母乳育児について

私自身はミルクのみで育ちましたが、うちの息子は母乳っ子です(混合→母乳オンリー)。
私の世代は、ミルク育ちの人が多く、今や、ミルクだけでも、立派に元気に大きく育つというのは、実証済み。
でも、本屋には、「母乳で育てよう!」って本が山積みで、母子手帳にまで、母乳で子育てするメリットについて書いてあるのは、みなさんご存じのことだと思います。

ところが、母乳育児のデメリット情報って、少ないですよね。
そりゃ、子供にとっては、母乳がいいかもしれないけれど、母親にとっては、母乳育児って結構大変〜。
これから母乳で育てようと考えている方は、しっかり覚悟を決めてかかった方がよいですよ(でも、覚悟さえあれば、大丈夫!)。

更に付け加えれば、母乳で育てようと考えていても、母乳で育てられない事情もあるということを、あらかじめ、よくわかっていた方がよいです。
現代の育児は、ただでさえ母親のみに負担が集中し、苛酷です。
まず、周囲の手助け(母親のストレスを軽減するための温かい心と援助)がないと母乳は続けられないし、体質的に無理なこともあります。
それに、たとえば職場復帰や本人や家族の入院など、状況が許さないことも多々あります。
そういうときに、母乳のみにこだわりすぎる必要はないのは、もちろんのことのはずですが、最近は「母乳育児至上主義」のような環境になりつつあるのが残念です。

すべてを総合的に判断した結果、母乳が良いと母親が心から思ったときに、他にもある選択肢の中から、単に母乳育児を選択すればよいだけのことです。
そして、その際には、母乳育児を選択したいと思ったとしても、そうできないこともあることを、本人も周囲も知っておくべきでしょう。
それは、決して特別なことではなく、自分自身にもおこりうるということを、あらかじめ認識しておけば、こだわりすぎた故に苦しむこともないはずです。

出産や授乳という人間の身体の営みのような「自然」に支配されていることは、必ずしも人間の思い通りにはいかないのですから、これでなくてはならないとか、効率的とか、合理主義とかにとらわれてはいけません。そういうものとは無縁のところに、育児はあるのですよ。


母乳で育てるメリット

子供にとっては、メリットがいっぱいあるらしい。
(でも、粉ミルクでも充分育つ)

安上がり。
(粉ミルクは、高い。一缶約2000円もするのに、たいてい哺乳瓶に飲み残すから、半分くらい捨ててる気がする。
よく飲むようになったら、一缶なんて、あっという間。新生児でも、1カ月以内に大缶一缶あく。)

急いでいるとき早い。
(泣いているのを待たせなくてすむ。夜、添い寝するときも、いちいち起きあがって作らなくていいので、便利。)。

災害などで粉ミルクがないような緊急時には便利。
(でも、そんなことは、めったにない)

母乳で育てて嫌だな〜と思うところ

おっぱいは母親にしかないので、誰にも代わってもらえず、昼夜を問わずの授乳が、特に最初の3カ月は、相当しんどい。

当初、1カ月くらいは、吸われると、かなり痛い。
(小さいと思って、あなどるなかれ。相当な吸引力で、二時間おきに要求されたら、もたない…)。

ミルクほど、授乳間隔があかない。
(よく、「3時間に一回」とか書いてあるけど、あれはミルクの場合だけ。
母乳の方が消化がいいらしく、母乳の子は、離乳食がはじまるころまでは、1時間や2時間しかもたないことが多い。
しかも、飲むのが下手なうちは、一回の授乳に40分以上かかることが多い。ミルクなら10分以内に飲み終わるのとは大違いで、授乳後、おむつ替えて寝かしつけたら、もう次の授乳で、はっきり言って寝る暇もなく、母親の負担の大きさは、おしてはかるべし…。)

おっぱいにトラブルがおきたり(乳腺炎までいかなくても、傷ができたり、つまったり)、歯が生えてきたらかまれたり、つらい。

外出先で、困る。
(ミルクなら、レストランの中でも、ささっと作って飲ませられるが、母乳だと、本人が気にしなくても、周囲が気にするので、やれない。
授乳室は、まだまだ少ない。授乳服は、まだまだ着たくないデザインの物が多い)

精神的にも、子供の母親に対する依存度が高く、後追いが激しい子が多い。
(気持ちとしては、ちょっと嬉しくもあるが、体力的には結構負担)

母乳育児を成功させるコツ

それでも、母乳で育てようと決意したら、母乳で育てるには、ちょっとしたコツがあります。

@正しい情報を得る

本やインターネットなどで、母乳の出る仕組みを理解しておくのは、重要です。飲ませやすい姿勢というものもあります。

私のお薦めは↓
桶谷式 母乳で育てる本 桶谷式乳房管理法研鑚会 (編集),
とにかく、母乳に関するありとあらゆることが網羅された本。
医学的な解説から、楽な飲ませ方、おっぱいによい食事、卒乳の仕方、体験談まで。産前に一読しておくべき知識満載です。
私は、入院セットにも入れておいて、病院でも参考に見たりしました。

桶谷式というのは、痛くない母乳マッサージで有名ですね。この本を手元に置いておけば、「母乳は出るもの、出せるもの」という桶谷式マッサージが受けられる場所の一覧も出ているので、「いざというときに、この本があれば駆け込める」という安心感を持てます。

桶谷式は、いいおっぱいを出すための食事制限でも有名ですが、そのあたりは、なにがおっぱいに良くて、なにが乳腺炎の原因になりやすいか、ということを、本で一応理解しておくだけで、神経質に制限しなくても大丈夫だと、私は思います。ただ、ちょっとしたトラブルの際は、おっぱいによくない食事を控えれば、自然と回復しますから、そういう意味でも、この本は、大変参考になるのではないかと思います。

活字情報だけでなく、保健所というところは(大抵出産するまで行くことがないのですが)、実は結構使えます。しかも、いくら利用しても無料です。「いい情報が得られたら、めっけもんだ」というくらいの感覚で、気軽に電話をかけて、相談してみるのもいいと思います。匿名でもOKです。

ちなみに、私は、保健所から1カ月訪問に来ていただいた助産婦さんの指導で、完全母乳にすることができました。正しいミルクの足し方というのを、教えて貰ったので(朝は母乳のみで、昼からは、必ず母乳を飲ませた後に少しだけミルクを足す。時間割と量まで具体的に教えて貰った。)、そのメニューに沿って気楽に生活しているうちに、いつの間にやら、ミルクをやるのを忘れるくらいになり…(笑)

A無理しない

母乳には、ストレスが一番よくないのです。それに、母乳は、朝はよく出て、夜に向かって段々出なくなるようになるものです。だから、「足りなければミルクを足せばいいさ」と気軽に考え、あまり神経質に母乳にこだわらないでいた方が、かえって母乳育児に成功できると思います。

B便利な物は何でも使う

外出するときに、母乳だと、確かに荷物は軽いですが、どこでもあげられるわけではないので不便です。ですから、その不便さを軽減できるものは、何でも使う気でいないと、外に出られなくなってしまいますよ。「でも、ほんの少しの期間しか使わないものだし…」っていっても、その「ほんの少しの期間」を快適にすごすことが大切です。粉ミルク代のことを考えれば、中途半端にケチることはありません。

授乳服や授乳専用のスカーフも、徐々に良さそうなものが出てきました。
おしゃれ授乳服ミル・フェルム
授乳服のモーハウス
授乳用スカーフROSEMUMMY

スリング(=抱っこ紐)で目隠しする、という方法もあります。
ちなみに、シアーズ博士夫妻のベビーブックでも絶賛されているものの、まだまだ、一般的ではないスリングですが、使いやすいものと使いにくいものが存在します。

使い方が詳しく教えてもらえ、フォローが充実しているのは、↓
ベビー抱っこ.com 
10数種類のブランドを店主自ら購入して試した結果、一押しの Over the Shoulder Baby Holderを販売しています。
私も、ひとつもっていますが、はじめてのスリングとしては、やっぱりこれが一番いいと思います。一番使いやすく、肩も凝りません。
なにより、ここの説明書は、ホントに丁寧で、何もわからない状態から使いこなすまで、とっても助かりました。

おしゃれで、割合小さく折り畳めるのは↓
ピースリング
セミオーダー形式で、自分の体格にあったものが手に入ります。
まるで、スカーフのような感じで、服とのコーディネイトも楽しめます。抱っこするときだけではなく、ただ斜めにかけて授乳時の目隠しにするのも、とってもスマートです。他のスリングほ
ど荷物にならないので、私は、セカンドスリングとして、帰省用に使っています。


授乳服やスリングがなくても、自分の上着利用する方法があります。

@パーカーなどをはおり、胸の下までファスナー(orボタン)を閉めておき、中に着ているものだけをめくって授乳する。

A自分の着ているジャケットを一度脱ぎ、自分の前にジャケットの背中が来るように、普段と逆に手を通して目隠しにし、授乳。
片手だけ通すなど、工夫してみて下さい。
(冬場など、寝ている赤ちゃんに着せているようにしか見えず、電車の中でもわからない。着ているものを利用するので、荷物にならず、帰省の時などに便利。)

どちらにしても、上手く授乳するコツさえ掴めば、人前での授乳でも案外気づかれないものです。
授乳室がなくても、一声かければ部屋を貸してくれることもあります。
どんどん外に出かけましょう。
二人目の子育てなら、上の子の幼稚園などで、小さい赤ちゃんがいても、外に出ざるをえないそうです。やればできる。案外どうにかなるのです。
出かけているうちに、いろいろな工夫が自然と生まれてきます。

どうして、私がそんなにも外出を薦めるかというと、家に赤ちゃんと2人で閉じこもっていては、誰でも煮詰まってしまうからです。
ちょっと外の風に当たるだけでも違います。
できれば、積極的に開放している保育園や児童館などにも出かけ、他の人が赤ちゃんにどう接するのかを観察したり、他の人と話したりすることで、子育てについて勉強になることも多いと思います。
夫婦だけで子育てするのは、無理があります。
どんどん外に出ようと、アンテナをはっていれば、意外と子供連れで行ける場所は、多いものです。


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