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チェダーモデルズ社のエンジンキット |
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これはイギリスのチェダーモデルズ社のロングセラーであるパッフインエンジンの材料キットで、大げさに言うと直列2気筒複動首振りエンジンです。 このエンジン用のボイラーはすでに完成していますので、エンジンが出来たらディーンズマリン社のオープンランチ「ヴィクトリア&アルバートII」を作って載せる予定です。 さてその材料キットの内容ですが、加工済みなのは逆転器のコントロールバルブだけで、あとはエンジン本体は真鍮鋳物、シリンダーは砲金鋳物ですが、例によってどちらも鋳型から取り出したままの状態で、それ以上の加工は何もしてありません。その他、ピストンやフライホイール、シャフトなどに使う真鍮やステンレスの丸棒を適当な長さに切ったもの、スプリングやビスなど、一式揃っています。 A3判2枚の詳しい設計図が付いていますが、作り方の記載は全くありません。 これらの材料の中で一番加工が難しいのが鋳物素材です。真鍮の丸棒などの材料なら作りそこなっても代わりはいくらでもありますが、鋳物はそうはいきません。おまけにこのキットはもう何年も前に発売停止になっているのです。
追記 このキットが発売されなくなったのは、同社のパッフインエンジンがモデルチェンジしたためですが、その後チェダーモデルズ社はスチュアート社に吸収合併されてしまいました。 ところが最近になって,旧型のパッフインエンジンとまったく同じデザインのエンジンが、Clydeというブランドで売られていることに気付きました。 http://www.model-dockyard.com/acatalog/Model_Steam_-_Steam_Plants___Accessories.html
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板についたエンジンフレーム |
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製作はエンジンフレームの真鍮鋳物素材の加工から始めることにしました。 それにはまず、どこかに基準面を作る必要があります。当然この場合は台座の下の面ということになり、ヤスリで平に削りました。 これから先は、穴あけ、ミーリングなどの機械加工になりますが、このままの姿では、バイスなどでしっかり保持することが困難です。 そこで、四隅を精確に削った軟鋼材の角板に乗せてクランプし、以後はこのままの状態で、角板の四辺を基準面として加工することにしました。 |
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エンジンフレームの加工 |
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エンジンフレームの加工は、すべて軟鋼材の角板に乗せたままの状態でおこないました。 例えば軸穴は、左の写真のように、アングルプレートを使って横倒しに保持してあけました。 フレームの上端は逆転器になるので、蒸気の出入孔を4つ対角線上にあけるのですが、右の写真はその角度のケガキにロータリーテーブルの目盛を利用しているところです。
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シリンダーの加工 |
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写真の左のように、エンジン本体の加工が済んだので、次は右にある、シリンダー素材の加工に移ります。 この鋳物素材加工の基準面は当然首振りシリンダーの滑り面になりますので、ヤスリで削って平らにしてあります。
追記 まず滑り面を平らに削り、その面を基準にしてシリンダーボアをあけるという加工手順は間違いであったことに後になって気付きました。 開けた穴が、シリンダー素材の丸い外周と同心になっていず、滑り面寄りにずれているのです。でもまあこのずれは見た目に影響するだけだと思ったのですが、組み立ての段階になってそれだけではすまないことに気付かされました。 普通の首振りエンジンでは、首振り軸をスプリングで引いてシリンダーをエンジン本体に押し付けているのですが、このエンジンでは首振り軸とは反対側のシリンダー側面をスプリングで押さえつけるようになっているのです。そしてそのスプリングを保持するアームの内法は決まっているので、シリンダーボア中心のずれはアームとシリンダー外壁との間隔をせばめてしまい、用意されているスプリングがうまく収まらなくなったのです。 それはなんとかしのぎましたが、その後のこのエンジンの性能があまり良くないのは、設計図の読み込みが足りなかったというこの失敗がたたっているようです。
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初めて使う工具 |
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シリンダーブロックは鋳物で不規則な形をしていますから、チャックで掴むというわけにはいきません。 そこで、ずっと前に買ってしまい込んであったキーツのVアングルプレートを初めて使ってみました(写真左)。 これまで面板や四つ爪チャックでの心だしにはセンターファインダーを作って使っていましたが、どうも使い心地が良くありませんので、これは最近買った英国アランド社製のスプリング入りの心だし棒を、これまた初めて使ってみました(写真右)。ダイヤルゲージは、そのプローブの先が心高に来るように作ったホルダーを使って、刃物台で支えています。
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出来上がったパーツ |
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出来上がったパーツをこうして並べてみると、数は少ないし、どれもたいしたものではないように見えますが、作るのはそう簡単ではありませんでした。 まず気になったのはキットの材料の大きさで、チャックでのつかみ代を残した長さだけで必要なパーツを削り出せるのだろうかという心配がありました。しかし、だからといって、その心配のない手持ちの長い材料を使ったりしたのではニッポンモデラーの沽券にかかわるので頑張らなくては・・・・・。 加工で最も気を使ったのがシリンダーやシリンダーの上下のカバー、ピストンとピストンロッドなどを同心に仕上げることです。 これは残念ながら、削りあげた段階での仮組みではピストンがシリンダーの中を滑らかに動かず、ポリッシングコンパウンドを使ってのすり合わせが必要でした。 あとは塗装をして組み立てるだけなのですが、はたしてスムースに回ってくれるかどうか、いささか自信が・・・・・(^^;。
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エンジンの完成 |
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スチームエンジンは別に塗装などしなくても性能には関係ないのですが、カタログを見るときれいに塗られているので、まねをすることにしました。塗るのは鋳物製の部品の鋳肌がそのままになっているところだけです。 下塗りにはマッハ模型のメタル用シールプライマーを、上塗りにはエナメル塗料のタミヤカラーを使いました。 ザラついている面への塗装なので、吹きつけ塗装の必要はなかろうと、筆塗りにしました。 色は既製品を真似ましたが、チェダーモデルズの新しいカタログで見ると、今では濃緑色に塗られているようです。 さて次は、いよいよテスト運転です。 なお、エンジンの大きさはボア・ストロークともに11ミリです。
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回った回った(^^; |
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テスト運転には、すでにチェダーモデルズの材料キットを使って作ってあった、パッフィンバーチカルボイラーを使いました。 組み合わせた置換式給油器とオイルトラップはチェダーの既製品です。 燃料はブタンガスで、キャンプ用のガスランタンやガスコンロに使われている、液化ブタン230グラム入りのボンベから取りました。 ボイラーには16本の炎管が通っているので、点火後数分で蒸気が発生し始め、やがてプシュプシュとエンジンが回り始めました。 蒸気圧が上がるにつれてどんどん回転も上がります。回って当たり前ではあるのですが、ヤレヤレよかった(^^;
このエンジンの製作記はこれで終りといたしますが、このエンジンとボイラーはオープンランチ「Victoria & Albert II」を作って搭載する予定です。 また、続いてタグボート「Imara」用のエンジンの製作に取りかかっていますので、それらの製作記も順次掲載したいと思います。
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