中国医学では病気の起こる原因を、外から侵入する外因(六邪)と、内から起こる内因(七情)、その他に飲食・運動・外傷・寄生虫などによるといいます。さらに病気により体内で作られる痰飲・お血などにも原因があるとしています。
2「七 情」─ 病気の起こる内因
七情とは、喜・怒・憂・思・悲・恐・驚の感情です。普段の生活状態での喜びや悲しみなどの感情であれば問題はないのですが、強いショックをいきなり受けたり、長時間ストレスを受け続けていると、対応する五臓の気に影響を与え病気の原因となります。
喜は心に、怒は肝に、憂・思は脾に、悲は肺に、恐・驚は腎に影響を及ぼして、気血の流れや臓腑の動きが変わり、それが更に他の臓腑に影響していくので実際には七情は五臓の内、心・肝・脾に影響が出ることが多いのです。
・心への影響
心は精神をつかさどるため動悸・不眠・健忘・息切れ・胸苦しさや、さらに重症になると精神錯乱などを生じます。
・肝への影響
肝気の流通に乱れを生じてイライラ・怒りっぽい・憂鬱感・脇痛・のどがつかえる・頭痛・肩こり。女性では乳房のしこり・下腹部の張った痛み・生理不順などや、重症になると意識不明・突然のけいれん等を生じます。
・脾への影響
脾の消化吸収の働きに影響して、食欲不振・悪心・嘔吐・腹痛・下痢・便秘などが起こります。
3「飲食の不摂生」
過食・少食・偏食・寒熱の不適合により、病気を起こす原因となります。
・暴飲暴食や食事の時間が不規則になったり、ダイエットで無理に制限したりすると、脾胃の消化吸収の力が悪くなり、食欲不振・嘔吐・腹痛・もたれ・下痢などの症状が出たり、ダイエットのため気血の不足が起こって、疲れやすい・めまい・髪が抜ける・月経が止まるなどの症状が起こります。
・冷たいものの取り過ぎによって腹痛・下痢・食欲不振、更に冷え性等になります。また辛いものや体を温めるものを取り過ぎると、便秘・口臭・口渇・吹き出物が出やすくなる等の症状があらわれます。
・油っぽいもの、甘味の濃いもの、酒の飲み過ぎは脾胃の力を弱めてしまい、食欲不振・腹が張る・腹がもたれる等の症状があらわれます。
4「過労と運動不足」
・過度の労働で疲労が重なると、気血が消耗されて、体がだるい・疲れる・めまい・食欲不振等の症状があらわれます。
・運動不足により気血の流れが停滞し、肩がこる・背中がこる・腰の痛みなどが出て、それが長く続くと脾胃の力が落ちて筋骨の働きが衰えます。
※次回、「病気の原因 その4 病理的産物」に続く。