2007/06/16作成、2009/06/08追記

Macintosh Quadra 700は、Appleが1991年に発表したデスクトップパソコンです。
CPUにクロック周波数25MHzの最新鋭チップ、モトローラ68040を搭載し、従来の最上位機(IIfx)より2倍速いというのを売りとしていました。現行のモデルでいうとMac Proのような位置づけで、価格は100万円を軽く超える高級機でした。
筐体は、6面がほぼプラスチックだけで作られている直方体です。それに多数のスリットが入れられ、左右に飛び出したゴム脚とAppleのマークがアクセントとなっている、シンプルでセンスの良いデザインでした。内部は、筐体内側にシールドのための金属メッキが施されており、プラスチックのドライブマウンタ部品が組み合わされ、下部はCPUの放熱と拡張カードのための空間が空けられた、無駄のない構成をしていました。
ちなみに、Quadra 700はfrogdesign社がデザインしたという記述をたまに見かけますが、実際は、ベースとなったIIcx/ciともどもApple社内のデザインです。
私は、これが現役の頃はちょうどパソコンに興味を失っており、リアルタイムで触れることができませんでした。後になり、このモデルをはじめとするApple製品のデザインに惹かれるようになりました。しかし、その時にはすでにQuadra 700は過去のマシンであり、ノーマルで使うには性能が足りませんでした。そこで中身を入れ替えて使おうと思い、これまで2度、改造工作を行ってきました。(その1)(その2)
(パソコンでは)680x0はおろかPowerPCでさえ歴史上のアイテムとなった現在、Quadra 700はネットオークションでも見かけるのもまれになってしまいました。そこで、今が工作のラストチャンスと思い、中古品を入手するところから今回の計画が始まりました。
(写真は入手した中古。HDD以外はノーマルです)
今回の目標は「今後10年使えること」です。
もちろんそれは「用途を限れば何とか使える」ではなく、その期間現役として必要な性能を保ち続ける、という意味です。パソコンでそんなことが可能なのでしょうか。
そのために必要だと思ったのは、「その都度パーツを交換していく」ということでした。演算能力が不足したらCPUを、メモリ不足になったらメモリを、HDD容量が不足したらHDDを交換・増設すれば、外見的には同じマシンを長く使っていくことができます。
これは自作パソコンでは当たり前の対応です。しかし、今回のような改造の場合、次の点を意識しなくては実現できません。
1.交換の可能性のあるすべてのパーツを、将来も代替品が入手可能な規格品にする。
今回のような改造に限らず、異なる規格のパソコン用のパーツと入れ替えるときは、寸法が問題になります。どうしてもパズルのピースがはまらないということはよく起こります。そんな時は、うまく収まってくれる特殊形状の部品で解決したくなりますが、将来それを再交換する必要ができたときに、代替品が見つからず困るかもしれません。
前回改造したマシンは、Dell Dimension4600cのパーツを流用していました。このため、部品の交換は容易でない状態でした。(今回は、最終的にこのマシンを改造する形になりました。言い換えると、2号機を使い続けるためには、いずれは「交換」ではなく「改造」をする必要があったということです。)
あるいは、将来その規格が使われなくなってしまう可能性もあります。たとえばマザーボードのBTX規格はATXの後継というふれこみで登場しましたが、どうもこの先も主流にはならずに消えていきそうな雰囲気があります。
今回はそれらの状況を避けようと検討し、最終的に次のような規格品を使うことにしました。
光学ドライブのスロットイン仕様はやや珍しいかもしれません。その他は、主流からは外れるかもしれないが10年後でも生き残るのではないかと思います。具体的な製品名は後述します。
2.すべてのパーツを、ねじ止めなど、容易に交換可能な方法で組み立てる。
今回のような改造で既存のねじ穴やマウンタがそのまま使えることはあまりなく、たいていは部品の取り付けを工夫することになります。その際、接着したり、あるいはパーツを固定した後他の部材をかぶせて固定してしまうことはありがちです。これをやってしまうと、将来の部品の交換時に再度工作が必要になるかもしれません。それを避けようと思いながら、パーツのレイアウトや取り付け方法を考えました。
2号機が実際のところスペック的に見劣りをしていない今、改造をしたかった理由はもう一つありました。それはこの2号機が、溶剤で表面を拭いたせいで外観が悪くなっていたのが気に入らなかったということでした。
しかし、メラミンスポンジで全体をこすってみて、ロゴを筆でレタッチすると、今までより少し状態が良くなり、「これなら容認できるかも」と思えるようになりました。これと、
ことを合わせて考え、今回は2号機の再改造でいくことにしました。HDDと光学ドライブのマウントはそのまま利用し、残りのパーツを組み込み直します。
これでノーマルのQuadra 700に手を入れずにすんだので、将来の4号機の実現可能性が出てきました。もっとも、その時に本人がもう一度改造をしたいと思うどうかはわかりません。
CPU: Intel Celeron M 430(1.73GHz)
元々メイン機にはしないつもりなので、速度はあまり気にせず、それよりも発熱の少なさを重視して選択しました。高性能を目指すなら、Core 2 Duoに交換するだけで2倍のパワーが得られます。
欲を言えば、QuadraにちなんでクアッドコアのCPUにしたかったところです。現行のクアッドコア製品は高発熱な物ばかりなのでやめましたが、将来的には実現したいです。
マザーボード: AOpen i945GTm-VHL
Core 2 Duo(Tシリーズ)/Core Duo/Celeron M用のMicroATXマザーボードです。特長としては、945GTチップセットによるオンボードビデオはDVI端子が装備されており、Windows VistaのAeroにも対応しているということがあります。また、SATA2インタフェースは、RAID0/1やAHCIでも使用可能です。
難点は、メモリスロットがノート用のSO DIMMで、メモリモジュールが若干割高なことと、クロックアップ耐性がほとんどなかったということです。
電源: Seasonic SS-350SFE
350WのSFX電源です。
当初は普通のATX電源の使用を考えていたのですが、どうしても収納できそうになかったので、やむなくこのタイプを選択しました。一応、背面が125x64mmのタイプは多くのパーツショップでも見かけるので、将来の交換品も入手可能だと思います。
ただ、これを利用しても、マザーボードの拡張スロットは使えなくなってしまいました。今後マザーボードを交換する際も、必要な機能をすべてオンボードで持つ製品にする必要があります。その代わりマザーボードの上半分の空間は空いているので、より大きなCPUクーラーも使用可能です。
この製品は、小型で高出力な割に、放熱ファンのノイズがほとんどありません。というより、通常使用時はかなり風量が抑えられています。そうなると逆に筐体の廃熱が心配になったので、別途ケースファンを付けることにしました。
HDD: 日立 HDT725032VLA360
320GBの3.5インチHDDです。インタフェースはSATA2です。
この前までメイン機で使っていたのも日立製で、ひいきにしているブランドです。今回選んだモデルは、低発熱とそこそこの低騒音で、悪くなかったと思います。
DVDマルチドライブ: パナソニック UJ-815
これだけは2号機からの使い回しです。元々あまり使わないので、書き込み速度が遅くても気にしません。
気がかりなのが、ノート用でスロットインという製品の少ない形式であることで、将来交換する際の入手性がやや不安です。
制作過程、内部構造の詳細は次のページをご覧下さい。
(2009/06/08追記) 改修を行った。