エリック・クラプトン / Eric Clapton

 1945年3月30日生まれ。"スローハンド"、"ギターの神様"などの異名を持ち、1960年代のロック・ギタリストの中で最大の人気を誇り、彼が現代のロック・シーンに及ぼした影響には図り知れないものがある。

キングストン美術学校に在籍していた17歳の頃からクラプトンはブルースに興味を持ち始めるようになる。やがて1963年、ルースターズというアマチュアの R&Bバンドを結成する。その後、ケイシー&エンジニアーズに短期参加したクラプトンは、63年キース・レルフのメトロポリタン・ブルー ス・カルテットにリード・ギタリストをして参加する。このグループが後のヤードバーズである。

65年"フォー・ユア・ラブ"のヒットを出したのち、ヤードバーズを脱退したクラプトンはジョン・メイオールのブルース・ブレイカーズに参加することになる。この頃から彼のギターの腕前はミュージシャンの間でも尊敬のまなざしで迎えられるほどになっていた。

ブ ルース・ブレイカーズで1枚のアルバムを残した後、クラプトンは66年、同じブレイカーズにいたベースのジャック・ブルースと、ジャックの友人のドラマー でグラハム・ボンド・オーガニゼイションにいたジンジャー・ベイカーと共に伝説のスーパー・トリオ、クリームを結成し、ナショナル・ジャズ& ブルース・フェスティバルで衝撃のデビューを飾ることになる。

彼らはそれまでボーカリストが中心であったロック・バンドに代わって各楽器プレーヤーの存在を押し上げ、即興演奏の可能性を大きく切り開いた。

しかし、やがて各メンバーのエゴの衝突、音楽性の相違などの理由で68年クリームは惜しまれながら解散してしまう。

クリーム解散後、クラプトンはジンジャー・ベイカー、トラフィックにいたスティーヴ・ウィンウッド、元ファミリーのリック・グレッチの4人で"スーパー・グループ"ブラインド・フェイスを結成するが1枚のアルバムを残して解散してしまう。

ブ ラインド・フェイスのアメリカ・ツアーで知り合った、デラニー&ボニーらと一緒に70年デレク&ドミノスを結成して2枚組アルバム「いと しのレイラ」を発表する。ここでクラプトンはデュアン・オールマンを招いてレイドバックしたすばらしいギタープレイを聞かせている。この後、デレク・アン ド・ドミノスは1枚のライブ・アルバムを残して解散してしまう。

71年10月29日、デュア ン・オールマンがオートバイ事故で死亡すると、クラプトンはヘロイン中毒に陥り、一時は再帰が危ぶまれたが、ピート・タウンジェントらの助けにより、レイ ンボー・コンサートでのライヴ・アルバムを発表。その1年間のブランクの後、大ヒット・アルバム「461オーシャン・ブールバード」を発表して見事に復活 し、現在に至っている。

「ギターの神様」はボーカリストとしても歳を重ねるごとに円熟味を増している。



ディスコグラフィー

 ファイヴ・ライヴ・ヤードバーズ
Five Live Yardbird
(1965)

A) 1.トゥ・マッチ・モンキー・ビジネス 2.アイ・ガット・ラブ・イフ・ユー・ウォント・イット 3.スモークスタック・ライトニング 4.グッド・モーニング・リトル・スクールガール 5.リスペクタブル
B) 1.ファイヴ・ロング・イヤーズ 2.プリティ・ガール 3.ルイーズ 4.アイム・ア・マン 5.ヒア・ティス

 65年発表のデビュー・ライヴ・アルバム。エリック・"スローハンド"・クラプトンとMCが入る。64年のロンドンでのステージを収録。

フォー・ユア・ラヴ
For Your Love
(1965)

A) 1.フォー・ユア・ラヴ 2.アイム・ノット・トーキング 3.プティ 4.アイ・エイント・ガット・ユー 5.ガット・トゥ・ハリー(インストゥルメンタル) 6.アイ・エイント・ダン・ロング
B) 7.アイ・ウィッシュ・ユー・ウッド 8.サートゥン・ガール 9.スウィート・ミュージック 10.グッド・モーニング・リトル・スクールガール 11.マイ・ガール・スルーピー

 「フォー・ユア・ラヴ」のヒットを受け、65年に発売。この前に英国でリリースされたミニ・アルバム『Five Yardbirds』収録曲を含むアメリカ編集盤。アメリカでのデビュー・アルバム。

ソニー・ボーイ・ウィリアムソン&ザ・ヤードバーズ
Sonny Boy Williamson & The Yardbirds
(1966)

A) 1.バイ・バイ・バード 2.ミスター・ダウンチャイルド 3.23アワーズ・トゥー・ロング 4.アウト・オブ・ザ・ウォーター・コースト 5.ベイビー・ドント・ウォーリー
B) 6.ポンティアック・ブルース 7.テイク・イット・イージー・ベイビー 8.アイ・ドント・ケア・ノー・モア 9.ドゥー・ザ・ウェストン

 1963年、シカゴ・ブルースの巨匠ソニー・ボーイ・ウィリアムソンとのロンドンのクロウダディー・クラブでのライヴ。

ジョン・メイオール&ザ・ブルース・ブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン
Blues Breakers With Eric Clapton
(1966)

A) 1.オール・ユア・ラヴ 2.ハイダウェイ 3.リトル・ガール 4.アナザー・マン 5.ダブル・クロッシン・タイム 6.ホワッド・アイ・セイ
B) 7.愛の鍵 8.パーチマン・ファーム 9.ハヴ・ユー・ハード 10.さすらいの心 11.ステッピン・アウト 12.イット・エイント・ライト

 ヤードバーズを抜けた後、ジョン・メイオールに誘われてブルース・ブレイカーズに加入。その約1年後の66年に発表した作品。

フレッシュ・クリーム
Fresh Cream
(1966)

A) 1.アイ・フィール・フリー 2.エヌ・エス・ユー 3.スリーピィ・タイム 4.ドリーミング 5.スウィート・ワイン
B) 1.スプーンフル 2.猫とリス 3.フォー・アンティル・レイト 4.ローリン・アンド・タンブリン 5.アイム・ソー・グラッド 6.いやな奴

 クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーによる驚異のスーパー・ロック・トリオ、クリームの記念すべきデビュー作。ブルースのスタンダード・ナンバーとオリジナルで構成。

カラフル・クリーム
Disraeli Gears
(1967)

A) 1.ストレンジ・ブルー 2.サンシャイン・ラヴ 3.苦しみの世界 4.夜通し踊ろう 5.ブルー・コンディション
B) 1.英雄ユリシーズ 2.スーラバー 3.間違いそうだ 4.アウトサイド・ウーマン・ブルース 5.テイク・イット・バック 6.マザーズ・ラメント

 67年にNYで録音され彼らの人気を決定付けたフェリックス・パパラルディ・プロデュースの2ndアルバム。代表曲「サンシャイン・ラヴ」を収録。

クリームの素晴らしき世界
Wheels Of Fire
(1968)

Disc1
A) 1.ホワイト・ルーム 2.トップ・オブ・ザ・ワールド 3.時は過ぎて 4.おまえの言うように
B) 1.ねずみといのしし 2.政治家 3.ゾーズ・ワー・ザ・デイズ 4.悪い星の下に

Disc2
A) 1.クロスロード 2.スプーンフル
B) 1.列車時刻 2.いやな奴

 エリック・クラプトン(g)、ジャック・ブルース(b)、ジンジャー・ベイカー(ds)のクリームがフェリックス・パパラルディのプロデュースの下に完成、60年代ロック界に衝撃を与えた傑作。スタジオ録音とフィルモア・イースト・ライヴの2枚で構成。彼らの代表曲「ホワイト・ルーム」と、もう説明不要の名演「クロスロード」を収録。

グッバイ・クリーム
Goodbye Cream
(1969)

A) 1.アイム・ソー・グラッド 2.政治家
B) 1.トップ・オブ・ザ・ワールド 2.バッヂ 3.スクラップヤード 4.ホワット・ア・ブリングダウン

 フェリックス・パパラルディのプロデュースにより、クリーム解散直後の69年3月にリリースされたアルバム。フィルモア・ライヴ3曲、スタジオ・ライヴ3曲の計6曲で構成されているが、中でもジョージ・ハリスン参加の「バッチ」は出色。

ライブ・クリーム
Live Cream
(1970)

A) 1.エヌ・エス・ユー 2.スリーピィ・タイム
B) 1.スウィート・ワイン 2.ローリン・アンド・タンブリン 3.ローディ・ママ

 クリームの神業的なインプロヴィゼーションが聞ける一枚。

ライブ・クリームVol.2
Live Cream, Vol. 2
(1972)

A) 1.荒れ果てた街 2.ホワイト・ルーム 3.政治家 4.英雄ユリシーズ
B) 1.サンシャイン・ラヴ 2.ハイダウェイ(ステッピン・アウト)

 クリーム解散後に、しかもVol.2というタイトルがついているので、人気に便乗してリリースしたVol.1の出がらし粗悪品のような印象を与えるが、とんでもない。「これぞクリーム」というライヴならではのスリリングな演奏が楽しめる。

スーパー・ジャイアンツ・ブラインド・フェイス
Blind Faith
(1969)

A) 1.泣きたい気持 2.マイ・ウェイ・ホーム 3.オール・ライト
B) 1.プレゼンス・オブ・ザ・ロード 2.歓喜の海 3.君の好きなように

  クリーム解散後、クラプトン、ベイカーにスティーヴィー・ウィンウッド、リック・グレッチの4人編成で69年6月22日、15万人動員したハイド・パーク のフリー・コンサートで衝撃的デビューしたスーパー・グループの唯一のスタジオ録音盤。クラプトン色 よりウィンウッド色のほうが濃厚。

ソロ
Elic Clapton
(1970)

1.スランキー 2.バッド・ボーイ 3.家から遠く 4.アフター・ミッドナイト 5.イージー・ナウ 6.ブルース・パワー 7.レッド・ワイン 8.ラヴィン・ユー、ラヴィン・ミー 9.ラスト・タイム 10.何故か知らない 11.レット・イット・レイン

 ブラインド・フェイスの解散後に制作されたフォースト・ソロ・アルバム。デラニー&ボニー、スティーヴン・スティルスなどを迎え、クラプトンの米南部音楽への愛情いっぱいの作品。プロデュースはデラニー・ブラムレット。

いとしのレイラ
Layla And Other Assorted Love Songs
(1970)

Disc1
A) 1.アイ・ルックド・アウェイ 2.ベル・ボトム・ブルース 3.キープ・オン・グローイング 4.だれも知らない
B) 1.アイ・アム・ユアーズ 2.エニーデイ 3.ハイウェイへの関門

Disc2
A) 1.テル・ザ・トゥルース 2.恋は悲しきもの 3.愛の経験
B) 1.リトル・ウィング 2.イッツ・トゥー・レイト 3.いとしのレイラ 4.庭の木

 クリーム解散後、ブラインド・フェイスを経てエリック・クラプトンが70年にデラニー&ボニー、ジム・ゴードンらの仲間とスワンプ・ミュージックに触発されて発表したアルバム。タイトル曲「いとしのレイラ」をはじめ渾身の名曲がズラリ揃った傑作盤。

イン・コンサート
In Concert
(1973)

Disc1
1.恋は悲しきもの 2.ゴット・トゥ・ゲット・ベター・イン・ア・リトル・ホワイル 3.雨よ降れ

Disc2
1.テル・ザ・トゥルース 2.レッド・ワイン 3.ロール・イット・オーヴァー 4.ブルース・パワー/ハヴ・ユー・エヴァー・ラヴド・ア・ウーマン

 デレク&ドミノスの70年10月フィルモア・イーストでのライヴ。ここではクラプトンのグループとしての性格が強く、サザン・ロックを志向し本格的に活動しはじめた作品。

レインボー・コンサート
Eric Clapton's Rainbow Concert
(1973)

A) 1.バッヂ 2.ロール・イット・オーバー 3.プレゼンス・オブ・ザ・ロード
B) 1.パーリィ・クィーン 2.アフター・ミッドナイト 3.リトル・ウイン

  ピート・タウンジェント、ロン・ウッド、スティーヴ・ウィンウッドらの協力を得て開催された一夜限りの復活コンサートの模様を収めたアルバム。アナログ盤 では編集に難があり評判はいまいちだったが、CDになってカットされていた8曲が追加され曲順がコンサートのとおりに並べかえられて、まるで別のアルバム のように蘇った。CD収録曲は以下のとおりである。

1.いとしのレイラ 2.バッヂ 3.ブルース・パワー 4.ロール・イット・オーヴァー 5.リトル・ウィング 6.レッド・ワイン 7.アフター・ミッドナイト 8.ベル・ボトム・ブルース 9.プレゼンス・オブ・ザ・ロード 10.テル・ザ・トゥルース 11.パーリー・クイーン 12.ハイウェイへの関門 13.レット・イット・レイン 14.クロスロード

461オーシャン・ブールヴァード
461 Ocean Boulevard
(1974)

A) 1.マザーレス・チルドレン 2.ギヴ・ミー・ストレングス 3.ウォリー・アンド・ザ・ハンド・ジャイヴ 4.ゲット・レディ 5.アイ・シャット・ザ・シェリフ
B) 1.アイ・キャント・ホールド・アウト 2.プリーズ・ビー・ウィズ・ミー 3.レット・イット・グロウ 4.ステディ・ローリン・マン 5.メインライン・フロリダ

 ここから、ヴォーカリスト、エリック・クラプトンの伝説が始まった。精神的な安定を感じさせる非常にリラックスした演奏が聞ける。黒人音楽あるいはアメリカ南部の音楽に対する敬愛の情が滲み出た名盤。

安息の地を求めて
There's One in Every Crowd
(1975)

A) 1.ジーザス・カミング・スーン 2.揺れるチャリオット 3.小さなレイチェル 4.ドント・ブレイム・ミー 5.ザ・スカイ・イズ・クライング
B) 1.ブルースを唄って 2.メイク・イット・スルー・トゥデイ 3.可愛いブルー・アイズ 4.心の平静 5.オポジット

 前作同様トム・ダウトをプロデューサーに迎え、アルバム全編にレゲエ/レイドバックを取り入れた異色作。

ライヴ
E.C. Was Here
(1975)

1.愛の経験 2.プレゼンス・オブ・ザ・ロード 3.ドリフティング・ブルース 4.マイ・ウェイ・ホーム 5.ランブリング・オン・マイ・マインド 6.ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード

 74年7月と12月に行なわれたライヴの模様を収録した作品。復帰後の楽曲は収録されていないブルース・アルバム。

ノー・リーズン・トゥ・クライ
No Reason To Cry
(1976)

1. ビューティフル・シング 2.カーニヴァル 3.サイン・ラングウィッヂ 4.カウンティ・ジェイル・ブルース 5.オール・アワ・パスト・タイムズ  6.ハロー・オールド・フレンド 7.ダブル・トラブル 8.イノセント・タイムズ 9.ハングリィ 10.ブラック・サマー・レイン 11.ラスト・ナ イト

 名盤との評価も高い1976年作品。ボブ・ディラン、ロン・ウッド、ロビー・ロバートソン、リチャード・マニュエル、リック・ダンコ、ジョージー・フェイム、ビリー・プレストン、ジェシ・エド・デイヴィスなどなど、総勢40人程の超豪華ゲストを迎えて制作された。

スローハンド
Slowhand
(1977)

1.コカイン 2.ワンダフル・トゥナイト 3.レイ・ダウン・サリー 4.ネクスト・タイム・ユー・シー・ハー 5.ウィ・アー・オール・ザ・ウェイ 6.ザ・コア 7.メイ・ユー・ネヴァー 8.ミーン・オールド・フリスコ 9.ピーチェズ・アンド・ディーゼル

 イーグルスなどを手がけたグリン・ジョンズがプロデュース。ブルース色が薄くなりポップ/AORテイストが前面に出た作品。 

バックレス
Backless
(1978)

A) 1. ウォーク・アウト・イン・ザ・レイン 2.ウォッチ・アウト・フォー・ルーシィ 3.アイル・メイク・ラブ・トゥ・ユー・エニタイム 4.ロール・イット  5.テル・ミー・ザット・ユー・ラブ・ミー
B) 1.イフ・アイ・ドント・ビー・ゼア・バイ・モーニング 2.アーリー・イン・ザ・モーニング 3.プロミ セス 4.ゴールデン・リング 5.タルサ・タイム

 前作『スローハンド』路線を踏襲した(プロデュースもグリン・ジョンズ)ポップ・フィーリングあふれる作品。「タルサ・タイム」「プロミセス」といったヒット・シングル収録。

ジャスト・ワン・ナイト〜ライブ・アット・武道館
Just One Night
(1980)

Disc1
1.タルサ・タイム 2.アー・リー・イン・ザ・モーニング 3.レイ・ダウン・サリー 4.ワンダフル・トゥナイト 5.イフ・アイ・ドント・ビー・ゼア・バイ・モーニング 6.ウォーリード・ライフ・ブルース 7.オール・アワ・バスト・タイムズ

Disc2
1.ダブル・トラブル 2.セッティング・ミー・アップ 3.ブルース・パワー 4.ランブリング・オン・マイ・マインド 5.コカイン 6.ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード

 1979年のジャパン・ツアーから日本武道館でのライヴ・パフォーマンスを収録した2枚組ライヴ・アルバム。『スローハンド』『バックレス』からの作品を中心に収録。


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