◆ 内部に原因のある頭痛 ◆
脳は中医学理論では、「脳は髄の海」といって精髄が集まっている所であるといわれます。脳は肝血、腎精や、脾が作り出す栄養により養われているため、肝・腎・脾に関係が深く、3つの臓器を損なう事により頭痛が起こります。更に体の新陳代謝がうまくいかない事により生ずるお血、痰飲によっても頭痛が起こります。
【肝陽頭痛】
肝の陰分の不足により肝の陽気が体の上部にのぼって頭痛がする。クラクラしたり、筋がつったり、怒りやすい、顔が赤い、口が苦い、脇腹が痛いといった症状が起こります。
舌の色は紅、苔は薄く黄色の状態です。
肝陽の高まりをしずめる釣藤鈎、目の充血や頭痛をやわらげる菊花などを配合した「釣藤散」を用い、腎の問題もあれば「杞菊地黄丸」を用います。
【気虚頭痛】
脾の力不足のため必要な気が頭へ昇らず、不用な陰分が降りないために頭痛がする。しくしくと痛む、無理をすると痛みが強くなります。
疲れやすく胃腸が弱い時は、気を増し脾を強める作用(益気健脾)のある人参、オウギ、白朮、甘草や、気を上げる柴胡、升麻を配合した「補中益気湯」に「頂調顆粒(川きゅう茶調散)」を少量加えて用います。
【血虚頭痛】
血虚のため脳の栄養が不足して頭が痛く、くらくらする、顔色がすぐれない、動悸がつづくといった症状が起こります。舌の色は淡く、苔は薄い状態です。
その時は補血活血作用のある「四物湯」に「香菊花」を加えて用います。同時に気虚のある方は「四物湯」を「人参養栄湯」に変えて用います。
【腎虚頭痛】
腎虚により精髄不足となり、頭が空虚感のある痛みとなりめまいがする、耳鳴、手足が冷える、腰が重く痛い、膝や足に力が入らないとうの症状が起こります。
その時は「金匱腎気丸」に「補中益気湯」を加えて用います。
【痰濁頭痛】
脾の運化作用が弱まると水分を津液にできなくなったり、また津液が停滞して痰に変化します。そのために栄養が回らず、頭がボーッとして痛み、めまい、胸苦しい、胃がつかえる、ムカムカして水様性の嘔吐や、食欲不振が起きます。舌苔は白くて、べったりしています。
その時は痰を変化させて降し吐き気を止める生薬(半夏・茯苓・陳皮・白朮・生姜など)を配合した「半夏白朮天麻湯」を用います。また熱が強い時は「黄蓮温胆湯」を用い、冷えが強い時は「呉茱萸湯」を用いるとよいでしょう。
【お血頭痛】
肝気が鬱結したり、頭痛が長期間続いていると血が滞って流れが悪くなり、お血を生じます。そのため固定痛(同じ所が痛む)や刺すような痛みが起こる、夜間に痛みが強くなる、また舌にお斑が生じるなどの、お血症状があらわれます。
その時は活血化お、理気止痛作用のある「血府逐お湯」を用います。痛みが強い時は地黄や田七を加えるとよいでしょう。