ピンク・フロイド / Pink Floyd

 

 イギリス・プログレッシヴ・ロック界を代表するグループ。プログレッシヴ・ロックといってもEL&Pやイエスのようなクラシック音楽の強い影響はなく、60年代後期のアート・ロックの流れを汲む独自のサウンドに特徴がある。

1965年、ロンドンにあるリジェント・ストリート建築工芸学校で建築学を学んでいたロジャー・ウォーターズ、ニック・メイスン、リック・ライトとカンバーウェル美術学校で絵画を専攻するジド・バレットの4人でピンク・フロイドは結成された。

しばらくはロンドン市内のクラブを拠点として活動し、そこでライトショーや即興演奏などの斬新なアイディアを試していたが、1967年EMIコロンビアとレコーディング契約を結び、3月に記念すべきファースト・シングル「アーノルド・レーン」でメジャー・デビューを果たした。

『夜明けの口笛吹き』でアルバム・デビューも果たすが、まもなくシド・バレットが精神を病み、翌年1968年、セカンド・アルバム『神秘』のレコーディング中に脱退。シドに代わってデイヴ・ギルモアがギタリスト兼ボーカルとして加入した。

デイヴ・ギルモアの加入によりサウンドに安定さが増し、『神秘』、『モア』、『ウマグマ』と1作ごとにイギリス国内で着実に人気を集めていった。5作目『原子心母』は日本でも話題となり一般の洋楽ファンの間でもピンク・フロイドの名はポピュラーなものになった。

1971年、ベスト・アルバムに続いて7作目『おせっかい』をリリース。このリリースと前後して初来日を果たし、日本のファンの前で大作「エコーズ」を披露した。この公演はオープニング・アクトを1910フルーツガム・カンパニーが勤めるという異色の顔合わせであった。

『雲の影』をはさみ、1973年にリリースされた『狂気』は本国イギリスはもとよりアメリカで大ヒットし、10年以上に渡りアメリカのトップ100に君臨するという、もはや誰も追従できないであろう大記録を樹立した。

この『狂気』の大成功によりピンク・フロイドは多くの狂信的なファンを持つカリスマ・グループへと変貌していく。

続く『炎』、『アニマルズ』でサウンドは安定期に入り、デイヴ・ギルモアのブルース・フィーリングたっぷりのギターと多彩になったキーボード群を駆使してカラフルで厚みのあるサウンドを聞かせている。

1978年に入ると、メンバーのソロ・アルバムが次々とリリースされるようになる。

1979年『ザ・ウォール』を発表。1982年にキーボードのリック・ライトが脱退、1983年の『ファイナル・カット』をリック・ライト不在のままレコーディングし、ピンク・フロイドは活動を停止してしまった。



ディスコグラフィー

夜明けの口笛吹き
The Piper At The Gates Of Dawn
(1967)

A) 1.天の支配 2.ルーシファー・サム 3.マチルダ・マザー 4.フレイミング 5.パウ・R・トック・H
B)1.恋の聴診器 2.星空のドライヴ 3.地の精 4.第24章 5.黒と緑のかかし 6.バイク

 デビュー・アルバム。シド・バレット色の強いサイケデリック・サウンドを展開している。(全英第6位 / 全米第131位)

 

神秘
A Saucerful Of Secrets
(1968)

A) 1.光を求めて 2.追想 3.太陽讃歌 4.コーポラル・クレッグ
B) 1.神秘 2.シーソー 3.ジャグバンド・ブルース

 心の病に侵されたシド・バレットに替わってデイヴ・ギルモアが加入しての最初のアルバム。シド・バレットが3曲、デイヴ・ギルモアが4曲参加している。(全英第9位)

モア
More
(1969)

A) 1.サイラス・マイナー 2.ナイルの歌 3.嘆きの歌 4.アップ・ザ・キーパー 5.グリーン・イズ・ザ・カラー 6.シンバライン
B) 1.パーティの情景 2.「モア」の主題 3.イビザ・バー 4.「モア」のブルース 5.クイックシルヴァー 6.スペイン風小曲 7.感動のテーマ

 バルベ・シュローデル監督による同名映画のサウンドトラック盤として発表。ピンク・フロイドらしい浮遊感が出ていて、好アルバムになっている。(全英第9位 / 全米第153位)

ウマグマ
Ummagumma
(1969)

Disc1
A) 1.天の支配 2.ユージン、斧に気をつけろ
B) 1.太陽賛歌 2.神秘

Disc2
A) 1.シシファス組曲
B) 1.ナロウ・ウェイ三部作 2.統領のガーデン・パーティ三部作

 ライブ録音とスタジオ録音の2枚組アルバム。(全英第5位 / 全米第74位)

原子心母
Atom Heart Mother
(1970)

A) 1.原子心母 a)父の叫び b)ミルクたっぷりの乳房 c)マザー・フォア d)むかつくばかりのこやし e)喉に気をつけて f)再現
B) 1.もしも 2.サマー'68 3.デブでよろよろの太陽 4.アランのサイケデリック・ブレックファスト a)ライズ・アンド・シャイン b)サニー・サイド・アップ c)モーニング・グローリー

 オーケストラを大胆に導入して作られたアルバム。なんでピンク・フロイドまでオーケストラと共演するのか、と思ったが、当時はそんな時代であった。日本でも、このアルバムで一気に知名度が上がった。(全英第1位 / 全米第55位)

ピンク・フロイドの道
Relics
(1971)

A) 1.アーノルド・レイン 2.星空のドライブ 3.シー・エミリー・プレイ 4.追想 5.絵の具箱
B) 1.夢に消えるジュリア 2.ユージン、斧に気をつけろ 3.サイラス・マイナー 4.ナイルの歌 5.バイディング・マイ・タイム 6.バイク

 67年〜69年の初期のシングルを中心に構成されたベスト・アルバム。日本では前作の勢いを買って「夢に消えるジュリア」がシングル・リリースされヒットしている。(全英第32位 / 全米第152位)

おせっかい
Meddle
(1971)

A) 1.吹けよ風、呼べよ嵐 2.ピロウ・オブ・ウインズ 3.フィアレス 4.サン・トロペ 5.シーマスのブルース
B) 1.エコーズ

 このアルバムの最大の聴き物はB面全部を使って収録されている「エコーズ」である。A面のアコースティックを前面に出した牧歌的な曲と対照的にサウンド・エフェクトを駆使した幻想的なピンクフロイド・サウンドを展開している。(全英第3位 / 全米第70位)

雲の影
Obscured By Clouds
(1972)

A) 1.雲の影 2.ホエン・ユー・アー・イン 3.炎の橋 4.ザ・コールド・イッツ・ザ〜 5.ウォッツ 6.泥まみれの男
B) 1.大人への躍動 2.フリー・フォア 3.ステイ 4.アブソルートリー・カーテンズ

 バルベ・シュローデル監督による映画「ラ・ヴァレ」のサウンドトラック盤として発表。前作の延長線上にある音作りをしている。このアルバムで初めてシンセサイザーを導入。(全英第6位 / 全米第46位)

狂気
Dark Side Of The Moon
(1973)

A) 1.a)スピーク・トゥ・ミー b)生命の息吹き 2.走り回って 3.タイム 4.虚空のスキャット
B) 1.マネー 2.アス・アンド・ゼム 3.望みの色を 4.狂人は心に 5.狂気日食

 言わずと知れた70年代ロックが生んだ世紀の名盤。個人的には「おせっかい」に軍配を上げるが。(全英第2位 / 全米第1位)

炎(あなたがここにいてほしい)
Wish You Were Here
(1975)

A) 1.クレイジー・ダイアモンド(第1部) 2.ようこそマシーンへ
B) 1.葉巻はいかが 2.あなたがここにいてほしい 3.クレイジー・ダイアモンド(第2部)

 デイヴ・ギルモアの泣きのギターが最大の聴き物。キーボード類も多彩になりサウンドがカラフルになった。(全英第1位 / 全米第1位)

アニマルズ
Animales
(1977)

A) 1.翼と持った豚・パート1 2.ドッグ
B) 1.ピッグ(3種類のタイプ) 2.シープ 3.翼と持った豚・パート2

 聴きやすく、一般的なロック・アルバムとしては十分に楽しめるが、その聴きやすさがピンク・フロイドのアルバムとしては物足りなさを感じる。(全英第2位 / 全米第3位)

ザ・ウォール
The Wall
(1979)

Disc1
1.イン・ザ・フレッシュ? 2.ザ・シン・アイス 3.アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(パート1) 4.ザ・ハピエスト・デイズ・オブ・アワ・ライヴズ 5.アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(パート2) 6.マザー 7.グッバイ・ブルー・スカイ 8.エンプティ・スペーシズ 9.ヤング・ラスト 10.ワン・オブ・マイ・ターンズ 11.ドント・リーヴ・ミー・ナウ 12.アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(パート3)

Disc2
1.ヘイ・ユウ 2.イズ・ゼア・エニバディ・アウト・ゼア 3.ノウバディ・ホーム 4.ヴィーラ 5.ブリング・ザ・ボーイズ・バック・ホーム 6.コンフォタブリー・ナム 7.ザ・ショウ・マスト・ゴー・オン 8.イン・ザ・フレッシュ 9.ラン・ライク・ヘル 10.ウェイティング・フォア・ザ・ワームズ 11.ストップ 12.ザ・トライアル 13.アウトサイド・ザ・ウォール 

(全英第3位 / 全米第1位)

時空の舞踏
A Collection of Great Dance Songs
(1981)

A)1.吹けよ風,呼べよ嵐 2.マネー 3.シープ
B)1.クレイジー・ダイアモンド 2.あなたがここにいてほしい 3.アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(パート2)

 中期の代表曲を集めた編集盤。(全英第37位 / 全米第31位)

ファイナル・カット
The Final Cut
(1983)

A) 1.ザ・ポスト・ウォー・ドリーム 2.ユア・ポッシブル・パスツ 3.ワン・オブ・ザ・フュー 4.ザ・ヒーローズ・リターン 5.ザ・ガンナーズ・ドリーム 6.パラノイド・アイズ
B)1.ゲット・ユア・フィルシィ・ハンズ・オフ・マイ・デザート 2.ザ・フレッチャー・メモリアル・ホーム 3.サザンプトン・ドック 4.ファイナル・カット 5.ノット・ナウ・ジョン 6.トゥー・サンズ・イン・ザ・サンセット

 リック・ライトを除く3人で制作されたラスト・アルバム。この後グループは活動を停止した。(全英第1位 / 全米第6位)



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