日本のポピュラー音楽史

 

1967〜1969年(昭和42〜44年) ニューロックの時代

 

1967年

 ベトナム戦争反対、徴兵制度廃止を叫んで、髪を長くしたヒッピー達がフラワー・ムーブメントを起こしたのは、この年であった。

スコット・マッケンジーの「花のサンフランシスコ」が、日本でも年間を通して1位を記録する大ヒットとなり、人々の目がサンフランシスコに向けられるようになった。

そういった世界的な傾向の中でビートルズは「愛こそはすべて」というヒットを出し、ローリング・ストーンズは「この世界に愛を」を唄っていた。

そしてサンフランシスコからは、ヒッピー達が愛用するLSDなどのドラッグ効果を色彩感覚に反映させたサイケデリック・サウンドが生まれていた。

ジェファーソン・エアプレインが「あなただけを」、「ホワイト・ラビット」のヒットを出し、ドアーズが「ハートに火をつけて」で登場し、それらの動きを全て融合しながらロックは主張する音楽、思考する音楽へと移行していった。その先駆けとしてヒットしたのが、プロコル・ハルムの「青い影」であり、バニラ・ファッジであり、アイアン・バタフライといったプログレッシブな要素をもったグループであった。

また、アイドル・グループとして、ウォーカー・ブラザーズ、ヤング・ラスカルズ、そしてモンキーズが活躍し、モンキーズはこの年「恋の終列車」、「アイム・ア・ビリーバー」、「デイドリーム・ビリーバー」、「恋はちょっぴり」といったヒットを出し、ウォーカー・ブラザーズは「孤独の太陽」、「ふたりの太陽」、スコット・ウォーカーのソロで「いとしのマチルダ」、ヤング・ラスカルズは「グルービン」、「高鳴る心」などを出している。

ちなみに、この年にビートルズが出したヒット曲は、「愛こそはすべて」、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」、「ホエン・アイム・シックスティーフォア」、「ストロベリーフィールズ・フォーエバー」、「タックスマン」、「ハロー・グッドバイ」、「エイナー・リグビー」といった曲で、これらの曲から見ても、この頃の音楽界の傾向を窺い知ることができる。

また、ビーチ・ボーイズも「グッド・バイブレーション」のような力作をヒットさせている。

 

1968年

 '68年は依然としてビートルズの人気を筆頭に、クリーム、ディープ・パープルなどの大型ロック・グループの登場を迎えた年であった。

若者の好みはポップス志向とロック志向にはっきりと別れてゆき、シングル盤よりもLPで聴くロックに引かれる層が次第に増えていくという傾向が見られた。

この年、アメリカ、日本共に大ヒットしたのは、ビートルズの「ヘイ・ジュード」、ユニオン・ギャップの「ウーマン・ウーマン」、「ヤング・ガール」、オーティス・レディングの「ドック・オブ・ザ・ベイ」、ポール・モーリアの「恋は水色」、サイモンとガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」とリバイバル・ヒットの「サウンド・オブ・サイレンス」といったところであり、カウシルズの「雨に消えた初恋」がアメリカでは'67年、日本ではこの年にヒットした。LPヒットというのもこの頃から見られ、2枚組「エレクトリック・レディランド」を出したジミ・ヘンドリックス、クリーム、プロコル・ハルム、インドの導師マハリン・ヨギとの接触が伝えられるビートルズ、「ハッシュ」のヒットを出したディープ・パープル、「太陽賛歌」が話題となったグレートフル・デッド、「ストリート・ファイティング・マン」でラディカルな姿勢を見せたローリング・ストーンズ、といったところである。

モンキーズが来日し、プレスリーがTV出演によって人気を盛り返したもの、この年であった。

 
1969年

 シカゴは2枚組アルバムでデビュー、レッド・ツェッペリンも「グッド・タイム・バッド・タイム」で華々しく登場し、ニュー・ロックという言葉が聞かれるようになって、ロックは完全にアルバムの時代を迎えていた。

ウォーカー・ブラザーズはすでに解散、モンキーズもピーター・トークが抜けて空中分解、アイドルの時代はほぼ終わりを告げていた。

そしてビートルズのジョンは小野洋子と結婚。そのビートルズにも解散の噂が流れ始めていた。

ジャニス・ジョップリンが一躍ファン雑誌のグラビアを飾るようになり、ジョン・メイオール、フリーウッド・マック、マイク・ブルームフィールドなどの白人ブルース・アーティストやBBキング、ジョン・リー・フッカーなどがスポットを浴びるようになった。

ビートルズやローリング・ストーンズがもたらしたロックン・ロールへの探求が、いよいよ一般化してきた年でもあった。

この年の8月には、ウッドストックでのフェアが開催され40万人の若者が集まった。

ビートルズの登場以来、この'60年代の音楽は単なるラブ・ソングから、主張の伝達、意思の疎通、コミュニケーションをはかるものとして発展していったのであった。

この年の暮れに日本で行われた人気投票では1位がビートルズ、2位がローリング・ストーンズ、3位がブラインド・フェイスといった順位になっている。

 

 


 
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