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近年、セクシュアルハラスメント(性的いやがらせ)が労務管理上の問題となっています。セクハラを放置していると、セクハラを行った個人だけでなく、事業主も使用者責任を問われ、損害賠償責任に発展することもあり得ます。(平成19年4月以降、事業主は、セクシュアルハラスメント対策として企業規模や職場の状況の如何を問わず、雇用管理上必要な措置を講じなければならないこととされており、その対象も男女労働者に拡大されています。)
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セクシュアルハラスメントが起こった時の法的責任 |
【加害者側】
行為の内容により次のような罪に問われる可能性があります。
刑法第176条(強制わいせつ)、同177条(強姦)、同204条(傷害)、同208条(暴行)、同222条(脅迫)、同230条(名誉毀損)、同231条(侮辱)、同223条(強要)、民法第709条(不法行為による損害賠償)
【事業主側】
労働契約法第5条(労働者の安全への配慮)、安衛法第71条の2(事業者の講ずる措置)、民法第415条(債務不履行による損害賠償)、同715条(使用者等の責任)
○男女雇用機会均等法第11条
(職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置)
事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
「職場」とは.....
事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指します。例えば、勤務時間外の宴会等であっても、実質上職務の延長と考えられる場合は職場に該当します。
「性的な言動」とは.....
性的な内容の発言および行動を指し、女性が女性に、男性が男性に対して行う場合も含まれます。
「労働者」とは.....
男女の労働者で、正社員のみならず、派遣社員、パートタイマー、契約社員等も含みます。
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セクシュアルハラスメントの判断基準および類型 |
【判断基準】
一般的に「平均的な労働者等の感じ方」を基準とすることが妥当とされ、「労働者等が明確に意に反することを示しているのに更に行われる性的言動」の場合は、セクシュアルハラスメントに該当するとされています。
【類型】
[対価型セクシュアルハラスメント]
職場において行われる労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の拒否や抵抗等により、当該労働者が解雇されたり、不当な配置転換や降格、減給等の不利益を受けるケースを指します。
[環境型セクシュアルハラスメント]
職場において行われる労働者の意に反する性的な言動により、当該労働者が苦痛を感じ、就業意欲が低下し、業務に専念できないケースを指します。
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事業主がセクシュアルハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置 |
セクシュアルハラスメントを防止するために事業主が講ずべき措置として、次の9項目が指針として挙げられており、事業主は、その規模や職場の状況の如何を問わず必ず行わなければならないことになっています。
(1)事業主の方針の明確化およびその周知・啓発
@セクシュアルハラスメントの内容およびセクシュアルハラスメントがあってはならない旨の方
針を明確化し、管理 ・監督者を含む労働者に対し周知・啓発をすること
Aセクシュアルハラスメントを行った者については、厳正に対処する旨の方針および対処の内
容を就業規則その他職場における服務規律等を定めた文書に規定し、管理 ・監督者を含
む労働者に対し周知・啓発をすること
(2)苦情・相談に応じ、適切に対応するための体制の整備
B苦情・相談への対応のための窓口をあらかじめ定めておくこと
C相談窓口の担当者が、相談の内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること。また
、相談窓口の担当者は、セクシュアルハラスメントが現実に生じている場合だけでなく、発
生の恐れがある場合や、セクシュアルハラスメントに該当するかどうか微妙な場合であって
も広く相談に応じ、適切な対応を行うようにすること。
(3)セクシュアルハラスメントが生じた場合の事後の迅速かつ適切な対応
D事案に係わる事実関係を迅速かつ正確に確認すること
Eセクシュアルハラスメントが生じた事実が確認できた場合においては、行為者および被害を
受けた労働者に対する措置をそれぞれ適正に行うこと
F改めて、セクシュアルハラスメントに関する指針を周知・啓発する等の再発防止に向けた措
置を講ずること。またセクシュアルハラスメントが生じた事実が確認できなかった場合におい
ても、同様の措置を講ずること
(4)(1)〜(3)の措置と併せて講ずべき措置
Gセクシュアルハラスメントに係わる相談者・行為者等の情報は当該相談者・行為者等のプラ
イバシーに属するものであることから、相談への対応または当該セクシュアルハラスメント
に係わる事後の対応に当たっては、相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必
要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者に対して周知すること
H労働者がセクシュアルハラスメントに関し相談をしたこと、または事実関係の確認に協力し
たこと等を理由として不利益な取り扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発
すること。
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セクシュアルハラスメントに関する相談・問い合わせ機関 |
セクシュアルハラスメントに関する相談・問い合わせに関しては、労働局に置かれている雇用均等室が対応することになっています。
(1)行政指導の実施、過料の徴収、企業名の公表
厚生労働大臣は、男女雇用機会均等法の施行に関し必要があると認めたときは、事業主に対して報告を求め、または助言、指導もしくは勧告をすることができ、報告を求めたにもかかわらず事業主がこれに応ぜず、または虚偽の報告をした場合には過料が課せられることになっています。また、セクシュアルハラスメント対策について、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、企業名公表の対象とされることがあります。
(2)紛争解決の援助(調停など)
職場のセクシュアルハラスメントに関する紛争に関しては、男女とも調停などの紛争解決の援助を申し出ることができ、また関係者双方の同意により、行為者の出頭を求め意見を聞くことができることになっています。
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