2006/10/03作成、2006/10/13更新

あまり大きくなく、できるだけ高解像度な液晶モニタがほしいと思いました。しかしながら、ノートパソコンではいくつかありますが、デスクトップ用のモニタにはなかなかそのような製品がありません。以前はアイ・オー・データにLCD-AD152Uというモデルがあったのですが、あまり売れなかったのか、すでに販売終了となっています。
かくなる上は自作、と思って調べてみました。
昔から液晶モニタ自作キットを売っているAitendo's電子工房(開発企業は(株)秋葉原、直営店舗はCoCoNet液晶工房)にはさまざまな製品があります。が、パソコン用で特殊なサイズの液晶パネルは、あまりないようです。
さらに探してみると、五州貿易(ネクストロ)で、IDTechのN150U3というパネルが新品で売っているのを発見しました。五州貿易は、昔はMac用の改造パーツを主に扱っていましたが、最近では液晶関連製品も扱っているようです。ただ、2006/09時点で、この店にはN150U3に対応しDVI入力のあるコントローラはなかったので(ソフト書き込み代行サービスもやっているようなので、物があれば楽でした)、Aitendoの製品を組み合わせることにしました。
このパネルのスペックは次の通りです。
| サイズ | 15インチ |
| 解像度 | UXGA(1,600x1,200ドット) |
| 表示色数 | 約26万色 |
| 駆動方式 | IPS |
| コントラスト比 | 400:1 |
| 輝度 | 200cd/m2 |
| 視野角 | 上下170°、左右170° |
| 応答速度(黒→白→黒) | 60ms |
N150U3はノートパソコン用のLCDパネルです。これをデスクトップ用モニタと比較してみます。
長所は、視野角の広さです。コントラスト比、輝度、応答速度は水準より劣っています。色数は、コントローラにディザリングやFRCの機能があれば「疑似フルカラー(1,619万色)」を出すことは可能ですが、今回のAitendoのコントローラにはないので、この点のスペックは低いということになります。
下の写真は、グラデーションの絵を画面に映し、デジカメで撮影したものです。左がメインで使っている19インチフルカラー、右が今回のパネルです(色あいの違いや色ムラ、斜めのモアレは無視してください)

このパネルでもう一つ特記すべきこととして、データシートがメーカのサイトで公開されています。
今回購入した物は次の通りです。液晶パネルは五州貿易、モニタはYahoo!オークション、それ以外はAitendoより購入しました。いずれも送料別です。
「基本キット」と「シリアル制御プログラム書き込み装置」は、両方がセットになった「スーパーパック(D)」を選べばもう少し安くなります。ケーブルは別売品の購入が必要です。
| 液晶パネル | N150U3 | 41,790円 |
| 基本キット | D-300K | 12,800円 |
| 信号ケーブルアセンブリ | CB3-FIX30H-400 | 1,680円 |
| 接続ケーブル(変換)インバータ用 | CB5-03VS(TO)02VS-250 | 500円 |
| ACアダプタ(12V、4A) | 1,780円 | |
| シリアル制御プログラム書き込み装置 | 4,800円 | |
| モニタ(ジャンク品、ケース用) | PCVD-15XD5 | 830円 |




製作のヤマは次の4つです。
1.接続ケーブルの作成
データシートからパネル側のピンアサインを読んで配線図を作り、ケーブルの配線を行います。
私が作った配線図はこれをご覧ください。また、次の点に注意してください。



2.制御プログラムの書き換え
制御プログラムと言っても、実際はパラメータの書き換えだけで、手順自体はそれほど難しくはありません。ただ、購入客向けに提供されているファイルには説明コメントが付いているとはいえ、新しい機種のパラメータを求めるには、データシートをにらみながらの試行錯誤が必要でした。
私が調整したパラメータはこれです。DVIとVGA(アナログ)のみが表示可能です。パネルの個体差の問題は検証していません。
わかりにくかった調整ポイントは次の点でした(複数機種での検証はしていないので、鵜呑みにしないでください)。
サポートサイトで公開されている書き換え手順の補足として、次の点を挙げておきます。

動作確認
3.ケースへの組み込み
ケースは、VAIO付属のモニタ、PCVD-15XD5のそれを流用しました。
シャーシの穴を拡大して基板を収めました。コントローラ基板はスペーサで角度を付けました。
コネクタは側面に大きく穴を開け、そこにつなぐようにしました。ビデオ入力端子の部分は、どちらにせよ使えないので開けていません。
OSDキーボードは、ケース背面にスイッチの穴を開けました。中途半端に小さい穴なので指も入りませんが、めったに押さないので良しとしました。
電源ボタンとLEDインジケータを流用するため、OSDキーボードから配線を引っぱりました。
液晶パネルは、ケース前面に両面テープで貼り付けました。一応、テープが外れてもいきなり落ちないように、爪をケース内側に設けました。






4.塗装
使用したモニタは変色がひどかったので、つや消しの白で塗装しました。
部品を取り去った跡の穴をプラ版でふさぎ、白色のプラサフ→本塗装としました。
こうして、予想以上にまともな仕上がりになりました。あとは、いくつか課題が残っています。
1.電源
モニタの電源ボタンを押すか、パソコンからの信号がなくなると、スタンバイモードに移行します。この時、インジケータはオレンジ色に点灯しています。消費電力がどの程度なのかが気になります。使用しない時はACアダプタを抜いておいた方がいいかもしれません。
(実際は、市販のモニタでも、主電源を切らない限り待機電流は流れ続けています。)
2.EMI
元の基板類はシールド版でおおわれていました。今回は、インバータ基板は同じ場所に収めることができましたが、コントローラ基板は電磁気的にむき出しになっています。一応、基板付近のケース裏にステンレステープを貼っていますが、回路が閉じていないので意味はないような気もします。
いずれにせよEMIに関しては知識が乏しいので、室内のラジオやテレビの障害チェック程度しかやれることがありません。
3.熱
コントローラ基板のレギュレータ周りがかなり発熱します。ただ、ケースの排熱孔が直上に来るようにするなど、レイアウト的には最善を尽くしたと思っています。
使っていると、ケースのレギュレータ付近やインバータ上部付近が温かくなります。市販モニタに比べてそれほどひどいわけでもないので、様子を見ながら使っていきたいと思います。
4.そもそも、15インチでUXGAってどうよ?
これは別の話なので、ここでは省略。
注意事項