エマーソン・レイク&パーマー / Emerson, Lake & Palmer

 ロック・バンドとしては異色のギターリストのいないトリオ編成。キース・エマーソンの類稀なキーボード・テクニックとシンセサイザー・イノベーターとしてのセンス。グレッグ・レイクの叙情溢れるボーカル。カール・パーマーの変拍子を苦ともしないパワフルなドラミング。クラシック音楽を基調としながらも決してイージーリスニング音楽になることなく、あくまでもロック・グループとしてのスタンスを貫き通した70年代を代表するスーパーグループである。

1969年暮れ、ナイスとしてすでに4枚のレコードを作ったキースは、他のメンバー(リー・ジャクソン、ブライアン・デヴィソン)の力量不足を痛感していた。この三人でできることも限界に来ていた。

キースは新たなメンバー探しを始めるわけだが、まず、キング・クリムゾンでベースとボーカルを担当していたグレッグ・レイクに目を付けた。

キング・クリムゾンは当時デビューしたばかりで、その頃ナイスとキング・クリムゾンは一緒にアメリカ・ツアーをしていたということもあり、1970年に入ると、キースとグレッグの新グループの話しはより具体的になっていった。

この時すでに新しいバンドはトリオ編成にすることは決まっていたが、1970年4月、ドラマーに元アトミック・ルースターのカール・パーマーが加入し、三人は早速レコーディングに入った。

バンド名を決める時に、キースはナイスの名前をそのまま引き継ぐことを考えていたが、結局、それぞれのファミリー・ネームを取って、エマーソン、レイク&パーマーに落ち着いた。

こうしてEL&Pは本格的に活動を開始し、1970年8月23日、プリマスのギルド・ホールでデビューを飾ったのであった。

1970年11月にデビュー・アルバム『エマーソン・レイク&パーマー』を、翌71年5月にセカンド『タルカス』を、同年11月にはライブ・レコーディングによる『展覧会の絵』を発表する。続いて、1972年6月には『トリロジー』を発表し、7月には初来日を果たし、後楽園球場でのライブは伝説のライブとして語り継がれている。

1973年11月には『恐怖の頭脳改革』をリリースし、この頃には押しも押されぬトップ・グループになっていた。

そして、ツアーとレコーディングに明け暮れたEL&Pは集大成のライブ・アルバム『レディース&ジェントルメン』を発表すると、しばらくの間シーンから姿を消した。

2年間のブランクの後に発表された『ELP四部作』はメンバー三人がそれぞれレコード盤の片面ずつを担当し、残る1面をEL&Pの作品集にしたユニークなものだったが、内容的には個人のソロ・アルバム的色彩が濃いために散漫な印象を与えた。次に発表された『作品第二番』でもこの印象はぬぐえず、『レディース&ジェントルメン』を境にEL&Pとしての勢いを急速に失っていった。

1979年、9枚目のアルバム『ラブ・ビーチ』の発表を最後にグループは解散。その後、それぞれに音楽活動を続け、1992年「ブラックムーン」でEL&Pとして活動を再開している。



ディスコグラフィー

エマーソン・レイク&パーマー
Emerson, Lake & Palmer
 (1970)

A) 1.未開人 2.石をとれ 3.ナイフ・エッジ
B) 1.運命の三人の女神 2.タンク 3.ラッキー・マン

 A面1曲目のファズ・ベースの音からEL&Pサウンドに引き込まれていく。名曲「石をとれ」収録。

タルカス
Tarkus
(1971)

A) 1.タルカス a)噴火 b)ストーン・オブ・イヤーズ c)アイコノクラスト d)ミサ聖祭 e)マンティコア f)戦場 g)アクアタルカス
B) 1.ジェレミー・ベンダー 2.ビッチズ・クリスタル 3.ジ・オンリー・ウェイ 4.限りなき宇宙の果てに 5.タイム・アンド・プレイス 6.アー・ユー・レディ・エディ

 A面すべてを使ったタルカスはEL&Pの代表曲。

展覧会の絵
Pictures At An Exhibition
(1971)

A) 1.プロムナード 2.こびと 3.プロムナード 4.賢人 5.古い城 6.ブルース・ヴァリエイション
B) 1.プロムナード 2.バーバ・ヤーガの小屋 3.バーバ・ヤーガの呪い 4.バーバ・ヤーガの小屋 5.キエフの大門 6.ナットロッカー

 ムソルグスキーのクラシック曲をEL&P風にアレンジして演奏したライブ・アルバム。クラシック・アレルギーの人にもお勧めのロック・アルバム。

トリロジー
Trilogy
(1972)

A) 1.永遠の謎パート1 2.フーガ 3.永遠の謎パート2 4.フロム・ザ・ビギニング 5.シェリフ 6.ホウダウン
B) 1.トリロジー 2.リヴィング・シン 3.奈落のボレロ

 EL&Pの全アルバム中最も静寂なアルバム。しかし決して単調にならず深みのある名盤。

恐怖の頭脳改革
Brain Salad Surgery
(1973)

A) 1.聖地エルサレム 2.トッカータ 3.スティル・・・ユー・ターン・ミー・オン 4.用心棒ベニー 5.悪の教典#9 第一印象パート1
B) 1.悪の教典#9 第一印象パート2 2.悪の教典#9 第二印象 3.悪の教典#9 第三印象

 EL&Pの最高傑作としてファンの間で人気の高い作品。

レディース&ジェントルメン
Ladies and Gentlemen
 (1974)

Disc1
A) 1.ホウダウン 2.聖地エルサレム 3.トッカータ
B) 1.タルカス

Disc2
A) 1.石をとれ〜スティル・・・ユー・ターン・ミー・オン〜ラッキー・マン
B) 1.ピアノ・インプロヴィゼイション 2.石をとれ 3.ジェレミー・ベンダー〜シェリフ

Disc3
A) 1.悪の教典#9 第一印象
B) 1.悪の教典#9第二印象 2.悪の教典#9 第三印象

 当時は3枚組として発表されたEL&Pサウンドの集大成ライブ・アルバム。

ELP四部作
Works Volume1
(1976)

Disc1
A) 1.ピアノ協奏曲第1番 a.第1楽章アレグロ・ジョコーソ b.第2楽章アンダンテ・モルト c.第3楽章トッカータ・コン・ファコ
B) 1.今夜は愛につつまれて 2.セ・ラ・ヴィ 3.願わくは、み名の尊まれんことを 4.ノーバディ・ラヴズ・ユー 5.クローサー・トゥ・ビリーヴィング

Disc2
A) 1.邪教の神、そして悪の精の踊り(スキタイ組曲作品20第2曲) 2.L.A.ナイツ 3.ニューオーリンズ 4.ニ声のインヴェンションニ単調 5.フード・フォー・コア・ソウル 6.タンク
B) 1.庶民のファンファーレ 2.海賊

 A面キース・エマーソン、B面グレッグ・レイク、C面カール・パーマーがそれぞれ単独で録音し、EL&Pとしての演奏はD面のみの二枚組アルバム。

作品第二番
Works Volume2
(1977)

A) 1.孤独なタイガー 2.あなたのバレンタイン 3.ブルフロッグ 4.恐怖の頭脳改革 5.バレルハウス・シェークダウン 6.君を見つめて
B) 1.ソー・ファー・トゥ・フォール 2.メイプル・リーフ・ラグ 3.夢見るクリスマス 4.そっと閉じて 5.ホンキー・トンク・トレイン・ブルース 6.迷える旅人

 

ラヴ・ビーチ
Love Beach
(1978)

A) 1.欲しいのは君だけ 2.ラヴ・ビーチ 3.恋の味 4.ギャンブラー 5.おまえのために 6.キャナリオ
B) 1.将校と紳士の回顧録 a.プロローグ/紳士の教え b.愛を感じた時 c.最前線からの手紙 d.栄光の歩兵中隊(行進曲)

 バハマのコンパス・ポイント・スタジオにこもって制作されたEL&P最後のレコーディング作品。

ELPイン・コンサート
In Concert
(1979)

A) 1.イントロダクトリー・ファンファーレ 2.ピーター・ガン 3.孤独なタイガー 4.セ・ラ・ヴィ 5.邪教の神、そして悪の精の踊り(スキタイ組曲作品20第2曲) 6.ナイフ・エッジ
B) 1.ピアノ協奏曲第1番 第3楽章トッカータ・コン・フォコ 2.展覧会の絵

 ライヴ・アルバム第3弾。オーケストラを引き連れてのツアーの様子が収められている。

なお、1999年に「ワークス・ライヴ」と名前を変え、曲目を増やして2枚組でCD化されている。曲目は以下のとおりである。

Disc1) 1.イントロダクトリー・ファンファーレ 2.ピーター・ガン 3.孤独なタイガー 4.セ・ラ・ヴィ 5.君を見つめて 6.メイプル・リーフ・ラグ 7.邪教の神、そして悪の精の踊り(スキタイ組曲op.20-2) 8.庶民のファンファーレ 9.ナイフ・エッジ

Disc2) 1.奈落のボレロ 2.展覧会の絵 3.クローサ・トゥ・ビリーヴィング 4.ピアノ協奏曲第1番第3楽章トッカータ・コン・フーゴ 5.タンク



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