ユーライア・ヒープ / Uriah Heep
 

 70年代のブリティッシュ・ハード・ロックを代表するバンドの一つ。ハイトーン・コーラスとミック・ボックスのクライベイビー(ワウ・ペダル)を駆使したギター・サウンド、そしてケン・ヘンズレーの歪んだハモンド・サウンドとスライド・ギターが特徴。

その成り立ちはデヴィッド・バイロン(V)、ミック・ボックス(G)、ポール・ニュートン、アレックス・ネピア(D)という4人組のSPICEが母体となり、そこにケン・ヘンズレーが加入することでURIAH HEEPが誕生した。

デビュー当初はメンバーが定まらず、1stアルバム『ベリー・イーヴィー・ベルー・アンブル』のレコーディング時にはドラムがアレックス・ネピアからナイジェル・オルスンに替わり、2ndアルバム『ソールズベリー』ではドラムがナイジェル・オルスンからキース・ベイカーに替わり、3rdアルバム『対自核』ではドラムがキース・ベイカーからイアン・クラークに替わり、4thアルバム『悪魔と魔法使い』ではドラムがイアン・クラークからリー・カースレイクに、ベースがポール・ニュートンからゲイリー・セインに替わっている。

ここでやっとメンバーは固定され、ミック・ボックス(G)、ケン・ヘンズレー(Kb&G)、デヴィッド・バイロン(V)、リー・カースレイク(D)、ゲイリー・セイン(B)という最強の布陣で『悪魔と魔法使い』から、'72年『魔の饗宴』、'73年『ライヴ』、'73年『スウィート・フリーダム』、'74年『幻想劇』まで続く黄金期となる。

そんな絶頂期のバンドにベーシスト、ゲイリー・セインがステージで演奏中に感電死してしまうという突然の悲劇が襲う。急遽替わりのベーシストとしてキング・クリムゾンを脱退した直後のジョン・ウェットンが加入し、75年発表の9作目『幻想への回帰』からレコーディングに加わっている。

このメンバーで次作『ハイ・アンド・マイティー』(76)も制作されるが、ジョン・ウェットンの加入によりリード・ボーカルのデヴィッド・バイロンと他のメンバーとの関係が悪化してしまった。

ジョン・ウェットンは2枚のアルバムを残して脱退。'77年発表の11作目『ファイアフライ』ではジョン・ウェットンに替わりトレヴィー・ボルダーが新しいベーシストとして加入、そしてヒープの顔でもあったボーカルのデヴィッド・バイロンもグループを抜けジョン・ロートンが新しいボーカリストとして加入した。デヴィッド・バイロンはこの後、ソロや新しいバンドで活動するが'85年2月に他界している。

バンドはこの後も'77年『罪なきいけにえ』、'78年『堕ちた天使』、'80年『征服者』とコンスタントにアルバムをリリースするが、'83年発表の15作目『ヘッド・ファースト』を最後に古巣のBRONZEレーベルを離れて心機一転再起を掛けることになる。

しかし70年代前半全盛期の勢いを取り戻すことは無く、'95年リリースの『Sea Of Light』では、バーニー・ショウ(V)、ミック・ボックス(G)、トレヴァー・ボルダー(B)、リー・カースレイク(D)、フィル・ランゾン(K)というメンバー構成で、オリジナル・メンバーはミック・ボックス一人になってしまった。

 


ディスコグラフィー

ベリー・イーヴィー・ベルー・アンブル
Very 'Eavy, Very 'Umble
(1970)

A) 1.ジプシー 2.ウォーキング・イン・ユア・シャドウ 3.カム・アウェイ・メリンダ 4.ルーシー・ブルース
B) 1.ドリーマー 2.リアル・ターンド・オン 3.アイル・キープ・オン・トライング 4.ウェイク・アップ

 1970年6月発表のデビュー・アルバム。オルガンを全面に押し出したサウンドということで当時はディープ・パープルの二番煎じ的な扱いをされたことが彼らが背負う不幸となった。「ジプシー」ほかを収録。

ソールズベリー
Salisbury
(1971)

A) 1.肉食鳥 2.公園 3.生きる 4.黒衣の娘
B) 1.尼僧 2.ソールズベリー

 ドラマーがナイジェル・オルスンからキース・ベイカーに交替しての2ndアルバム。独創性に富んだ叙情的なハード・ロックを展開。タイトル曲は16分にも及ぶ大作。

対自核
Look At Yourself
(1971)

A) 1.対自核 2.自由への道 3.7月の朝
B) 1.瞳に光る涙 2.悲嘆のかげり 3.当為 4.ラヴ・マシーン

 彼らの名前を一躍有名にしたヒット・アルバム。またしてもドラマーがキース・ベイカーからイアン・クラークに交替。タイトル曲であるハードな「対自核」と美しい「7月の朝」が彼らの代表曲。ジャケットの中央はアルミ箔が貼ってあって鏡状になっていた。自分を見てみろ(Look At Yourself)ってことか?

悪魔と魔法使い
Demons and Wizards
(1972)

A) 1.魔法使い 2.時間を旅する人 3.安息の日々 4.詩人の裁き 5.連帯
B) 1.虹の悪魔 2.オール・マイ・ライフ 3.楽園 4.呪文

 ドラムスがリー・カースレイク、ベースがゲイリー・セインに替わり、バンド史上最強の布陣となる。「魔法使い」では大胆にアコースティック・ギターを導入するなど、サウンドに変化がもたらされた。「安息の日々」がヒット。

魔の饗宴
The Magician's Birthday
(1972)

A) 1.サンライズ 2.スパイダー・ウーマン 3.盲目 4.悪の雄叫び 5.雨に寄せる抒情
B) 1.スウィート・ロレイン 2.語り草 3.魔の饗宴

 前作よりのオカルト思想を引き継いで制作された5作目。サウンドは前作の延長線上にある。「サンライズ」がヒット。

ライヴ
Uriah Heep Live
(1973)

Disc1
A) 1.サンライズ 2.スウィート・ロレイン 3.時間を旅する人
B) 1.安息の日々 2.7月の朝 3.瞳に光る涙

Disc2
A) 1.ジプシー 2.連帯 3.対自核
B) 1.魔の饗宴 2.ラヴ・マシーン 3.ロックン・ロール・メドレー

 バンドの全盛期に当る73年のライヴを収録。代表曲「サンライズ」「安息の日々」「7月の朝」「対自核」を含む収録曲総てがベスト。ただ、最後の「ロックン・ロール・メドレー」は無くてもよかったかも・・・・

スウィート・フリーダム
Sweet Freedom
(1973)

A) 1.ドリーマー 2.略奪 3.愛の砂漠 4.スイート・フリーダム
B) 1.時の狩人 2.セヴン・スターズ 3.狂気のサーカス 4.巡礼

 一時の「悪魔」ものから脱却し「対自核」の頃のサウンドに回帰した作品。

夢幻劇
Wonderworld
(1974)

A) 1.夢幻劇 2.冒涜 3.季節の肖像 4.鏡にうつした哀しみ 5.孤独の道標 6.浮気な瞳 7.悪徳の旋律 8.恋の炎を燃やせ 9.悪夢の宴

 ゲイリーセイン(B)参加最後の作品。
幻想への回帰
Return To Fantasy
(1975)

A) 1.幻想への回帰 2.シェイディ・レイディ 3.デヴィルズ・ドーター 4.ビューティフル・ドリーム 5.プリマ・ドンナ 6.忘却への道 7.ショーダウン 8.去ったのは何故 9.一年か一日か

 ゲーリー・セインが不慮の死を遂げ、元キング・クリムゾンのジョン・ウェットンを迎えて制作された9作目。ただし、ジョン・ウェットンはリード・ボーカルをとっていない。

ハイ・アンド・マイティー
High And Mighty
(1976)

A) 1.ワン・ウェイ・オア・アナザー 2.静かなる涙 3.ミスティ・アイズ 4.ミッドナイト 5.グッド・バンド・ダウン
B) 1.ウーマン・オブ・ザ・ワールド 2.白い足跡 3.キャント・ストップ・シンギング 4.メイク・ア・リトル・ラヴ 5.コンフェッション

 スター・プレーヤーに頼らず全員のアンサンブルで聞かせてきた彼らのサウンドにジョン・ウェットンの加入は重荷だったのかも知れない。このアルバムを最後にジョン・ウェットンはグループを脱退。

ファイアフライ
Firefly
(1977)

A) 1.絞首刑 2.逃避 3.フー・ニーズ・ミー 4.賢者
B) 1.ドゥ・ユー・ノウ 2.ローリン・オン 3.哀れみの涙 4.ファイアフライ

 本作ではジョン・ウェットンに替わりトレヴィー・ボルダーが新しいベーシストとして参加。そしてそれまでバンドのフロントを担ってきたボーカルのデヴィッド・バイロンが脱退、ジョン・ロートンが新しいボーカリストとして参加している。

罪なきいけにえ
Innocent Victim
(1977)

A) 1.キープ・オン・ライディング 2.フライン・ハイ 3.ローラー 4.フリーン・イージー 5.幻想 6.フリー・ミー 7.ぺてんとうそ 8.ザ・ダンス 9.チョイス

  当時ソビエトでもリリースされ大ヒットした作品。

堕ちた天使
Fallen Angel
(1978)

A) 1.闇に生きる女 2.フォーリング・イン・ラヴ 3.ワン・モア・ナイト 4.炎の恋 5.カム・バック・トゥ・ミー
B) 1.ホワッドヤ・セイ 2.セイヴ・イット 3.ラヴ・オア・ナッシング 4.アイム・アライヴ 5.堕ちた天使

 リード・ボーカルのジョン・ロートン最後の作品。

征服者
Conquest
(1980)

A) 1.ノー・リターン 2.イマジネーション 3.フィーリングス 4.フールズ
B) 1.キャリー・オン 2.ウォント・ハフ・トゥ・ウェイト・トゥー・ロング 3.アウト・オン・ザ・ストリート 4.イット・エイント・イージー

 リード・ボーカルがジョン・スローマンに交替。ジョン・スローマンはこの一作のみで交替することになる。

魔界再来
Abominog
(1982)

A) 1.トゥー・スケアード・トゥ・ラン 2.チェイシング・シャドウズ 3.オン・ザ・リバウンド 4.無情な街の熱い夜 5.ランニング・オール・ナイト
B) 1.ザッツ・ザ・ウェイ・ザット・イット・イズ 2.プリズナー 3.ホット・パースウェイジョン 4.セル・ユア・ソウル 5.シンク・イット・オーヴァー

 リード・ボーカルがジョン・スローマンからピーター・ゴールビーに交替。

ヘッド・ファースト
Head First
(1983)

A) 1.ジ・アザー・サイド・オブ・ミッドナイト 2.ステイ・オン・トップ 3.ロンリー・ナイツ 4.スウィート・トーク 5.ラヴ・イズ・ブラインド
B) 1.ロール・オーヴァーチャー 2.レッド・ライツ 3.ローリン・ザ・ロック 4.ストレート・スルー・ザ・ハート 5.ウィークエンド・ウォーリアーズ

 アメリカ・マーケットをかなり意識したサウンド作りをしている。ブロンズ・レーベル最後の作品。



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