Q1.人を雇ううえで、自覚しておかなければならないこと

 人を雇う理由には様々なものがあります。例えば自ら始めた商売が軌道に乗り人手が足らなくなった、長年勤めてくれた従業員が辞めたので補充の人が必要になった、あるいは商売を始めるにあたって最低限必要な人数がいるのでアルバイトを雇わなければならないなど、実情に応じて色々とあるでしょう。
 
 このように必要に応じて人を雇うわけですが、まず人を雇う前に経営者は大切なことを自覚しておかなければなりません。
 それは、人を雇うということは大きな責任を生じるということです。ただ、働きに応じてお金を支払えばよいものではありません。それは数ある責任のうちの一つを履行したに過ぎません。

 まず最初に考えるべきことは、雇った人間が安全に働けるように配慮することです。労災保険の手続きを済ませておく、仕事をさせるにあたって必要な安全教育を行うなどは当然です。働かせている間に起きた災害に対しては、原則、経営者がすべて医療費等の面倒を見なければなりません。その自覚も必要です。

 その次に必要なことは、人を働かせるには、働かせるルールを守らなければならない、ということを知っておくことです。この働かせるルールとは、労働時間や休憩、休日、給料の支払いなど、人を雇う人間(並びに企業)に課せられている国が定めた様々なルール(法律)のことです。

 これらのルールを守ったうえで、経営者は権利を行使することができます。人に指揮命令するのも、その指揮命令に従わなかった不届き者に制裁を行うのも、上記の義務を果たして初めて可能となるものです。このことを自覚しておかないと「俺はお金を払っているんだからやってもらわなければ困る」等、経営者が勘違いを犯し、従業員とのトラブルに発展することがあります。経営者は義務を守ったうえで権利が行使できると肝に銘じておくことが必要です。

 人を雇うとは、ルールを守って人を動かす責任があるということをまず自覚しましょう。

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