フロントハブベアリングのグリスアップ
240も約3年半を過ぎ、車齢も8年を越えて来ました。しばらく前から「そろそろハブベアリングのグリスアップをしないとな・・・」と思っていたところ、走行中にクルマの右側から「ゴーッ」という異音が出るようになってきたのです。
異音がどこからでているのか、というのはクルマの中で聞いていると結構判りにくいものです。私も最初はこの音がどこから来ているのか判別に苦しみました。どうも後ろから鳴っているような気がしたのですが、確証が得られません。もし後ろだったら、リアのベアリングのグリスアップはフロントに比べかなり面倒なことになりそうなので、どうしたものかと思っていました。
しかし、普段後ろに乗っている嫁はんが運転した時に「後ろにいる時より音が大きい」と訴えたのが決め手になりました。フロントハブがどうにかなっているに違いない、と。まずは一か八かで右側を開けてみました。というのは左側は事故っているのでハブは多分事故当時に新品になっているだろうと踏んだからです。
ディスク固定ピン2箇所
まずはホイールを外し、ブレーキキャリパーを固定している裏側の2本のボルト(非常に固い)を緩めて外します。キャリパーを外す前に、ブレーキパッドをグッと拡げて透き間を開けておくと作業しやすいでしょう。キャリパーにつながっている配管に多少無理を掛ける状態になりますが、写真のように後ろによけた状態で紐などでぶら下げておきます。
ブレーキディスクを固定している2本のボルトを緩めるとディスクは結構簡単に外れます。
ハブキャップを外す
ディスクを外すときには、脂ぎった軍手などでディスク表面を触らないように気をつけましょう。それからハブキャップをマイナスドライバーなどでコジッて外します。ハブキャップはアルミ製なので、無理に叩いて変形させないように。
ハブキャップを外すと・・・
ハブキャップの裏はグリス溜まり状態。グリスに埋まったロックナットを掘り出すと、この写真では良く見えませんが、、ナットはクラウンナットと言って「王冠」のように溝が切ってあり、そこを貫通するような形でシャフトとの間に割ピンがさしてあり、しかもその端を折り返してあります。
外した割ピン。
割ピンはなるべく綺麗に伸ばさないとなかなかうまく外れません。ちなみに本当はこのピンは使い捨てることになっていますが、いちいち新品を買いに行くのが面倒なので使い回してしまいます(良い子は真似しないでください)。


ロックナットを外すと、アウターベアリングが露呈します。ベアリングは入れてあるだけで、簡単に外れます。
ハブを取り外します。
ハブはガポッと外すことができます。
リテーナー。
インナーベアリングは写真のようなリテーナーリングでもって簡単には外れないようになっています。これもドライバーなどでコジッて外しますが、変形させないように気をつけて、なるべく均等に力がかかるようにしましょう。
インナーベアリング。
リテーナーを外すと、インナーベアリングもカポッと外すことができます。こちらは明らかにアウターベアリングに比べ周囲のグリスが劣化しているのが解りました。しかし、良く見ると問題はそういう事ではなかった・・・
こっ、この金属の薄片は・・・!!
ブレークリーンでグリスを洗い流していると、出るわ出るわ、メッキの表面が剥がれたような金属の薄片が次から次へとベアリングから出てくるではないですか。よくまぁこんな状態で走っていたものです。ハブ側のベアリングの当たり面もボコボコになっていました。寒気がしますね。
グリスアップ中
普通ならここで迷わずベアリングはもとよりハブまで交換!となるところですが、例によっていちいち注文にいくのが面倒でしょうがない私は、そのまま徹底的にベアリングを清掃し、新しいグリスを詰めて良しとしてしまいます(真似しないでください)。
その効果はてきめんでした。異音はほとんど消え去り(やはり完全ではなかったものの)、走り出しのクルマが「軽い!」と解るほどでした。逆にいうとクルマが重く感じられるほどハブに抵抗が掛かっていたわけで、全く恐ろしいことです。
しばらくこの状態で我慢していましたが、結局数カ月後に上手い具合に解体車から健全なハブ&ベアリングをゲットし、無事マトモな状態に復帰することができました。結局原因は単にベアリングのメッキの劣化だったと言えますが、このベアリング単体の問題だったのか、同じ事がまた起きるのか、ちょっと不安ですよね。
T.Sueishi Last updated 1999.03.27