Q、従業員採用時の手続きについて教えてください。
概ね、以下のような流れになろうかと思いますので、ご参考にしてください。
@ 採用予定者に事前に入社案内等を送付します。
(ア) 入社の案内文(出社する日、時刻、場所等を記載したもの)
(イ) 出社日当日に持参する書類等の一覧を記載した書面(就業規則に採用時の提出書類の記載があれば
その一覧。概ね以下になりますが、会社により変動可能。)
・誓約書(同封した会社指定のもの)
・秘密保持誓約書(必要に応じて)
・身元保証書(同封した会社指定のもの)
・住民票記載事項証明書
・雇用保険被保険者証(前職のある者に限る)
・年金手帳または基礎年金番号通知書(所持している者)
・前勤務先の所得税源泉徴収票(前職のある者に限る)
・健康診断書(雇入時の健康診断は会社の義務ですが、採用予定者が入社前3ヶ月以内に健康診断を受診して
いる場合は、本人がこの健康診断書を提出することで代用できます。)
・資格証明書、運転免許証等のコピー(必要に応じて)
・印鑑
(ウ) 誓約書、身元保証書等を同封します。
A 出社日当日
(ア) 労働条件通知書または雇用(労働)契約書の交付(労働条件通知書は厚生労働省のHPからダウンロード
できます。)
(イ) 1−(イ)の書類等を回収
(ウ) 当日または後日に提出してもらう書類
・通勤経路届(交通費や通勤災害時の基礎資料として必要)
・給与振込依頼書
・家族届(健康保険被扶養者届の資料となる)
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(扶養家族のいない者も提出)
・給与支払報告・特別徴収にかかる給与所得者異動報告書(住民税を前勤務先から引続き特別徴収する場合に 提出してもらい、市町村へ届けます。なお、新卒者または前勤務先で住民税を一括徴収されている場合や普通 徴収に切替えている場合は不要)
B 労働者名簿、賃金台帳、源泉徴収簿(賃金台帳兼源泉徴収簿でも可能)、出勤簿(タイムカード)を整備します。
C 労働保険、社会保険の手続き
(ア) 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届の提出(政管の場合、入社日から5日以内に社会保険事務所へ)
・資格取得届の用紙は、社会保険庁のHP(PDF)からダウンロードできます。
・事業主が照合・確認することで、年金手帳または基礎年金番号通知書の添付は不要。
・年金手帳を紛失の場合は「年金手帳再交付申請書」を提出。
・被扶養者がいる場合は、「健康保険被扶養者(異動)届」を提出。
(注1) 被扶養配偶者がいる場合は、「健康保険被扶養者(異動)届」に綴られてある、「国民年金第3号被保険者届」の記入を忘れないこと。
(注2) 社会保険事務所から、(1)本人と被扶養者の「健康保険被保険者証」、(2)初めて年金制度に加入する人には「年金手帳」、(3)「被保険者資格取得確認」と「標準報酬決定通知書」が送られてきますので、(1)(2)を本人に渡します。
(イ) 雇用保険被保険者資格取得届の提出(入社日の翌月10までにハローワークへ。なお、社会保険事務所へ提出することも可能)
(注1) 紛失などで被保険者番号が分らないときは、最後に雇用されていた事業所名・所在地などを明らかにして申請します。
(注2) ハローワークから書類を受取ったら、「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)」と「資格喪失届・氏名変更届」を会社で保管し、「雇用保険被保険者証」と「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」を本人に渡します。
【2006年11月補正】 |
Q、従業員の家族が増減した場合の手続について教えてください。
従業員の家族に変更があった場合は、「健康保険被扶養者(異動)届」を社会保険事務所に提出します。
通常、家族(被扶養者)の変更については、次のような事例が考えられます。
(1) 子供が生まれた
(2) 結婚し、妻が被扶養者となった
(3) 共働きの妻が退職した
(4) 妻や子供が就職した
(5) 被扶養者が死亡したなど
上記の(2)(3)場合は、異動届に綴ってある国民年金第3号被保険者の届出も忘れないようにしてください。
通常は、従業員から「被扶養者変更届」などの任意の届出書を会社に提出させます。家族の増減があった場合は、速やかに会社に通知するよう従業員に指導してください。資格の切れた保険証を使用しますと、後から医療費などの返還を請求されます。被扶養者が減った場合には、従業員から被扶養者でなくなった家族の健康保険証を提出させます。 |
Q、氏名を変更した場合の手続にはどんなものがありますか。
従業員の氏名が変更になった場合は、次の届出が必要です。
(1) 社会保険事務所に「健康保険・厚生年金保険被保険者氏名変更(訂正)届」を提出します。この場合、健康保険証は被保険者分だけでなく、家族全員の保険証を添付します。
(2) ハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失届・氏名変更届(様式第4号)」により、氏名変更の届出をします。被保険者の資格取得時にハローワークから、被保険者名や被保険者番号が印字された「雇用保険被保険者資格喪失届・氏名変更届(様式第4号)」の用紙が交付されていますので、この用紙により手続きをします。 |
Q、住所を変更した場合も手続きがいるのですか。
従業員の住所が変更になっても、健康保険と雇用保険は住所変更の届出はありません。唯一、厚生年金保険で届出が必要になります。「厚生年金保険住所変更届」を社会保険事務所に提出します。この写しに、社会保険事務所の受付印を貰い会社で保管します。 |
Q、中途採用した従業員が年金手帳を紛失したと言っています。再交付の方法を教えてください。
資格取得届を提出する際に、「年金手帳再交付申請書(基礎年金番号)」を所轄の社会保険事務所に一緒に提出し、再交付の申請をします。年金手帳の記号・番号が分っている場合は、@欄にその番号を記入します。
記号番号が分らない場合で、国民年金や厚生年金保険の記号番号が分る場合は、その番号を備考欄に記入します。エ欄には最初に厚生年金保険の被保険者として使用された事業所の名称を、分る範囲でできるだけ詳しく記入します。なお、年金手帳を毀損した場合は、その年金手帳を添付します。 |
Q、従業員が退職したときの事務手続きにはどんなものがありますか。
従業員が退職したときには、以下のような事務手続があります。
1、 健康保険・厚生年金保険の手続
「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」に、本人と家族全員の健康保険証を添えて社会保険事務所に提出します。保険証を紛失した場合は、「健康保険被保険者証滅失届」を提出し、退職した従業員と連絡が取れないなどで保険証を回収できないときは、「健康保険被保険者証回収不能届」を提出します。
2、 雇用保険の手続
「雇用保険被保険者資格喪失届」をハローワークに提出します。従業員が離職票の交付を希望した場合は、「雇用保険被保険者離職証明書」を添えて提出し、交付を受けた離職票(1と2)を本人に渡します。なお、添付書類については所轄のハローワークで確認してください。
3、 所得税
年の途中で退職した人には「給与所得の源泉徴収票」を税務署に提出し、原則として1ヶ月以内に本人に交付します。また、退職金を支給した従業員に対しては「退職所得の源泉徴収票」(税務署用)と、「特別徴収票」(市町村用)を1ヶ月以内に本人に交付します。なお、年の途中で退職した人については年末調整を行いません(死亡退職を除く)。
4、 市町村民税
(1) 4月1日までに退職した場合は、「給与支払報告に係る給与所得者異動届出書」を、4月2日以降に退職した場合は、「特別徴収にかかる給与所得者異動届出書」を市町村に提出します。
(2) 未納税額の徴収方法は以下の通りです。
・1月1日から4月30日までの退職…前年分の市町村民税の残額を給与か退職金から一括徴収します。
・5月1日から5月31日までの退職…市町村民税の残額の徴収はありません。
・6月1日から12月31日までの退職…市町村が本人に納税通知書を交付しますから、本人が納税します。なお一括徴収も選択できます。
5、 退職者から提出してもらう物など
(1) 本人からは、退職届、退職届の受給に関する申告書、健康保険証、その他身分証・社員章・制服などがあれば返却して貰います。
(2) 本人には、給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票、希望者には離職票や退職証明書などを渡します。
|
Q、離職証明書を記入する際の注意点について教えてください。
従業員が退職した場合、離職証明書を必ず作成しなければならない訳ではありませんが、従業員から離職票交付の請求があった場合は必ず作成する必要があります。離職証明書は、資格喪失届と一緒にハローワークに提出します。
離職証明書を記入する際の注意点が幾つかありますので、参考にしてください。
(1) 記入にあたっては、賃金台帳や出勤簿等を確認し間違いのないように記入します。
(2) 離職者が、離職の日以前1年間(短時間労働者は2年間)に引き続き30日以上賃金の支払を受けなかった期間があるときは、その期間およびその原因をLの備考欄に記入します。
(3) パートタイマーなどの有期雇用契約を反復更新している場合は、以後契約更新しない旨を最終契約書等に明記していないと、契約期間満了とならないとされますので注意してください。
(4) 記載事項に誤りがある場合は、抹線2条で上部に訂正すると共に、左側の欄外に訂正した旨を表示のうえ事業主の捨印が必要となります。
(5) NO欄には本人の署名捺印が必要です。特にO欄は新たに設けられたもので、F欄の離職理由に本人が「異議有り」とするとハローワークから照会がきます。
(6) 添付書類として賃金台帳、労働者名簿、出勤簿等が必要ですが、ハローワークにより違う場合がありますので、所轄のハローワークで確認してください。
|
Q、社会保険に加入しなければならない事業所について教えてください。
社会保険には、労災保険と雇用保険の「労働保険」と、健康保険と厚生年金保険の「社会保険」とがあります。この「労働保険」と「社会保険」に加入しなければならない事業所を、適用事業または適用事業所といい、その範囲は「労働保険」と「社会保険」でそれぞれ異なります。
1、労働保険(労災保険と雇用保険)
従業員を1人でも使用していると加入義務があります。法人、個人事業を問いません。ただし唯一の例外として、個人事業の、常時使用する労働者が5人未満の農林水産の事業は加入しなくてもかまいません。また労働保険には、原則として事業主は加入できません。
労災保険は、労働基準監督署。雇用保険は、ハローワークが管轄になります。
2、社会保険(健康保険と厚生年金保険)
●法人の場合
常時1人でも使用していれば加入義務があります。また、法人の役員は加入義務がありますので、社長1人の会社でも強制適用になります。
●個人事業の場合
(1) 常時使用する従業員が4人以下の個人経営の事業は加入しなくてもかまいません。
(2) 常時使用する従業員が5人以上の個人経営の事業であっても、以下の事業は健康保険・厚生年金保険に加入しなくてもよい事業となっています。
個人経営の事業で、(ア)農業、畜産業、水産業、林業などの第一次産業、(イ)理容、美容の事業、(ウ)映画の製作又は映写、演劇、その他興行の事業、(エ)旅館、飲食店、接客業や娯楽場。弁護士、会計士、社労士等法律関係の事業等のサービス業、(オ)神社、寺院、教会等の宗務業。
(注) 社会保険には、労働保険と違い、法人の役員(非常勤役員を除く)は加入義務があります。
社会保険(健康保険と厚生年金保険)の管轄は、社会保険事務所です。
また被保険者の範囲も、労災保険、雇用保険、社会保険(健康保険と厚生年金保険)でそれぞれ異なっています。 |
Q、雇用保険や健康保険の被保険者の基準がバラバラでよく分りません。簡単に教えてください。
1、 労災保険
個人経営の、常時使用する労働者が5人未満の農林水産の事業という唯一の例外を除いて、法人・個人経営に係わらず、従業員を1人でも雇っている場合は労災保険の強制適用事業とされます。正社員のみならず、パート、アルバイトなど全ての労働者が労災保険の対象となります。
2、 雇用保険
雇用保険には、最初から被保険者とされない場合と、パートなど労働時間により被保険者とされない場合があります。詳細は、厚生労働省のホームページをご参照ください。
3、 健康保険・厚生年金保険
労災保険と雇用保険を「労働保険」というのに対して、健康保険と厚生年金保険を「社会保険」といいます。健康保険と厚生年金保険の手続は一緒です。なお、パートタイマーでも場合によっては加入させなければならないことがあります。 |
Q、労働保険と社会保険の保険料納付の仕組みを教えてください。
労災保険と雇用保険を「労働保険」といいます。労災保険と雇用保険の保険料は、「労働保険料」として1年分を納付書にて前払いします。毎年、4月1日から5月20日までに当年度分の労働保険料を概算で支払い、前年度分の保険料については、昨年支払った概算額と実際の確定額を差し引きし精算します。(詳細については、次項の「労働保険の年度更新」を参照してください。)なお、労働保険料は分割納付できる場合があります。
労災保険料は全額事業主負担です。雇用保険料は事業主と従業員で負担します。
健康保険と厚生年金保険を「社会保険」といい、保険料は事業主と従業員が折半で負担します。健康保険料と厚生年金保険料については、毎月20日ごろ社会保険事務所から前月分の、(ア)納入告知書、(イ)算出内訳書、(ウ)異動があった場合は増減内訳書が送られてきます。金融機関などに当月末日までに、納入告知書に記載の保険料を納付します。なお銀行の口座振替を利用した場合は、社会保険事務所より納入告知額が通知されます。
健康保険料と厚生年金保険料の従業員負担分は、当月分を翌月の給与から引去り、月末までに事業主負担分と一緒に納付します。雇用保険料の従業員負担分は、当月分を当月の給与から引去り、来年度の納付に備えストックしておきます。
|
Q、労働保険の年度更新とは何ですか。
労災保険と雇用保険を「労働保険」といいます。労災保険料と雇用保険料を「労働保険料」といい、労働保険料は原則として年度を単位に1年分を一括して支払います。
具体的には、毎年4月1日から5月20日までに当年度分の労働保険料を概算で支払います。これを「概算保険料」といいます。一方、年度末までに労働者全員に支払った1年分の賃金総額に基づき、それぞれ労働保険料率と雇用保険料率を掛けて、この合算額を「確定保険料」として申告し精算します。精算方法は、確定保険料が昨年支払った概算保険料より多いときは差額を支払い、少ないときは、その加納額を今年の概算保険料に充当します。
概算保険料の算出方法は、その見込み額が前年度の賃金総額の50%以下か200%以上の場合は、その額が概算保険料の額となります。つまり、通常、概算保険料額は申告清算した確定保険料の額と同額になります。
一般の事業(継続事業)の場合は、「労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書(様式第6号)」に、申告書裏面の注意事項の通りに記入し、通常は郵便局や銀行などの金融機関を通して申告納付します。金融機関では、3枚綴りのうち「事業主控」を返却し、残り2枚は金融機関が受領します。このように労働保険は通常1年に1回、保険料を申告納付をしますので、これを「労働保険の年度更新」と言っています。
なお、最近では電子申請による申告もできるようになりました。
|
Q、健康保険・厚生年金保険については、年に1回、算定基礎届を提出しなければならないと聞きましたが、算定基礎届とは何ですか。
健康保険と厚生年金保険の保険料は、給与額をもとに算出します。給与額は月々変動するため、1年のうち、ある一定の時期を決めて、この期間の給与額をもとにして標準報酬月額を決定し、この標準報酬月額に保険料率を掛けて保険料を算出します。これを標準報酬の「定時決定」といい、この届を「算定基礎届」といいます。
具体的計算は、7月1日現在に健康保険・厚生年金保険の被保険者の一人一人について行います。4、5、6月に支払った報酬の総額を3で割り(ただし、支払基礎日数が17日未満(注)の月は除く)、その額を健康保険・厚生年金保険の各等級に当てはめて、その人の標準報酬月額を決定します。「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届」に記入し、毎年7月初旬に社会保険事務所に提出します。
定時決定により決定された標準報酬月額は、その年の9月から翌年8月まで原則的に変わりません。従業員の保険料控除は、10月分から行います。
(注)平成18年度以降の定時決定より、20日未満から17日未満に改正
|
Q、給与額が大幅に変わると月額変更届が必要と聞きましたが、具体的に教えてください。
通常の場合は、年1回の定時決定により標準報酬月額を決定しますが、大幅な昇給や降格などにより著しく報酬額が変わることがあります。このような場合に標準報酬月額を改定することを「随時改定」といい、この届出を「月額変更届」といいます。
随時改定は次の全てに該当した場合に行います。
(1) 基本給などの固定的賃金の増減があった
(2) 連続した3ヶ月間の報酬の平均額が、今現在の標準報酬月額の等級と比べ、2等級以上の差がある
(3) 固定的賃金の増減があった月から数え3ヶ月間とも、賃金支払基礎日数が17日以上(注)ある
この全てに該当した場合は、社会保険事務所に「被保険者報酬月額変更届」を提出します。社会保険事務所からは「標準報酬決定通知書」が返却されます。
新しい標準報酬月額による保険料の適用は、固定的賃金の増減があった月から数えて4カ月目から、次の定時決定まで適用されます。
(注)平成18年4月以降より、20日以上から17日以上に改正
|
Q、賞与を支払ったときの労働保険料・社会保険料の控除はどうなるのですか。
健康保険・厚生年金保険については、賞与を支払ったときにも、標準賞与額(注)に給与を支払ったときと同率の保険料率を掛けた健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料を賞与から控除します。そして、「健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届」に従業員ごとの標準賞与額を記載し、「総括表」を添付して社会保険事務所に提出します。社会保険事務所から翌月の納入告知書に給与分と賞与分が告知されますので、事業主負担分と一緒に納付します。
(注)標準賞与額とは、賞与の額の1,000円未満の額を切り捨てた額をいいます。標準賞与額には、健康保険200万円、厚生年金保険150万円の上限があります。
なお、賞与支払月に退職した従業員については、社会保険料は控除しません。なぜなら、社会保険料は資格を喪失した月の前月分までを納付すればよいからです。賞与を支払った時点では退職することが分らず社会保険料を控除していた場合は、後で本人に当該控除額を還付することになります。賞与支払届についても、当該従業員分は記載する必要はありません。
ただし、月の末日退職の場合は翌日が資格喪失日となりますので、賞与からの社会保険料控除が必要となりますので、ご注意下さい。
雇用保険料の賃金控除は、賞与に対しても給与と同じ扱いです。特に届出等は要りません。労災保険料は年間の賃金総額で決定しますので、特に手続はありません。
|
Q、従業員が退職したときの社会保険料の控除について教えて下さい。
社会保険(健康保険、厚生年金保険)料は、資格を取得した月から、資格を喪失した月の前月分までを納付します。ただし、社会保険料の従業員負担分については、従業員が資格を取得した月の翌月の給与から控除します。そして、社会保険料の事業主負担分を併せてその末日までに社会保険事務所に納付します。
社会保険料は、従業員が資格を喪失した月の前月分までを納付ですから、従業員が退職した月の保険料は徴収されません。
ただし、社会保険の被保険者資格の喪失日は、従業員が退職した日の翌日です。例えば、(ア)3月31日を退職日すると資格喪失日は4月1日となります。そうすると、資格喪失月は4月となって、3月分の保険料を納付しなければなりません。しかし、(イ)3月30日までを退職日とすると、資格喪失月も3月となりますので、3月分の保険料は納付する必要はありません。
(ア)の場合は、従業員の3月に支払う給与から2月分の保険料を、4月に支払う給与から3月分の保険料を控除します。(ただし、4月に支払うべき給与がない場合は、3月に支払う給与から2月分と3月分の保険料を控除します。) (イ)の場合は、3月に支払う給与から2月分を控除することのみで足ります。(4月に支払うべき給与があったとしても、この給与から3月分の保険料は控除しません。)
なお、雇用保険料の方は簡単です。被保険者である期間に支払いが確定している給与に基づき、その給与を支払うつど従業員負担分の保険料を控除することとなっていますので、退職日に係わらず給与を支払うつど従業員負担分の雇用保険料を控除することで足ります。
|
Q、従業員が病気で休職中の労働保険料・社会保険料はどうなるのですか。
健康保険・厚生年金保険では、従業員が病気などで休職中であっても月々の保険料の支払いが必要です。休職中でも賃金を支払っていれば、そこから従業員負担分の保険料を控除できるので問題ありませんが、休職中の賃金が無給の従業員については、当該従業員と話し合って決めることになります。
この場合、休職規程等に「従業員は休職期間中の健康保険、厚生年金保険の被保険者負担分の保険料相当額を毎月月末までに会社の指定口座に振り込まなくてはならない。」等の例により規定しておけば、万全かと思います。
雇用保険料については、無給の場合は事業主負担分・従業員負担分とも支払う必要はありませんが、有給の場合は支払わなければなりません。労災保険料は全額事業主負担ですので、賃金の支払いがあれば事業主が支払うことになります。
|
Q、同一月内に被保険者資格の得喪があった場合の保険料はどうなるのですか。
健康保険・厚生年金保険の被保険者資格の取得の届出をし、同一月内に喪失があった場合であっても、1か月分の保険料を支払わなくてはなりません。健康保険・厚生年金保険では、従業員負担分の保険料控除は前月分に限られていますが、この場合に限って当月分の給与から控除できます。雇用保険料は、所定に当月分を控除します。
|
|
|