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第162話/"Inheritance"『アンドロイドの母親』
STARDATE 47410.2

〈エンタープライズ〉はアトリア第4惑星の鉱物調査に二人の専門家を伴って赴いた。事前の打ち合わせを終えてスタッフが去ったあとに、デイタとジュリアナ・テイナー博士が残るが、ジュリアナは「わたしの事を覚えていない?」と言う。驚くデイタだが、彼女はかつてヌニエン・スーンの妻で、デイタを一緒に製作した、つまり彼にとっての母親だと言うのだ。
 デイタをテンフォーワードに誘い出して昔の話をするが、デイタの記憶はオミクロンΘで艦隊士官に発見されてからしかないため、わからない話ばかりだった。だが、ジュリアナはおかまいなしに昔話をならべる。そして、多分、なにかのプロテクトがかけてあるため、記憶が無いだけで、それを外せば昔の事も思い出せるだろうと言った。
 スーン博士が結婚していたのは秘密になっていたらしく、その記録は無かった。そして、デイタからスーンが死んだ事を知り、彼女は悲しみに駆られる。だが、デイタは彼女の話を全て信用する事が出来なかった。
 デイタはいつものように、その話をジョーディもちかけ相談する。デイタは彼女とスーンの記録を調べるが、そこには彼女を話を裏付ける物しかなかった。ジョーディは疑問を持ちつづけるデイタに、そこまでウソを言う理由はジュリアナには無いと言う事を言う。デイタは昔の記憶を取り戻すのが恐くもあったのだ。だが、デイタはようやく彼女を母親だと認めるのだった。
 テンフォーワードにたたずむジュリアナのところに赴くデイタ。彼が恐る恐る「おかあさん」と言うと、彼女はにっこりと微笑んだ。
 通路を歩きながら昔の話をするジュリアナ。デイタがトロイのところに来たのだと知った彼女は意味深な表情で立ち去る。完全になにか勘違いをしているのをデイタが理解して訂正しようとするが、彼女はとつぜん現れた息子をからかうのが楽しくて仕方が無いようだった。ジュリアナの昔話は、作業をしている最中もとどまるところを知らなかった。
 その最中にもマグマ・ポケットを抑制して鉱物調査をする作業は続けられ、それも順調にはこぶ。
 実際に上陸活動が出来るのはまだ数十時間先。それまでの空いている時間にジュリアナはデイタのバイオリンを鑑賞する。デイタのこの特技はジュリアナがプログラミングしたものだったのだ。そして、今度は一緒にヴィオラで合奏しようと言う。
 デイタの部屋を散策するジュリアナはデイタの絵画を見つける。その中には彼の娘のラルの肖像画があった。ジュリアナはラルが死んだ事を知る。
 翌日、ヴィオラとバイオリンの合奏の後、ジュリアナはデイタにまたアンドロイドを製作する気があるのかと尋ねる。デイタはその気があることを告げる。だが、ジュリアナはポジトロニック頭脳の製作が非常にトリッキーで危険であることを心配する。ともすればロアのような凶悪な人格を身につけてしまうかもしれないのだ。
 ジュリアナはデイタにウソをついていた。オミクロンから脱出するときに、デイタを連れて行かないように言ったのは自分だったと打ち明ける。彼女はロアのような凶悪な人格にデイタがいつなるかわからないことが恐かったのだ。〈エンタープライズ〉のマグマ・ポケットへの採掘は続き、今度は4キロまで進める。2キロまで掘った穴は安定していて、デイタを含めた3人で上陸調査を開始する。
 地上に降りたジュリアナの夫はデイタにジュリアナにつきまとって困らせるなと言うが、彼は誤解していた。ジュリアナはロアも最初は素直なアンドロイドだったのだが、いつのまにかあんな凶悪な性格になっていしまった。デイタがいつそうなるともわからないのが恐かったのだと言う。デイタは自分が置き去りにされた理由が、理にかなったものであると理解し、ジュリアナにそう告げた。
〈エンタープライズ〉でデイタとジュリアナのデュエットの演奏会が行われる。そのあと医療室に赴いたデイタはジュリアナの医療記録を知りたいとベヴァリーに告げる。それは彼女の年齢では普通の状態の記録でしかなかった。だがデイタはなにかひっかかるものを感じていたのだ。
 ふたたび地下に降りるデイタ。抑制されたマグマ・ポケットが壊れそうで、置いて来た調査機具に危害が及びそうだと言うのだ。地下はあちこちで崖崩れが起き、危険な状態になりつつあった。デイタをジュリアナは故障した装置の修理を済ませると、転送エンハンサーのある場所に戻るが、地面が陥没してエンハンサーまでの高さがかなり変わってしまっていた。パターンエンハンサーが無いと転送帰還出来ない。デイタはジュリアナの腕を取り、決死のダイブをするが、下り立ったデイタが見た物は、外れてメカニズムが丸出しになったジュリアナの腕だった。彼女もアンドロイドだったのだ。
〈エンタープライズ〉に戻ってジュリアナを修理するジョーディとベヴァリー。ジュリアナはアンドロイドとしては究極の作品で、年をとることも出来る事がわかった。彼女は自分がアンドロイドであることすらも知らない筈だ。デイタはあまりにも完璧な彼女がアンドロイドではないかとすでに気付いていたのだ。そして、ジョーディが彼女の頭の中からホログラフィック・メモリーの記録チップを見つける。
 ホロデッキで再生した画像はヌニエン・スーンの物で、なんとスーンはデイタがこの記録を読む事を予測してデイタ用の応答プログラムを組んでいた。
 スーンは語る。本当のジュリアナはクリスタル・エンティティーの襲撃で死んでしまっていたのだ。そして、死の直後の彼女の頭脳から記憶を転写し、アンドロイドのジュリアナを再生したのだ。スーンは当時の事を克明に語る。だが、スーンは彼女を作ったのは多いなミスだったと言う。それほどスーンは本物のジュリアナを愛していたのだ。
 そして、いまのジュリアナは自分がアンドロイドだとわかった時点で停止してしまうように設計しているというのだ。彼女の寿命は人間とかわらない。彼女は自分が人間であると信じたまま、天寿を全う出来るのだ。
 デイタにはどうしていいのかわからなかった。ディアナはそっとしておくべきだと言い、ピカードはきみから聞かさせるより、なにかの事故で知る方が本人の為だろうという。選択は難しいが、身内であるデイタにはその権利があるのだ。
 チップを戻されて意識を取り戻すジュリアナ。デイタは言葉につまるが、「すべて元どおりです」としか言えなかった。
 そして、デイタとジュリアナは親子のままで別れる。その時デイタは「おとうさんは一生のうちで一番あなたを愛していた」と告げるのだった。
 デイタは本当の事を言う事が出来なかった。

Guest Cast:
Fionnula Flanagan as Dr.Juliana O'Donnell Soong Tainer:中西妙子
William Lithgow as Dr.Pran Tainer:石森達幸
and
Brent Spiner as Dr.Noonien Soong:千田光男

Creative staff:
Director:Robert Scheerer
Story By:Dan Koeppel
Teleplay By:Dan Koeppel and Rene Echevarria


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