第14回津山国際交流車いす駅伝競走大会・医療ボランティア活動報告
(スポー鍼トレーナーを派遣)
平成13年11月18日、「第14回津山国際交流車いす駅伝競走大会」が津山市街地を周回する5区間31キロのコースで行われ、海外5チームを含む26チームの車いすランナー達が白熱したレースを繰り広げ、沿道からは3万7千人の市民らが6ヵ国の小旗を振ったり拍手で、力走するランナーに声援を送りました。
この日の津山市は、曇り時々晴れ、午前10時のスタート時の気温は12.2℃とレースコンディションは上々。スタート直後、接触により3チームのレーサーが転倒するアクシデントがありましたが、いずれもレースに復帰し、 大分身障陸協が、シドニーパラリンピック代表ら国内屈指のランナーを揃え、1時間11分32秒の大会新で3連覇を成し遂げました。
この大会は津山市のボランティアの原点ともいわれ、市民のいたわりの心・連帯の精神をはぐくもうと「民間主導」、6ヵ国の応援旗作り、のぼりの組み立て、コースの清掃、各チームの世話や通訳、沿道警備、朝食の炊き出し、ごみの回収など、毎回5千人近い参加者が運営を支えています。
私達岡山県スポーツ鍼トレーナー協会(内田輝和会長、会員30人)のメンパー15人は、9回目になる(平成5年第6回大会より参加)今回も「チーム係員・スポーツ鍼トレーナー」として、「特設コンディションルーム」を設置しました。
大会前日は鍼・スポーツマッサージ・皮内鍼・銀粒療法、レース直前にはウォーミングアップマッサージ、レース終了後は体力回復の鍼・マッサージと三段階で全チームの選手のコンディショニングを担当しています。
今回も「特設コンディションルーム」には、先週の大分国際車いすマラソン大会に出場した選手が、肩や腕に痛みや疲労を持って鍼治療やコンディションの調整を希望して大勢訪れ、メンバーがフル稼動しました。
シドニーパラリンピック・車いすマラソンゴールドメダリスト韓国の「文 政訓」がコンディショニングと肩関節の治療に来室し「体のメンテナスを教えてほしい」「日常の筋力保持はどうしたらいいのか」等、積極的な反応が得られました。
大会当日、例年ランナーはレース前、レーサー(車いす)の整備や準備運動に追われて忙しく、コンディションルームに来れないため、メンバーが3人ずつのグループに分かれて待機場所のチームを出張治療に周りました。
この時期県北津山は冷え込みが強く、レース前のウォーミングアップマッサージはケガの予防に特に大事で、「体が温まる」「レース前の不安や緊張がほぐれる」などと出場選手に大好評でした。
コンディショニングを受けたランナーが好記録を出したり、「他の大会では治療ボランティアがないのでこの大会を楽しみにしている」という声や「昨晩よく眠れれベストの体調でレースに臨めた」という口コミにより、回を重ねるごとに信頼も深まり、訪れた選手の数も増加しています。
このパワーを平成17年開催される第60回岡山国体でのスポーツ鍼トレーナー活動に繋げたいと思います。
21世紀最初の「つやまリンリン駅伝」、力走するランナーの姿はハンディを持つ者に希望と勇気を与え、市民や観客に深い感動呼び起こして終了しました。
結果は、大会前日の鍼施34人、スポーツマッサージ22人、レース直前のウォーミングアップマッサージ28人、レース後の疲労回復の鍼施術12人、スポーツマッサージ15人でした。
報 告 : 岡山県スポーツ鍼トレーナー協会副会長
医療ボランティア実行委員長 木 多 義 則




医療ボランティア活動報告 : 岡山県スポーツ鍼トレーナー協会
津山国際交流車いす駅伝競走大会・ボランティア体験記
最近の健康ブームで余暇をスポーツに充てる人が増え、スポーツ人口は膨らんでいます。一流選手から初心者までその取り組みは様々ですが、スポーツテクニックは高度化する傾向にあり、それにつれてスポーツによる外傷・障害も多発し、その対応が遅れています。
このような状況を鑑み、岡山県スポーツ鍼トレーナー協会は、スポーツ鍼灸マッサージ治療ボランティアを通じて県民のスポーツ振興をサポートし、副作用の少ない安全な鍼灸マッサージ治療の普及啓蒙を目的に、平成2年設立しました。
津山国際交流車いす駅伝競走大会には、平成5年の第6回から継続参加。このような市民・福祉・行政・各団体が一体となって開催されるスポーツ競技大会に鍼灸師の団体がボランティアとして継続参加しているのは、全国でもまれなことでないでしょうか。大会実行委員会より派遣依頼が届くのも活動実績を評価されてのことと思います。
活動の内容は、チーム係の一員として競技選手に付き添い行動を共にしながら、その中でのコンデイションの調整、トレーニングや競技前後のスポーツマッサージ、ストレッチング、鍼治療、車いすの介助などです。
7回大会からは、専用のコンデイション・ルーム(トレーナー室)を設置し、大会前日は鍼・スポーツマッサージ・皮内鍼など、レース直前にはウォーミングアップマッサージ、レース後には体力回復の鍼・マッサージと三段階方式で全チームのコンデイショニングを担当しています。
思い返せば初参加の時、チーム係員として担当チームに巧く溶け込めず、さらに車いす選手にどのように接して良いのやらうろうろするだけで、鍼・スポーツマッサージなど殆ど出来なかったことを思い出します。選手達もマッサージには経験があるが鍼は痛みが伴うと思い遠慮され、とりあえず大会の雰囲気に慣れることが重要だと感じました。しかし、継続は力なりで、回を重ねるごとに私達鍼トレーナーも自発的に選手の輪に入って行くことが出来るようになり、コンデイショニングを受けた選手が好記録を続出したり、「ベストの体調でレースに臨めた」という口コミから、大勢トレーナー室を訪れるようになりました。来室する選手は慢性的なケガの治療が多く、次いで多かったのがコンデイショニングと疲労回復でした。レベルの高い選手ほど体に気を使っているようです。以前はスポーツマッサージが主でしたが、開口一番「鍼を打ってください」といわれる選手が多くなったことは大変嬉しく、私達の鍼トレーナー活動が認められてきたのだと感激もしました。
鍼治療で一番気を使ったのは、強い響きを与えたり深鍼をしないようにしたことです。大会当日違和感を覚え、レースに集中出来なくなると困るので、心地よい鍼でリラックスさせ、夜ゆっくり休めれるようにと心掛けました。また、大勢の選手を調整するため、少ない鍼の刺激でいかに効かせるかがポイントです。
この活動を通じスポーツ鍼灸師として学んだことは、競技現場で選手の行動や精神状態など目のあたりに出来ることで、治療方針や刺激量の決定に役立ちます。そこには選手と治療者の立場は異なるが目的は同じで、選手の熱意を肌で感じ、ベストの状態でレースに臨めるようにとの思いが強くなってきます。
レース後、「鍼・マッサージ治療のおかげて快適に走れました」との言葉に鍼トレーナーとしての最大の喜びがあります。さらに、メダルを胸にトレーナー室を訪れてくれます。レースを振り返りながらの話や日頃のトレーニング法、体調管理の話など、ハンディキャップを抱えながら積極的にスポーツを楽しんでいる状況を聞き、スポーツの魅力を再認識すると共に、選手達のバイタリティを感じることができます。また、何不自由のない私達は他人への思いやり、積極的な行動、チームワークなど見習うことの多い大会です。
晩秋の美作路を力強く疾走するランナーの姿は、ハンディを持つ者に希望と勇気を与え、市民や観客に深い感動を呼び起こす「つやまリンリン駅伝」に、今年も15人の岡山県スポーツ鍼トレーナー協会のメンバーがボランティア参加します。
報 告 : 岡山県スポーツ鍼トレーナー協会副会長
医療ボランティア実行委員長
木 多 義 則
