![]() ツイン・リード・ギターを武器に英国トラディッショナルの香りと憂いを漂わせたサウンドで70年代一世を風靡した4人組。 グループの結成は1969年にさかのぼる。スティーブ・アプトン(D)、マーティン・ターナー(B)、そして兄のグレン・ターナー(G)の3人はイギリス南西部デヴォンシャー州の行楽地トーケイでエンプティ・ヴェッセルズというバンドを結成して活動していた。グループはローカル的な成功を収め、'69年9月にロンドンへ進出する。そしてハムステッド・カントリー・クラブに出演した時、のちにポリスのマネージャーとして辣腕を振るうマイルス・コープランド(ポリスのドラマー、スチュワート・コープランドの実兄)の目にとまった。しかし、この直後グレンは体を壊しグループを脱退、替わりにアンディ・パウエルが加入することになった。 グループはさらにキーボード奏者を探したが、バーミンガム出身のブルース系ギタリストのテッド・ターナーと出会って意気投合。結局グループはツイン・ギターにベース、ドラムスという編成でスタートすることになった。 こうして結成されたウィッシュボーン・アッシュは'69年11月にシビック・ホールでステージ・デビューを飾り、'70年前半はマーキーを始めとしてクラブ・サーキットで連日のようにライヴを繰り広げた。やがて巷ではヤードバーズ、フリートウッド・マック以来のツイン・ギター・バンドとしての話題を集めるようになり'70年8月MCAと正式契約を交わすに至った。 デビュー・アルバム『光なき世界』は'70年12月にリリースされ、全英アルバム・チャートで34位にランクされるヒットを記録。続くセカンドの『巡礼の旅』は'71年9月にリリースされ、こちらは全英アルバム・チャートの14位にランクされ、2作目にして早くもトップ・グループとしての地位を確立した。 続くサード『百眼の巨人アーガス』は'72年5月に発売され、全英アルバム・チャートの3位にランクされる驚異的なビッグ・ヒットとなり「メロディ・メーカー」誌および「サウンズ」誌の年間最優秀アルバムにも輝いている。 この後彼らはよりヴォーカルに重点を置いた『ウィッシュボーン4』、2枚組ライヴ『ライヴ・デイト』をリリース、しかし'74年6月テッド・ターナーが脱退、グループは新たに元ホームのローリー・ワイズフィールドを加えて再スタートを切った。 6作目『永遠の不安』('74年)以降はアメリカ志向を強めていくことになる。『永遠の不安』はマイアミ録音でプロデュースはイーグルスを手がけていたビル・シムツィックだった。さらに'75年からは本拠地を米コネチカット州に移し、トム・ダウトやロン&ハワード・アルバートをプロデューサーに迎えてのアメリカ・レコーディングが続いていった。 一時期はUK解散後のジョン・ウェットンが在籍していたこともあったが、70年代に活躍した多くのバンドがそうであったように、その勢いは80年代に入って衰えていった。
|
ディスコグラフィー
![]() |
Wishbone Ash (1970) A) 1.光なき世界 2.レディ・ウィスキー 3.あやまち 70年リリースのイギリスが誇るバンドの記念碑的デビュー・アルバム。名曲「フェニックス」収録。 |
![]() |
Pilgrimage (1971) A) 1.よみの国へ 2.巡礼 3.ジェイル・ベイト 4.唯一人 美しく精緻なアレンジが効いているインスト・パートが聴きどころの71年発表の2ndアルバム。ヒプノシスが手がけたアートワークも有名。 |
![]() |
Argus (1972) A) 1.時は昔 2.いつか世界は 3.ブローイン・フリー 当時プレスから「すべてのロック・バンドの中でも最も美しい音を出す」と評された72年リリースの3rdアルバム。彼らの代表作でもある本作のジャケット・デザインもヒプノシス。 |
![]() |
Wishbone Four (1973) A) 1.ソー・メニー・シングス・トゥ・セイ
2.ビーコンのバラッド 3.ノー・イージー・ロード
4.エヴリバディ・ニーズ・ア・フレンド 名盤『アーガス』に続いて73年にリリースされた4枚目。初のセルフ・プロデュースで、一曲一曲の完成度が高い反面トータル感は少し薄れた。 |
![]() |
Live Dates (1973) Disc1 Disc2 73年にリリースされた2枚組ライヴ・アルバム。うっとりするほど美しいツイン・リード・ギターが最大の聴きどころ。本作でギターのテッド・ターナーが脱退。 |
![]() |
There's The Rub (1974) A) 1.シルバー・シューズ 2.ドント・カム・バック
3.永遠の女神 元ホームのローリー・ワイズフィールドを新たに迎え、マイアミで録音。イーグルス作品などで知られるビル・シムツィックがプロデュースを担当。それまでよりもアメリカの市場を意識した作りをしているものの、彼らの持ち味である哀愁を帯びたツイン・リード・ギター・サウンドは健在。 |
![]() |
Locked In (1975) A) 1.安息の地 2.枯れた井戸 3.ムーンシャイン 4.心の友 前作でアメリカ出身のローリー・ワイズフィールドをギターに迎えていたが、本作ではメンバー全員が米国に移住し、よりアメリカのリスナーを意識したサウンドを聴かせる75年発表作品。トム・ダウト・プロデュース。 |
![]() |
New England (1976) 1.マザー・オブ・パール 2.ユー・レスキュー・ミー 3.ランナウェイ 4.ローレライ 5.アウトワード・バウンド 6.プレリュード 7.ホエン・ユー・ノウ・ラヴ 8.ロンリー・アイランド 9.キャンドルライト 名曲「ローレライ」収録のアメリカンなサウンドを指向した8作目。マーティン・ターナーのプライベート・スタジオでレコーディング。 |
![]() |
Front Page News (1977) A) 1.フロント・ページ・ニュース 2.ミッドナイト・ダンサー
3.グッバイ・ベイビー・ハロー・フレンド
4.サーフィス・トゥ・エアー 5.714 前作とはうってかわり、初期のブリティッシュ・ロックへ回帰したサウンドを聴かせる通算9枚目。 |
![]() |
No Smoke Without Fire (1978) A) 1.怒りの炎 2.天使 3.大空の翼 4.恐喝 本国イギリスに戻り1〜3作目までを手がけたデレク・ローレンスを再度プロデューサーに起用。 |
![]() |
Just Testing (1980) A) 1.偽りの証明 2.ホーンティング・ミー 3.不眠症
4.ヘルプレス 大きなサウンドの変遷もありつつ、美しいメロディには定評のある彼らの円熟の味がじっくり堪能できる1枚。 |
![]() |
Number The Brave (1981) A) 1.ロウデッド 2.ホエア・イズ・ザ・ラヴ
3.アンダーグラウンド 4.キックス・オン・ザ・ストリート
5.オープン・ロード UK解散直後のジョン・ウェットンが参加。 |