学校の管理下における児童生徒等の災害について、「日本体育・学校健康センター」が災害共済給付を行っています。学校管理下でケガをして病院にかかれば、その治療費が支給されるということはご存じの通りです。

 そんな時、よく「安全会の用紙ちょうだい」などと言う人がいます。教師だけでなく、病院でもそう言われているようです。「安全会・・・?」

 下の説明の通り、「安全会」と言っていたのは20年以上前のことです。私が就職した時、いや、教員採用試験のため勉強していたときでさえすでに「健康センター」だったので、「安全会」という名称には違和感を覚えます。
日本学校安全会 日本学校給食会 国立競技場
昭和35年3月1日 昭和30年10月1日 昭和33年4月1日
統合
日本学校健康会
昭和57年7月26日
統合
日本体育・学校健康センター
昭和61年3月1日
 「安全会じゃないよ」という私の気持ち、単なる「名称」に対しての思いではありません。「安全会」から「健康会」そして「健康センター」と名前がかわっただけでなく、法律もどんどん改正されていき、「安全会」のころとはずいぶん変わってきました。
 それなのに、「安全会」と呼ぶ人は、名称の変更に追いついていけないだけでなく、システムの変更にも追いついていけないようで、現在の「健康センター」について理解できていない、いや、理解しようとしない人が多いように思うのです。

たとえばこんな事があったとき・・・。

中学校でAくんとBくんがケンカをしました。
BくんがAくんを殴り、無抵抗のAくんに対してBくんは興奮がおさまらず、殴ったり蹴ったりしました。
Aくんは殴られて倒れた時に手を捻挫したのと、打撲の痛みもあり、病院に行きました。
診察料は保険証を使って3000円かかり、湿布をもらって、通院しなくても大丈夫と診断されました。

こんな場合、センターの手続きはどうなると思いますか?

「安全会」のころは、ケンカで一方的に相手が悪い場合は医療費が給付されませんでした。
しかし、平成元年に改正されてから、ケンカであろうと、相手が一方的に悪かろうと、医療費は給付されます。
その相手が「センター」の加入者なら・・です。
(高校生の場合、計画的に待ち伏せたような暴力に対しては給付されない)

あなたがこの2人の担任だったら、または保護者だったらどうしますか?

こんなふうに考える人がいます。
「Bくんが殴ったのだから、Bくんの保護者がAくんに治療費を払うべきだ。Bくんが一方的に悪いのだから、センターの手続きをして、給付金をもらうのはおかしい」

確かに心情的にはそうかもしれません。
でも、学校側がそう指導するのはおかしいことではないでしょうか?
なぜなら、この場合、センターの医療費給付対象なのです。
センターの災害共済給付制度の目的は「学校教育等の円滑な実施に資する」ことであるため、児童生徒間の加害行為について故意過失を認定せず、給付を行うのです。
加害者のBくんもセンターに加入しています。

センターからの給付金は保険診療代の3000円ではなく、4000円です。
仮にBくんの保護者がが治療費3000円を払い、センターの手続きをしないならそれで終わりですが、センターに続きをすれば4000円給付されるので、Bくんの保護者に3000円払ったとしても、その差額の1000円は「療養に伴って要する費用」としてAくんの保護者に給付されるのです。治療費が大きくなればその金額も大きくなります。
「Bくんの保護者に治療費3000円払ったとしても」ですが、払わなくてもいいのです。
(クイズ11参照)
健康センターの手続きをするかどうかは保護者が判断することであって、学校が指図することではありません。

それをいくら説明してもわかってもらえなかったことがあります。
「Bくんが一方的に悪いのに、安全会を通すなんておかしい!」と。
おかしいのはあんたや〜!しかも安全会なんて、今はないぞっ!
・・・と叫びたい気持ちでしたが、小さい声でささやきました。
もちろん、管理職にも話しましたが、そこでも理解してもらえませんでした。

小さい金額だったので、もめることもなくそれで終わりました。
もうとっくに時効は過ぎた昔の話です。

そんな私の心の傷が、このページを作りたいという原動力になりました。
「安全会」と言われるだけでちょっとムッとします。
「日本体育・学校健康センター」なんて言いにくい長い名前を付ける方も悪いと思いますが・・・。