今、人生の何章目?と訊かれたら、俺は迷わず、
「今、この春、人生の第一章が始まった」と応えます。

それまでの俺は我欲が強く、自分が自分が、と前に出てばかりいました。
子供の頃、自分を押し殺していた反動かもしれませんが。

今は、何かもっとフラットで温かく、
心の内側に静かなる消えることの無い情熱のようなものを感じています。

仕事に対しても、お金中心ではなくなったし、
健康に対してもサプリメント依存ではなく、一食一食考えるようになりました。

今までは自分の人生が嫌いで、死ぬことばかり考えていました。
自暴自棄で、欲望が強く、変なプライドに縛られ、
そのくせ、過小評価で自信はなく、声も実は小さめでした。
俯いているか、空を仰いでいるか、空想の世界で遊んでいるかでした。

好きでもない人との肉欲、パチンコに依存していました。
相手に認めてもらえると、自分が意味あるものに思えたし、
パチンコで勝つと、何かしら制覇したみたいな陶酔がありました。

アルコール、過食、煙草を体内に摂り入れている時は、
色んなことを忘れられました。

結局、小説も、人に認められたいとか、
その世界に浸って空想を続けていたいとか、でした。
(もちろん、物語を書くことは、大好きですが)

何がしたいのか、と問われたら、
もし仕事を選べと言われたら、
作家ではなく、スポーツ・インストラクターでも、
郵便局でも、教師でも、畳屋でも、牛乳屋でもなく、
今ある「塾」なんです。

新しい子が成績に悩み、すがるようにして来た時、
「大丈夫、成績は上がります。心配しないで
学校生活を楽しんでね」
と、今は言えるのです。

たくさんの子供が巣立ち、また巡り会い、
いつしか彼らから不安の表情は完全に消えます。

「大丈夫」

僕は彼らにそう言うために存在している気がします。
人生には、必ず意味があります。
人はこの世に生を受けた理由が必ずあるのです。

ほらっ、今日も不安げな顔の少年少女が
僕のもとを訪れて来ました。

「大丈夫」
僕はそう言います。
子供の頃、誰も言ってくれなかった言葉、
そして、僕が一番言って欲しかった言葉を贈ります。

「大丈夫」



......これを読んでくださったあなたにも
きっと、生まれてきた意味があるのです。