オープンランチ「アフリカンクイーン」の製作


アフリカの女王とは

 1951年にハンフリー・ボガート、キャサリン・ヘップバーン主演で製作された映画に登場する蒸気船の名前で、そのまま映画の題名にもなっています。
 その蒸気船はご覧のような超オンボロ船なのですが、ビリングボート社のキットは建造時の姿を復元したもの、ということでしょう。

キットの中身は

 タグボート「イマーラ」の製作が停滞中なのにオープンランチ2艘にも手を出しているという状況をも省みず、またキットを買い込んでしまいました。
 製作予定のキットをたくさん抱え込んでいるモデラーも多いことでしょうが、私の場合は、歳も考慮しないと、単なる予定で終わってしまう可能性大です。
 余談はさておき、キットの中身はご覧のとおりで、たいへん良くできている製品です。
 全長74センチ全幅21センチ縮尺12分の1のハルは、真空成型されたABS樹脂製ですが、素材の厚さが約0.7ミリしかないので、FRP製のようにしっかりしていず、ヘナヘナです。バルクヘッドやリブで補強されるにしても、少々心もとない感じです。
 射出成型されたプラスチックパーツもあります。
 合板のプリンテッドシートは全てレーザーカットされています。
 驚かされたのは、金属製の小物パーツがアルミ合金やホワイトメタル製ではなく、ほとんどが真鍮の削り出しであることです。
 図面はA1版ほどの大きさで、片面は原寸大の平面図と立面図、もう片面はダミーのエンジンとボイラーの詳しい組立図です。
 インストラクションマニュアルと一般的なモデリングヒント集とがついていますが、前者は6カ国語、後者は7カ国語で書かれていますので、頁数の割には内容は多くはありません。
 なお、それらの言語はデンマーク語をはじめとする西欧語のみで、東洋語はありません。

ダミーパワープラント

 このキットにはダミーのエンジンとボイラーがついていることはカタログの写真で承知していましたが、実際にその材料を目にしていささか面食らいました。
 ご覧いただいているのはその主要部品なのですが、キットに含まれている数多くのプラスチックや金属製のパーツのほとんどはこのダミーのためのもので、ハルに取り付けるものはほんのわずかなのです。
 ボイラーには安全弁や圧力計、水面計や各種配管などがつき、エンジンにはスチーブンソン式のバルブギヤーもつくのです。
 しかもエンジンは、床下に潜ませたモーターを使って、フライホイールを回しバルブギヤーも動かすことができるという凝りようなのです。
 どうやらこのキットは、ワーキングモデルとしてではなく、飾っておくためだけに作られることも考慮してあるようです。
 もちろん私は、と力むほどのことではありませんが、スチームエンジン駆動、しかも首振りではなく、実船どおりスライドバルブエンジンにしようと考えているのですが、はたしてどうなりますことやら・・・
 しかしこのダミー、とくにボイラーは、華奢すぎて実物とはかけはなれているようです。

ところでこの模型の排水量は?

 アフリカンクイーンを見下ろして撮影されたシーンで見ると、ボイラーの直径は船幅の半分ぐらいです。となると模型では約10センチで、ダミーボイラーの直径63ミリでは細すぎます。
 搭載用のボイラーは、ほかのボイラーを作ったときについでに丸めておいた、直径7センチの銅管を使って新しく作るつもりだったのですが、それも細すぎます。
 それではと、すでに製作済みの直径9センチのパッフィンボイラーを載せることを思いつきました。
 しかしこのボイラーは、燃料ガスタンクも含めて重さが2.3キログラムとかなり重いので、これを載せてもだいじょうぶだろうか。
 その判断材料はこの模型船の排水量なのですが、カタログその他どこにも書かれていません。
 そこで、プラスチック製のハルを秤にのせ、喫水予定線まで水をいれて量ってみたところ4ないし4.5キロあるので、まあなんとかなるのではないかと思います。
 ただし、船内の構造は細いダミーボイラーに合わせた寸法になっていますから、かなり変えなければなりません。
 いや、それよりも何よりも、積載量には水面でのバランスを取るためのバラストを積み込む余裕がなさそうですから、作り始める前に、パワープラントをはじめラジコンなどの装備品の配置を十分に検討する必要がありそうですね。

さてエンジンは・・・

 ボイラーはこれでなんとかなりそうですが、問題はエンジンです。
 スライドバルブエンジンにしようなどと言ってはみたものの、初めて作るのですから、自分で一から設計するというわけにはいきません。
 そこで下記の本に図が載っていた、このエンジンを参考にすることにしました。
 ただしこのエンジンは、ボア、ストロークともに5/8インチ(約16ミリ)と、そのままでは少々大きすぎるので縮小します。
 縮めるとは言っても、そのまま相似形にするのではなく、手持ちの材料と工具とに合わせたものに変えようと思います。
 そのためには、まず肝心なスライドバルブの機能と構造とを十分理解しておかなければなるまいと、渡辺、平岡両氏の著書(参考図書の頁参照)を再読しています。

 K.N.Harris : Model Stationary and Marine Steam Engines

まずはシリンダーを

 こういうエンジンのシリンダーには砲金の鋳物を使うのが常道でしょうが、そうもいかないので、手持ちの真鍮の丸棒と厚板とを半田付けしたものを使いました。
 ボアとストロークはそれぞれ14ミリとして作りました。
 14ミリという数値をどこからひねり出したかと言いますと、使う予定のボイラーはボア・ストロークとも11ミリの二気筒エンジンと組んでちょうどよいものなので、一気筒ならばとはじき出した値なのです。
 ところで、シリンダーは作ったものの、そのほかの部分の設計はさっぱり出来ていないのです。つまり、行き当たりばったり方式で製作を進めるので、はたしてどうなることやら・・・

ボイラーが大きすぎる

 行き当たりばったり方式のエンジン製作は、作った部品を組み合わせてみて初めて設計ミスに気付くなど、前途多難ですが、なんとか骨組みまでは出来上がりました。
 そこで、組み合わせる予定のボイラーと並べてみたところ、どうもボイラーの背が高すぎるので、高さを押さえたボイラーを新たに作ることにしました。

ボイラーは出来たが・・・

 ボイラー本体はご覧のように出来上がったのですが、これ用にと作ったガスバーナーが予期せぬ燃え方をするので使い物にならず、あれこれ考えて作り直したりしている有様でなので、ハルの製作に取り掛かれるのはいつになるやら・・・
 (ガスバーナーについては次項で申し上げます)

 さて、このボイラーの仕上げなのですが、映画を見るととくにラギングなどしてありませんので、キットの構成にならって銅の地肌のままとしました。
 百円ショップで見つけた漏斗で作った二段重ねの円錐形の部分は、ステンレスの地肌のままというわけにはいかないので、耐熱塗料で黒く塗りました。この部分は実物に似せるためのもので、実質的な役割はありません。
 実物の煙突は、上のほうに横縞模様がついているようなのですが、どうもはっきりしないので、しばらくはこのままということにしました。

 追記
 やはりボイラー本体と煙突は地肌のままでは見栄えがしないので、その後ボイラーにはいつものようにマホガニーのラギングを巻き、煙突は白く塗りました。

 余談ですが、この映画「アフリカの女王」は色調の保存性の良さで知られたテクニカラーなのですが、色調も何もあったものではないぼやけた映像で、とても模型作りの参考にはなりません。
 はておかしいなと調べてみたところ、「風とともに去りぬ」や「オズの魔法使い」は本来の3色分解撮影による Colored in Technicolor だが、「アフリカの女王」は、タイトルに Colour by Technicolor とあるように、ネガカラーでの撮影後に3色分解処理をした別物らしいのです。
 それはそれとして、ぼやけた映像の原因がもうひとつありました。
 私が買ったDVDは500円の廉価版なのですが、その後NHKの衛星放送で放映された映像を見てエッと思いました。明らかな差があるのです。
 この一事だけで500円ビデオ全体の品質を云々する気はありませんが、廉価版にはそれなりのことはあるということでしょうか。

ガスバーナーは難物だ

 写真左端のバーナーはアーノットボイラー用に作ったもので、具合の悪い点はあるものの実用にはなるので、同じような仕組みでアフリカンクイーン用に作ったのが真ん中のものです。ただボイラーの炎管に使った銅管の余りを利用したので大きさ、とくに長さ(高さ)がかなり短くなっています。
 これをボイラーに取り付けて燃焼させてみたところ、始めのうちはこれまでに作ったバーナーと同じように軽いボーッという音をたてて燃えていたのですが、そのうちにピーッと笛のような音に変わったのです。はておかしいなとよく見ると、バーナーの中全体が赤熱状態のようなのです。
 こりゃいかんとボイラーから外し単独で燃してみて様子がわかりました。
 普通ならガスは、バーナーの中に白く見えている、セラミックマントルの上で燃えているはずなのに、マントルの下、言い換えればバーナーの中で燃えているのです。
 ボイラーを加熱すべきバーナーが自分自身を加熱しているようなものですから、とても使い物にはなりません。
 短い材料に合わせてセラミックマントルを薄くしたことと、熱伝導率のよい銅管を使ったことが原因でバーナー全体が過熱し、炎がマントルを通り抜けて下に移ってしまったのではないかと思うので、長めの真鍮管と厚いマントルで作り直したのが右端のもので、何とか使い物になるようです。
 しかしガスバーナーというものは、仕組みは一見単純そうではあるものの、いざ作るとなると、ことほど左様に一筋縄ではいかないものですね。

やっとエンジンが出来上がる

 取りかかってから何ヶ月もかかって、やっとエンジンが出来上がりました。
 なにしろきちんとした設計図無しの行き当たりばったり方式でしたから、組んでみると、あちらがぶつかる、こちらはつっかえる、などとトラブル続出のうえに、すでに出来上がっている船の積み替え用ボイラーを作り始めたりしているので、製作がはかどりませんでした。
 まだ給油器が出来ていませんので蒸気によるテスト運転はしていませんが、エアーテスト、と言うと聞こえがいいですが、自転車の空気入れで送った空気で回転することは確かめました。

エンジンのテスト運転

 いつものことながら自作スチームエンジンのテスト運転には、はたして回転してくれるかしらという一抹の、いやそれ以上の、不安がつきものです。
 ましてや今度のエンジンは、初めて作ったスライドバルブ式ですからなおさらですが、結果は上々、予期以上の快調さで回ってくれました。
 最初は0.2ミリ穴のガスノズルを使ってボイラーを焚いたのですが、火力が強すぎて怖いような高速回転をするので、こりゃ危ないとノズルを0.15ミリ穴のものに換えてみたところ、ちょうどよい火加減になったようです。
 しかし、ここに写っている小さなガスタンクでは、液化ガスの気化熱によるタンクの冷却の影響が大きく、ノーマルブタンでは、30度を越す気温のもとでも、タンクが冷えるにつれてガスの出が弱くなり回転も落ちてきます。
 そこでノーマルブタンよりずっと沸点が低いイソブタンに換えたところ、エンジンへの蒸気供給量を絞る必要があるくらいの火力を保ってくれました。

可変ピッチスクリュー

 今度作ったエンジンは単気筒で逆転装置もありませんから、これを載せたアフリカンクイーンはそのままでは前進後退停止の操船が出来ません。
 そこで可変ピッチスクリューを作ることにしました。
 左上の写真は下記の本に載っていた可変ピッチスクリューの例なのですが、なるほどこういう可変法もあるのかと、その仕組みをまねて試作してみました。
 スクリューブレードは、ネジを切ってある軸をボスにねじ込むことで保持し、ブレード下端につけたピンを前後に動かして回転させています。
 しかし出来上がってみると、直径4センチという小さなスクリューなのに、ボスが不釣合いに大きくてごついものになってしまいましたので、いずれもっとスマートなものに改良したいと思います。

                        Stan Bray : Model Marine Steam

パワープラントの搭載

 キットの指示に従って組み付けたフレームの一部を改変し、パワープラントを載せ、浴槽に浮かべてテスト運転をしました。
 このハルは横断面が下膨れ形なので排水量が多く、心配していた重量オーバーにはならず、積載量に十分ゆとりがありそうなので一安心。
 次なる課題は可変ピッチスクリューのコントロール法です。
 スクリューピッチを変えるにはシャフトを前後に4.5ミリほど動かせばよいのですが、サーボとの連接をどうするかで思い悩んでいます。

可変ピッチのコントロール

 オープンランチは文字通り上面が開けっぴろげな船なので、ラジコンのサーボを目立たないように隠すのに苦労します。
 可変ピッチのコントロールも、隠しやすいように、なるべくこじんまりとした仕掛けにしたいと、あれこれ考えた結果がこれです。
 ピンとそれを動かす溝との間にある遊びのために、ピッチが中立の位置にピタリと止まらないなど、いろいろと不都合な点があるので、いずれ折りがあったら改良したいと思います。

ラジコン用配線を隠す

 この船は前項で述べたように船内丸見えですから、ラジコン用の配線も目に触れぬようフレームに穴をあけて床下を通すことにしました。
 しかし、そう決めたのは穴などあけてないフレームをハルに接着した後ですから、その穴あけが一苦労でした。
 使ったのは、軸の向きを110度ほど変えられる電気ドリル用のアダプターに取り付けたミニ板錐なのですが、この板錐については「作るために作ったもの」の頁をご覧ください。

やっと完成

 半年以上かかってやっと出来上がりました。
 キットどおりではなく、船尾付近はサーボを隠すため、船首部分は受信機などを置くために変えました。
 受信機や電池などはジンの箱に入れてあります。
 総重量は3.5キログラムで、図面どおりの喫水にちょうどおさまりました。
 まだ風呂桶でのテスト運転しかしていませんが、スクリューの可変ピッチも、多少ぎごちないものの、ちゃんと作動するのでヤレヤレです。
 ハンフリー・ボガートとキャサリン・ヘップバーンを乗せたいので、人形作りに挑戦してみようかなぁ・・・
 

テスト走航

 先ごろ横浜市民プールセンターで行われましたSRBCの走航会で初めて走らせました。
 まあまあのスピードで走り、可変ピッチスクリューも前進後退ときちんとはたらきます。
 しかし、ローリングしやすく、他の船がたてる波に揺すられるとヤジロベエのようにフラフラします。
 軽い船体に重心が高い縦型の重いボイラーが載っているためであろうと思われます。
 喫水の深さは図面どおりなのですが、まだゆとりは十分あるので、両側の床下におもりを積み込んでみようと思います。

もうひとつのアフリカンクイーン

 スチュアートの10Vエンジンをただ回しているだけではつまらないからと、キングストンモールディングス社から最近発売されたアフリカンクイーンのFRP製ハルを買い込んでしまいました。
 全長93センチ全幅27センチ縮尺1/10のハルは、実際に手元に届いてみるとかなり大柄なので、少々たじろいでおります。
 キングストンモールディングス社のハルについているはずの参考図がありません。
 というのは、このハルの設計者がアフリカンクイーンの船内がどうなっているのかについてまだ調査中、というか推定中なんだそうです。
 そこで欲しがっているお客さんにまずはハルを先に渡しておき、図は出来次第送ることにしたのだそうです。

図面が届いたが・・・

 届いた図面は原寸大の大きなものですが、概略が描かれているにすぎません。
 それも無理からぬことで、映画に登場した船についての詳細は公表されていない上に、現存する実物も、その後のオーナーによってハル以外はすっかり改造されてしまっているのだそうです。
 この図は、映画を基にしたものとしてはおそらく最も精密なものだが、今なお調査続行中なので、いずれ何らかの詳細を追加する予定、とのことです。
 同封されていた手紙に、その追加情報が欲しければその旨メールせよ、とありましたのでさっそく返信しました。
 この図で一番知りたかったことはボイラーの大きさです。
 ビリングボート社のキットのボイラーは細すぎるのです。
 図によるとボイラー本体の大きさは直径12センチ高さ13センチと、銅板など手持ちの材料で間に合う大きさです。
 なお、ビリングボートのものと違って、船首部に手動のウインチが載っています。

この船の重心は?

 届いた図面をつくづく眺めていると、ビリングボート社のキットでは気にしなかった疑問点が浮かび上がってきました。
 それはエンジンとボイラーの搭載位置が高すぎるのではないかということです。
 この高さにエンジンを置いたのでは、エンジンのシャフトとスクリューシャフトとを直結させられそうもありません。
 重いボイラーも高い位置にあるので船の重心も高くなり、これでは不安定でローリングしやすいものになりそうです。
 ここに挙げた映画のシーンでみても、エンジンボイラーともに舷側からかなり上に突き出しているだけでなく、喫水も大変浅いので、はたしてこの状態で安定した航行が出来たのかしらと疑問に思います。
 この疑問は、撮影に使われた船のエンジンとボイラーはダミーで、実際には電動であったということで解けました。
 しかし、これから作る模型のエンジンとボイラーはダミーではありませんから、映画に登場する姿からは遠ざかりますが、もっと下げて取り付けるつもりです。

ボイラーが出来ました

 ボイラー本体はいつものように銅製ですが、上にのせた飾りの部分は100円ショップで買ったステンレス製の平皿や漏斗などを組み合わせて作りました。
 ステンレスは加工しにくく、とくに厚みのある平皿は切ったり削ったりに手こずりました。
 このボイラーはやや大振りで水も1リットル近く入るので、蒸気上げまでにかなり時間がかかります。燃料はブタンガスです。
 組み合わせるスチュアートの10Vエンジンの標準仕様のフライホイールは手前に置いてあるものなのですが、船に載せるには大きすぎるので小振りなものに作り替えました。
 スチュアートには船用のフライホイールの鋳物素材も用意されているのですが、わざわざ取り寄せるまでもなかろうと、手持ちの端材を削って作りました。

圧力計と安全弁

 ボイラーの形だけでなく付属品も映画の船に似せようと作りました。
 模型では、圧力計の下の円盤は見せ掛けですが、安全弁は実際に作動します。そして注水口の蓋を兼ねています。
 映画では水面計の下に排水コックがついていて、そこからお湯を出して紅茶を入れたりしているのですが、模型の水面計はダミーではなく相対的に大きくなり、排水コックは付けられませんでした。 
 煙突に付いている汽笛のダミーは作れますが、そんなことをしていると本体の製作が進みませんので、先送りにします。 

ウェザリング

 キングストンモールディングスのサイトに作例が載りました。
 イギリスのモデラーでしょうか、Steve Betneyさんの作品だそうです。
 パワープラントは自作かどうかわかりませんが、既製品だとすると、ボイラーは水面計の様子から見てドイツのヴィレスコの製品をモディファイしたもの、エンジンはチェダーのV型2気筒ではないかと思われます。
 ウェザリングが見事です。
 鉄道模型を対象にしたアート・オブ・ウェザリングという本によると、ウェザリングの基本はまず実物をよく観察することだそうです。
 しかし私は、映画撮影に使われたアフリカンクイーンはもちろんですが、オープンランチそのものだってウインダミア・スチームボート博物館でチラッと眺めたことがあるだけなのですから、話になりませんね。

もうひとつの可変ピッチスクリュー

 今度はラックピニオンを使ってスクリューブレードを回転させることにしました。
 ブレードは、前に作ったものと同じように、ネジを切った軸をボスにねじ込んで保持しています。
 そしてその軸の付け根に短く切ったピニオンが取り付けてあり、それに噛み合ったラックを前後させてブレードを回転させます。
 使ったピニオンはモジュール0.3、歯先円直径4.8o、歯数14のもので、ラックを3.5o動かすとブレードが90度回ります。
  スクリューの直径は55oです。
 なお、ラックピニオンはリンク集の材料等の販売店に挙げたオリジナルマインドから買いました。

風呂に浮かべてテスト運転

 パワープラントとラジコンを組み込んでみたところで、風呂に浮かべて作動させてみました。
 例によって開けっぴろげなオープンランチですから、目に触れないようなところにラジコン装置を取り付けなければならず、サーボの扱いが面倒でした。
 可変ピッチコントロール用のサーボは床下に寝かせましたが、ぎごちないものの何とか作動します。しかしその信頼性は実際に走航させてみないとわかりません。
 この船の舵の軸はトランザムの外にすっかり露出しているので、サーボとの連結も簡単にはいきませんでした。
  このボイラーは大振りでガス消費量もやや多いし、専用のガスタンクを作るのも面倒になってきたので、230グラム入りのブタンガスボンベをそのまま積み込むことにしました。
 船尾部にある長方形の黒っぽいものはバラスト用の鉄板です。

背の低いガスバルブ

 230グラム入りのガスボンベをそのまま積み込むことにしたものの、既製品のガスバルブでは頭がデッキにつっかえて入りません。
 やむなくツマミを横向きにして高さを押さえたバルブを自作しました。

とりあえず完成

 なんとか走らせられる姿になりましたので、初走航のために石神井池でのSRBCの納涼走航会に参加しました。
 めでたく走り回らせることができたのですが、その様子はご覧いただけません。
 なぜなら、左手に送信機を持ったまま、重いカメラを右手だけで支えると言う不安定な姿勢に加えて、歳のせいでしょう、前項のような写真を撮るための絞り優先設定、そのためスローシャッターのままで、おまけにせっかく付いている手ぶれ補正機能もオフで写したのですから、とても見せられたものではないのです。

やっと船名が入りました

 ビリングボート社のキットにはAfrican Queenという船名のデカールが入っていましたが、今度のハルには何もついていません。
 そこでインスタントレタリングを使おうと何店かで尋ねましたが扱っていないとのこと。
 どうやらパソコンの普及によってインレタの需要は消滅したようで、受注生産はありますがとても高価です。
 やむなくワープロ時代の熱転写プリンター用の透明ツヤ消し粘着テープで代用しました。
 船名が入ったところで市内の公園の池へ走らに行きましたが、穏やかな晴天の日曜の午後なのに人影はまばら、たまに通りかかるのは模型にもラジコンにも全く関心のないお年寄りばかり、つまりギャラリー無しで、SRBCの本拠地石神井池とは大違いでした。


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