☆★☆★ 実例(エピソード)に学ぶ助成金 ☆★☆★

----第2号 H14/5/23発行----
このメールマガジンでは、助成金に関連して私が関与した企業様
のエピソード(事例)を通して、厚生労働省管轄の助成金制度の
活用の際の注意点やポイント等を皆様にお伝えしていきます。

         発行:末續社会保険労務士事務所
            http://homepage2.nifty.com/suesin/
 
==目次===================================================
1.助成金改正情報
  〜介護人材確保助成金の支給申請時期の変更(4月〜)
2.実例(エピソード)紹介
  〜川崎市の卸売業K社様

==本編===================================================
1.助成金改正情報

★★介護人材確保助成金の支給申請時期の変更★★

 前回、創刊号でも少々触れましたとおり、この4月〜介護人材確保
助成金が定額制に変更になりましたが、4月以降、支給申請時期につ
いても若干の変更がありました。
(社労士の方等、同業者の方以外にはあまり関係がないかもしれませ
んが…)
 以前は雇い入れた介護人材の賃金の1/2を助成するという仕組み
であったこともあり、3ヶ月毎に支給申請をするという結構面倒臭い
ものだったのですが、4月以降は一律90万円(短時間労働被保険者
は25万円)に変わり、ひょっとしたら雇い入れてすぐに支給される
仕組みになるのかな、と若干の期待をしておりました。
 と、つい先日、とある企業様の計画申請に赴きますと、何のことは
ない、「3ヶ月毎に支給申請」→「6ヶ月毎に支給申請」に変わった
ということでした。
 社労士からしますと支給申請回数が単純に半分になりますので、多
少手間が減るということもできるのかもしれないのですが、企業様か
らしますと、初回の支給がこれまでより遅くなってしまうということ
になります。雇い入れ〜7、8ヶ月後に第1期分(45万円)が振り
込まれるという形になるかと思います。


2.実例(エピソード)紹介
 ちょっと前のお話になりますが、2月後半のお話を一つ。
 保険会社様の紹介で、川崎市で卸売業と建設業を営む社長様に、助
成金の説明に伺いました。
 同社長様の経営されている会社の概要はざっくり以下のとおりです。
 ・卸売業K社 … 創業80年、従業員数約90名
 ・建設業S社 … 創業30年、従業員数約40名

 いずれの会社も事前のアンケート上、「継続雇用定着促進助成金」
の受給可能性が高く、従業員数もある程度まとまった数であるため、
年間150〜180万円×継続雇用年数分(1年〜5年)の助成金が
受給できるかもしれないということで、勇んで出掛けました。
 ただ、気になる点が1点。「定年年齢が58歳」とあったのです。
 ご存じのとおり、この助成金には、「就業規則に60歳以上の定年
が定められていること」なる要件がありますので、もし就業規則上、
定年年齢が58歳になっていると、これを修正しなければなりません。

 さて、訪問後、「現在有する再雇用制度について、会社選択→希望
者全員を再雇用する制度へ変更する必要がある旨」「受給見込額」等
ひと通りの説明を終えますと、社長様もかなり乗り気です。
 あとは、アンケートでは確認できなかった細部の確認をさせていた
だく段ということで、いよいよ現行の定年年齢の確認をさせていただ
いたのですが…。やはり就業規則上もばっちり「58歳」になってお
り…。
 助成金云々はともかくとして、現行労働法制上も60歳未満の定年
は認められない旨、また、仕事を続けたかった従業員の方が58歳定
年で退職せざるを得ず、その後、地位保全等の訴訟を提訴した場合、
100%会社側が敗訴することはもとより、その間の賃金や慰謝料、
弁護士費用等、無用な支出を生むこととなるリスクがある旨(和解す
るにしても和解金等が発生するでしょうし…)その他諸々の説明をし、
何はともあれ早急に就業規則の変更を行うようお願いしました。
 社長、「定年年齢は以前から気になってはいたんだけど、でも去年
    (平成13年)の秋に労基署に就業規則の変更届出をした時
     には、そんな事は何も言われなかったよ。」
 私、 「………」
    「労基署がその場で確認するのは、おそらく変更部分につい
     てのみでしょう。全部をcheckするという訳にはいか
     ないでしょうし…。」
    「ただ、何かの時に労基署が貴社の定年条項を目にした場合
     には、必ず是正勧告が入ると思いますよ。」  
 そんなこんなで何とか説得し、定年条項を現行法制に合わせる形で
変更する方向で話しがまとまりました。

 問題はここからです。
 社長としても、定年年齢の変更等を行うからには、助成金もしっか
りと受給していきたいと考えておられたのですが、助成金制度の改正
との関係で、すぐに受給するには少々急がなければならない状況があ
りました。
 当該訪問日(2月後半)現在、当助成金を受給するには、
 「60歳以上定年を定めた  1ヶ月以上空けて 「再雇用制等
  就業規則の労基署への届出」    →      の導入」
というSTEPで対応することが必要でしたが、
 平成14年4月以降は、
 「60歳以上定年を定めた   1年以上空けて 「再雇用制等
  就業規則の労基署への届出」    →      の導入」
というSTEPで対応しなければならないことが分かっていました。
 すなわち、同社が改正前スキームで助成金を受給するためには、
2月中に定年年齢を60歳に修正し、同就業規則を労基署へ届け出、
1ヶ月を空けた3月後半以降に再雇用制等を導入することが必要で
あった訳です。

 私、「この1週間で早急に対応すれば、助成金をすぐに受給でき
    ます。私の方でもスケジュールを調整して対応しますので
    早急に対応しましょう。」
 社長「でも、就業規則を変えるにゃ、役員会にかけなきゃいけな
    いし、2月中っていうのはちょっと厳しいなあ…」
 私 「ですが、定年年齢を60歳にするというのは法定事項に合
    わせるだけのことですし、役員会等は必要ないのではない
    でしょうか?」
 社長「そんなに急がなくても、制度がすぐになくなる訳じゃない
    し、来年にはもらえるんでしょ?」
 私 「それはおっしゃられる通りですが、助成金制度は改正が頻
    繁に行われますし、金額等は変更されるかもしれないです
    よ。」
 というようなやりとりの末、結局、このタイミングでは助成金の
申請は行わないこととなりました。
 一応、このお話はここまでで。

《教訓》
 同社訪問時点で、4月以降、前述の申請スキームの変更について
の情報が出ていたのですが、併せて行われた金額変更(減額)に
ついては、まだ「変更になりそうだ」という不確定情報(うわさ)
が流れているというのみでした。
 実際には、3月初旬に金額の改正情報が公表されたのですが、
時既に遅しでした。
 この会社様では、65歳までの定年延長をした場合(最大で)、
 従来制度 → 180万円×5年×2社=総額1800万円受給
 現行制度 →  90万円×5年×2社=総額 900万円受給
というように、受給額(見込み額ですが)が半分になってしまうとい
うこととなりました。
 同じ制度を入れても、受給金額にこれほど大きな差異が生じる場合
があるということです。
 
《まとめ》
 繰り返しになりますが、助成金制度は頻繁に改正されます。この例
のように金額変更となるもの、制度自体がなくなるものもあります。
 改正、改悪の双方があるのは勿論ですが、現在の流れとしては全体
として縮小方向にあると言えるのではないかと思います。
 ついては、「今受給できるものは今受給していく」というスタンス
が大切ではないでしょうか。
 当方をはじめ、社会保険労務士は助成金制度の改正等情報に敏感で
すので、是非とも情報収集の一助としてご活用下さい。
 助成金最新情報等は、当方HPhttp://homepage2.nifty.com/suesin/
をご参照下さい。

【編集後記】
 5月21日に仕事の間隙を縫って、割合近所である川崎は東扇島に
堤防釣りに行ってきました。夕方〜夜にかけての数時間でアナゴが2
尾。大きさもまずまずで久しぶりに美味しいてんぷら種となりました。
(雨の中だったのですが…)

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
神奈川県川崎市多摩区菅馬場3-1-12
末續(すえつぐ)社会保険労務士事務所 所長 末續 信吾
URL   http://homepage2.nifty.com/suesin/
MAIL  suesin@nifty.com
★配信停止は以下のいずれかからお願いします。
 http://www.mag2.com/m/0000089885.htm
  http://homepage2.nifty.com/suesin/mailmaga/mailmaga.html
★当事務所での相談(初回のみ)については無料で対応させていただ
 きますが、メールでの相談については、回答作成に非常に時間がか
 かること、また不確定要素の多い中での回答になってしまうことよ
 り、恐縮ですがご遠慮下さい。
★情報には正確を期しておりますが、当メールマガジンの情報を利用し
 たことによる損害等についての責任は負いかねますのでご了承下さい。
★掲載情報の無断転載を禁止します。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

--------------------------------------------------------------
このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用
して発行しています。
--------------------------------------------------------------