ドアロック事件


これもまた旧聞になりますが、うちの240を語る上で外せない事件のひとつです。ちなみに、いわゆる「キーのとじ込み」という類のなま易しい話ではありません。

買ってから1年ほど過ぎたころでしょうか、「そろそろうちのクルマのカセットステレオもCDにしたいよなぁ」などと思い始めました。そもそも当初はCDチェンジャーがついていたらしく、荷室には取りつけていたと思われる穴まで開いていました(多分事故時に壊れたため取り外したのでしょう)。

最初はカセットアダプタを使って「クルマキノコ(ディスクマン)」で聞いていたのですが、音とびが激しく、ディスクの入れ換えも面倒だし、カセットアダプタがシャーシャーと嫌な音を出すので評判が良くない状態でした。そこで、何とか直結できないか、と思ってカーステ本体を引っ張り出して配線をガサゴソといじりはじめたという訳です。

まず、驚いたことに、カーステの奥から枯れ葉が沢山でてきました(笑)。どうも事故後、ろくでもない状態でしばらく放置されていたとしか思えません。これはこれで笑える逸話ですが・・・そして、なぜか別体のパワーアンプまで出てきました。しかも配線だけ後ろにうねうねと伸びているのに結局本体に繋がってない。どうもあやしいものです。

ともかく、私は「音圧協会」の会員ではないし、カーステなんて程ほどに聞こえれば良いという質ですからこんな使ってないパワーアンプなんてものはさっさと外してしまいました。その時、カーステ側の電源から分岐する形で配線されていた電源コードも撤去しました。そこで、ちょっと疲れたので休憩するか、と思って窓を開けたドアに腕を掛けてもたれようとしました。その時!

「断!」

という大きな音がして、ドアロックが全部締まったのです。「ロックノブを腕でおしたんでしょ?当たり前だよ」と思うでしょう?それが当たり前ではなかったのです。うちの240は、それまでドアロックの連動はなかったのです。私はそれまでロック連動のクルマに乗ったことがなかったし、買った当初から「そういうものだ」と思い込んでいました。それが突然一斉に締まったのだから驚くわけです。

いろいろと考えが頭をよぎりました。「待てよ、今パワーアンプを外してこうなったということは、電源関係でパワーアンプに電流を食われてこれまでまともに動かなかったドアロックが使えるようになったのではないか?」これは素晴らしい!こんな便利な機能を今まで知らなかったのは腹立たしいが、あるのはそれはそれで良いことだ!ということはもちろん、外から鍵を掛ける時も全部連動だ。これは助かるぞ・・・やってみよう!

「・・・動かんやんけ。」

外から鍵を回してもうんともすんとも言わないのです。何でやねん??おかしいな、ということは、配線か何かのトラブルか?さっそく調べるため、ドアの内張りをひっぺがしてみました。ドアのキーシリンダーには、ドアロック用のスイッチが取りつけられていて、キーを回すとドアロックソレノイドを動かす回路がオンオフされるようになっています。ので、まずはその配線自体を短絡してみてチェックすれば、配線が悪いのかスイッチが悪いのかが解るという訳です。

結果は、配線は無罪でした。となるとキーシリンダースイッチです。さっそくコレを取り外し、よくよく観察してみました。

これが、後に入手した「正常な」キーシリンダーとスイッチ。矢印の部分が爪と、その受け側の部分(接点)です。

 

と、妙なことに気づきました。キーシリンダー側には、スイッチの部品を回すための爪があって、それがキーの動きに連動して動くようになってます。しかし、どう見てもスイッチの方にそれを受ける為の部品が見当たらない。これではどう頑張ってもスイッチが作動するわけがないのです。

普通、ここまでやる前に車屋に文句を言いに行くか、直してくれと頼みにいくでしょう。で、ここまでやったとしても、「じゃあこのスイッチを部品で入手して交換するか」となるでしょう。しかし!「超貧乏性」の私はそう簡単にはものを買いに行かないのです(笑)。スイッチを分解することにしました。すると・・・

「・・・接点がないやんけ。」

接点パーツがないのです。スイッチの要、配線同士をつなぐ接点がないことには始まらない。やっぱり駄目か・・・と諦めかけました。が、しかし不屈の「貧乏性」が私を奮い立たせました。

「無いモノは作るしかないか。」

というわけで、接点用に使うリン青銅板をなぜか持っていたので、それとハンダごて、はさみ、カッターなどと格闘を始めました。何時間かかったでしょうか・・・何個試作品を作っては壊したでしょうか・・・よく憶えてませんが、多分半日ぐらいやってたと思います。ついにまともに動作する接点が完成しました!!

期待にどきどきしながら、さっそくこれをドアにとりつけ、配線します。そしておもむろにキーを差し込み、回すと・・・

「断!」

(T_T)感涙のひとときでした(笑)。このキースイッチは、それからずーっと使い続けてますが、まだちゃんと動作し続けています。


リモコンドアロック

さて、しばらく集中ドアロックの便利さに酔いしれていた我が家ですが、そのうちに世の趨勢はすっかり「リモコンドアロック」に移っていました。最初のうちこそ「フッ・・・あんなのギミックさ」とカッコをつけていた私も、本音では「うーむやっぱり便利そうやなぁ・・・」と考えるようになってきました。せっかく配線もあるんだから、市販のキットを買ってきてつければいいだけだし・・・

しかし、問題がひとつありました。それは、運転席側のドアにはソレノイドが付いてないということです。なぜかというと、普通の集中ドアロックでは、運転席側のドアのキーを手で回すことでスイッチを作動させるため、そのドアにはキーを駆動するしかけが必要ないのです。ということは、このままリモコンドアロックのキットを組み込んでも、運転席のドアだけやっぱりキーを使って閉めに行く、という非常にまぬけなシステムになってしまう・・・

実際、会社の同僚のY君(ハイエース)はこの件で非常に苦慮したあげく、左側のドアロックを解体パーツで入手し、苦労して内張りを加工して何とか取りつけた、という苦労話を聞かせてくれました。

幸いなことに、240の解体車が長野で出た、という情報が舞い込み、友人等が部品取りツアーに行くことになりました。当然私も行きたかったんですが多忙にてならず、メンバーのK氏に「ソレノイドをよろしく」とお願いしました。なんと有り難いことにK氏はソレノイドだけでなく、リンク用のロッドやクリップなど周辺の「細かいが無いと困る小物類」をしっかり取ってきてくれました。どうやら240ではソレノイドは左右共通に設計してあったようです。

あとは、リモコンキットを買うだけ・・・・

そこで、イエローハットで見かけた「ドアロッ君」とか言う、関西人の血を騒がせるベタなネーミングの商品を試してみることにしました。なにせ「接点一個をけちる男」ですから、もうこれは大変な決断で、何度も嫁はんに「失敗するかもしれんが、後悔するなよ」と断って買いに行きました(笑)。ちなみに、1万円台の後半でした。

これがドアロッ君の受信制御ユニット。メーターを外して見せていますが、実際の取り付けにはメーターを外す必要はありません。

さて、取りつけの方は無事に終了・・・とは成らず、一度ならずも二度までも配線を間違え、ヒューズを飛ばしまくるという大失態を演じたあげく、ようやく勘違いに気づき(本当は全くのケアレスミスでした)、三度目でようやく完ぺきに動作するようになりました。うれしくて当時住んでいたアパートの部屋から「ぴっ」とやっては

「断!」

「むふふふ・・・」と夫婦でよろこびを分かち合うのでした。その後、子供をかかえ、買い物の荷物も抱えて両手がふさがっているときでも手に持ったリモコン一つで「ぴっ」とやれるので、嫁はんは大いに喜び、私のポイントが大アップしたのは言うまでもありません(笑)。

各メーカーの標準装備品では赤外線式のものもあるようですが、障害物があると届きにくかったりして苦労すると言う話も聞いたことがありますが、この「ドアロッ君」は電波式なので、結構離れたところからでも操作できます。家の中からでも届くこともあります。やはりこの便利さは一度味わうとやめられませんね・・・

しかし、最近は軽自動車でも当たり前のようについていたりして、ちょっと有り難みが薄れているのも事実ですね(笑)。

参考資料:240集中ドアロック回路図
メ−ルにて、ドアロックの取り付けについて教えて欲しいという問い合わせが時々あるので、この際だからとドアロックの回路図を書き起こしました。原典はもちろんHaynesマニュアルですが、見やすいように随分書き直しています。参考にしてください。


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T.Sueishi Last updated 2001.05.08