伏線を使う理由
小説の書き方で重要な点の一つに、作品中に伏線を含ませる、があります。これを簡単に説明しましょう。分り易いように推理小説を例に挙げます。推理小説で重要な点は、最後に犯人を当てる事ですね。この犯人が例えばそれまでの小説上でかかれていない人物だったら、推理小説になりませんね。
推理小説は誰が犯人なのか、を推理し楽しみながら読むものです。ですので、それまでに登場していない人物が犯人だと、その小説は駄目小説と判断できます。
これと同じ理由で重要な場面にそれまで登場していない人物が突然現れると、読者は興味を削がれます。これは重要な場面になるほどその傾向が強くなります。ですので読者の興味を削がない為に、その前に必要となる人物を登場させるのです。
もちろん伏線を含ませるのは人物だけとは限りません。例えば、凶器であったり、宝物であったり、あるいは出会いの場所そのものが伏線になる場合もあります。ここで重要な点は、読者に伏線である事が分らないように書くことでしょう。
読み進むうちに自然と頭に浮かぶ程度、でよいと思います。また、伏線は一度だけとは限りません。最初は殆んど分らない程度、その次はやや印象に残る程度、重要な場面の前に、強い印象が残る程度。そして重要な場面で衝撃を覚えるように登場させます。
そして肝心な事は小説のストーリー上でどの人物(物)が一番重要な点か、言い換えると読者に感じて欲しい何かを一番重要な点と定め、それに対して伏線をどのように入れていくか、十分に考えておく必要があるでしょう。
さて、プロットに書く場合の注意点を紹介しましょう。ふつう、プロットを作成していくと、必ず途中で伏線の入れ忘れに気づきます。その時は、その場面の前に伏線を表現できる点を探し、自然になるようにプロットを書き換えながら入れます。あまり深く考えないようにしましょう。
例えば、プロット例その2とその3で説明しましょう。
プロット例その2の最初の部分は
◆ 主人公はタクシーの運転手
◆ 財布を拾う
と続いていますが、プロット例その3では次のように変わっています。
◆ 主人公はタクシーの運転手「名前 篠塚 富雄」
◆ 仕事中に同僚と出会う「同僚の名前 山岡芳信」
◆ 財布を拾う。中身は十万円
変わった部分は明瞭ですね。ただ文章を増やしただけに過ぎません。ですがこれで伏線を入れる要領はお分かり頂けたと思います。プロットを仕上げていく過程で、ストーリーを変えるのは簡単な事なのです。伏線が必要だと感じた時はすぐに書き換えましょう。
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