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     配転・出向・転籍等の問題

企業は、業務上の必要性に応じ、あるいは多様な能力と経験を持った人材を育成することを目的として、各種の人事異動を行いますが、企業側に一定の命令権が認められている半面、一定のルールや制限があるいことも認知しておく必要があります。

配転
配転とは、配置換えと転勤(勤務地の変更)があります。

配転は、以下の要件が満たされている場合に労働者の個別的同意なしに配転を命ずることができます。
@労働協約および就業規則に会社は業務上の必要性により配転を命ずることができる旨の規
   定があること
A実際に上記の規定に基づき配転が頻繁に行われていること
B採用時に勤務場所や職種等を限定する合意がなされていないこと

配転命令が無効とされる場合
@勤務場所や職種等の限定が認められる場合
A配転命令について、業務上の必要性が認められない場合
B業務上の必要性が認められる場合であっても、
(ア)当該配転命令が他の不当な動機や目的をもってなされたものであるとき
(イ)労働者が通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき

法令による制限(育児・介護休業法第26条)
事業主は、その雇用する労働者の配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをしようとする場合において、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない。

職種の変更
採用時に労働契約、労働協約および就業規則等によって、あるいは労働契約の遂行過程において職種を限定する旨の合意がなされていたときは、異なった職種への配転は労働者の承諾が必要になります。ただし、一般に同一の業務に長年継続して従事してきたことをもって職種を限定する合意が成立していたとは言い難いものとされています。

出向
出向(在籍出向)とは、勤務する会社に雇用契約上の地位を保持した状態のまま他の会社において一定期間就労することで、労務を提供する相手方が他の会社に変わるものをいいます。

出向命令が有効とされるための要件
@労働協約および就業規則に会社は業務上の必要性により出向を命ずることができる旨の
   規定があること
A出向元と出向先の企業が密接な関係にあり、賃金、退職金その他の労働条件等の面で不
   利益が生じないよう制度が整備され、その職場で労働者が同種の出向を通常の人事手段
   として受け入れていること

転籍
転籍は、勤務している会社の雇用契約上の地位を失って他の会社の社員になることで、従前の会社との関係では、雇用関係の終了(解雇)であり、転籍先との関係では雇用関係の成立とみることができます。

転籍命令が有効とされるためには、従業員の個別的同意を得ている必要があり、事前の包括的同意については認められていません。

なお、出向や転籍についても、配転同様権利の濫用とされる場合があります。





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