。

    1株当たりの類似業種(会社)比準価格 = α× (B÷β+C÷γ+D÷δ)÷3 × 0.7

    α=
    類似業種(会社)の株価
    β=
    課税時期の属する年の類似業種(会社)の1株当たりの配当金額
    γ=
    課税時期の属する年の類似業種(会社)の1株当たりの年利益金額
    δ=
    課税時期の属する年の類似業種(会社)の1株当たりの純資産金額(帳簿価格によって計算した金額)
    B=
    評価会社の直前期末における1株当たりの配当金額
    C=
    評価会社の直前期末以前1年間における1株当たりの年利益金額
    D=
    評価会社の直前期末における1株当たりの純資産金額(帳簿価格によって計算した金額)
       
  • 純資産価格法
    評価する会社を解散・清算する場合に、株主にどのくらいの金額が分配できるか計算する。
  • 配当還元法
    同族株主以外の者が取得した株式の評価について認められる方式で、会社の配当実績に基づいて株価を評価する方法。

    一株当たりの配当還元価格 = 年配当金額÷10%× 1株当たり資本金÷50円

    ただし、その株式に係る年配当金額2円50銭未満のもの及び無配のものについては2円50銭として計算
  • 収益還元法
    将来の予想年間税引き後利益を資本還元率(ROI等を利用)で割ったもの。 

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