傷口を広げて待っていた

あなたに癒されたいと願ったから

優しい言葉と唇を待っていた

そして それは叶えられるものと

信じていた

だけど...

私は「だけど」と綴らなくてはならない

だけど...

あなたのその形の良い唇から漏れたのは

「ゴメン...」だった

ゴメン....ゴメン.....

あなたに辛そうな顔をさせてしまって

ゴメン。

私はこの傷口を広げたまま

ただダラダラと紅い血を流しながら

止め方も分からずに

「アリガト」と言うよ。

最後にあなたの笑顔、焼き付けていたいから

私が「アリガト」と言ったら お願い

安堵の色 見せないでね

笑顔が欲しいけど

少しだけ寂しい笑顔をください。

その陰りの中に私の存在を確かめることできるから





。o.゜。*・★Good Night★・*。゜o。







左手の中指の先、感覚失って
あくびもでぬまま、一日中、眠くて
右肩だけが硬く上がらずに
清潔すら忘れた心は、考えるのを止めた。

誰もが楽しそうに見える中
私は何を目的に生きればいいのだろう。

鏡を見るのも怖くって
視線を外してばかりいる。

恋人はベッドで私を抱かなくなり
私は自慰すら忘れている。

俯いても 俯いても
涙でぬまま
眠いのに何故か夜になると眠れない。

左手の中指、感覚失って
いつしか喉も渇かなくなり
視力だけは向上し、
何ヶ月も見ていない通帳に
後どの位のお金と未来があるのだろう。

ただの紙切れと成り果てた
偉人の顔を見ていると
私だけが愚かに見えてくる。
彼らと同じ努力をしても
私だけはきっと報われず

涙も出ぬまま
あくびもないのに眠たくて
寂しいという心さえも失いかけている。

来週、新しい人に会いに行く。
楽しみにしているわけでもないのに
送られてくるメール。
「期待していちゃ、駄目だ」
と、自分に言い聞かせ、
添付された写真のあの人は
穏やかな顔をしている。

鳴らない携帯ならいらないから
一度持って捨てた。

ゆらゆらと揺れる夕陽を見ながら
恋人は日常にいる。

ゆらゆらと揺れる夕陽の中
新しい恋は、私に輝きを与えようとする。
未来を見せようとする。

「分かっているよ。
新しい恋すらいずれときめきなくすって」

ゆらゆら、揺れる夕陽を見ていたら
涙がひとつでてきたよ。

ああ、私にもまだ涙を生み出せる
機能があるんだ。

そう思ったら、急に生身を感じて
涙はとめどなく流れてきた。

ゆらゆら揺れて
私はあの人に会いに行く。





。o.゜。*・★Good Night★・*。゜o。




千切れた言葉
口移しで教えてよ。

期待は駄目だと
微笑んで

愚鈍な奴だと
なじってよ。

明日も同じ一日はないよ。
年老いていく私も恋も。

永遠など信じていない。
だけど、期待する私は、
やはり...愚か。

愚鈍が恋して
ときめきを覚えた。

この手の平がしわがれぬように
クリームを塗った。

この声が明るく澄むように
歌を覚えた。

綺麗でいたいと願ったら
してみたいことが増えた。

愚鈍が恋をして
ド壺にはまった。





。o.゜。*・★Good Night★・*。゜o。




やりたいだけでしょ?

悪戯に尋ねたら

「そうだよ」

と微笑んだ。

その微笑すらも愛する

私は愚鈍。




。o.゜。*・★Good Night★・*。゜o。






〜 椿 〜


「ひかえめな恋」

確かそんな花言葉だったね

冬の寒さに耐えながら咲く椿 

凛としたその美しさは僕の救いだった

君を見守るうちに生まれたこの気持ちを

白い雪に隠していました

恋してはならぬ君に淡く降り積もる雪

告白できぬ想いは白い世界に咲く赤い花 

君を想うたびに色濃くなる赤

眠れぬ夜はいつか終わる

冬さえも終わりを告げる

知っていました

春になれば

「さよなら」

どんなに美しく咲く花にも散るときがあることを

「サヨナラ」

君が告げた三月

なごり雪の中

ポトリと首を落とした椿

香りのない花はひかえめに 

白い雪に最後の赤い花を咲かせました

「サヨナラ」

君が去った庭に春が訪れます

さよなら   ひかえめな恋