プロフィール
決意
やりません!
公約と進捗状況
理論的支柱
問題・課題・懸案
6. 学校給食
食教育について
学校給食の重要性
米飯給食1
自校調理方式と共同調理方式の比較
食器の問題「先割れスプーン」1
学校給食法
川口市の学校給食の方針
学校給食運営審議会
民主的な審議会か?
(財)川口市学校給食協会について
(財)川口市学校給食協会の役員、委員及び職員に関する事項
学校給食運営審議会の視察報告です
仙台市と川口市の学校給食の比較
献立や食材に手間をかけているか?
食器2
衛生管理
市民参加、食教育
H18年度 第1回学校給食運営審議会
学校給食の運営体制と実施状況
私が考える学校給食の課題
審議会
(財)川口市学校給食協会
米飯給食2
自校調理方式とセンター方式
食器3
給食費
食教育について
アトピー性皮膚炎や肥満、糖尿病、高脂血症等、子どもの健康問題が頻繁に話題になります。その原因に食生活があることを疑う人はいません。また、学力低下、集中力の欠如、問題行動等、様々な医療機関から食生活に関係しているとの調査結果が発表されています。食生活がいかに重要な問題であるかを物語っています。
東洋医学では医食同源と言うように、食は生活に大きな影響を与えることを私たちは再認識しなければなりません。
それゆえ、「食教育」の必要性が叫ばれています しかし、そこには具体性が見えてきません。実際にひどい食生活をしている家庭があったとしても、それを指導することは容易ではありません。
その一方で、食糧・農業問題も耳に入ってきます。食料自給率はカロリーベースで40%、米の生産調整は37 . 5%にもなってしまいました。このままでは稲作農業は終わってしまいます。それに対して農水省や農業団体などは「米の消費拡大」の広告宣伝ために大変な予算を使っています。しかし、米の消費は少しも増えませんし、食料自給率も向上するきざしが見えてきません。
学校給食の重要性
これらの問題を解決する具体的方法として、1000万人の子どもたちが食べる「学校給食」があると考えます。学校給食ほど最良の「食教育」の場はありません。しかし、実際には子どもたちにパンを食べさせながら、米の消費拡大の広告宣伝に莫大な予算を使っているのが現状です。
私は「食教育」の重要性を知っていただき、国や自治体が財政的な裏づけを行い、教育現場でも一つの教科として扱う位に組織的な対応をしていただきたいと考えます。現状は、一部の心ある方々が苦労されながら対応されているという感じで、はなはだお寒い状況と言えます。
様々な医療機関から、食生活の悪化が原因と思われる学力低下、集中力の欠如、問題行動等が報告されています。中でも朝食を食べないことが生活のリズムを崩し、授業の大半を占める午前中をだいなしにし、生活リズムが半日ずれることで夜型の生活が常態化し、非行に走らせる要因となり、それが翌朝に影響するという悪循環を生んでいます。
毎年市内の小中学校の13校で実施しているアンケート結果は、考えさせられるものでした。朝食を抜いている小学生は、平成11年21 . 9%、平成12年16 . 2%、平成13年21 . 8%、平成14年21%と約2割の生徒が、中学生では、平成11年度31 . 5%、平成12年度33 . 3%、平成13年度31 . 9%、平成14年度33 . 9%と、なんと3割もの生徒が朝食を抜いています。毎日常に欠食しているのではないでしょうが、ゆゆしき状況にあるのは間違いありません。食事の内容まで調査すれば恐ろしい実態が浮かび上がるような気がします。食生活の歪みを正すことは、教育現場で何よりも優先するべきでないでしょうか?
米飯給食1
米飯給食は食糧戦略上、食教育上とても重要だと考えます。戦後、米国は自国の麦が大量に余り、戦後復興支援政策として敗戦諸国をマーケットとして位置付けました。特に日本に焦点を絞ったことは、米国政府の関係資料で明らかです。麦の代金後払いを認め、回収した代金の一部でパン食普及を推進するため「キッチンカー」を走らせました。この車は、諸先輩もよく御存知の事と思います。栄養不足の子どものためにと大義名分の影に米国の巧みな穀物戦略があったこと忘れてはなりません。将来の需要拡大を期待し子どもたちの食習慣を変える目的でパン給食をすすめたことも、当時のGHQ資料に記されています。このことから食教育がいかに重要かということがわかります。日本はそれを真に受け、栄養学の分野で、日本食は劣っていると評価し、欧米の高蛋白、高脂肪、高カロリーの食事をもてはやしました。学校給食ではカロリーを維持し、栄養素を維持することにばかり焦点をしぼり、パンに皿うどん、パンにカレーシチューに牛乳、牛乳にごはん、まともな家庭の献立ではありえない組み合わせがいまだに存在します。どこの国の食事なのか理解に苦しむ「無国籍料理」が存在するのです。栄養学がたどったこのようなありようについては、反省をしてもらわなければならないと思います。
川口市は週2回米飯給食を実施しています。私は少ないと考えます。埼玉県教育委員会発行の平成14年度埼玉の学校給食の資料によれば、埼玉県内で週2 . 5回以上実施している学校、すなわち川口市よりも米飯給食の多い学校は、1309校中、1015校79 .1%にあたります。川口市よりも米飯給食が多い学校が県内に80%もあることを認識していただきたいと思います。児童数、生徒数の加重平均でも週2 . 65回になります。ここでも川口市は平均にも満たないということになります。今後米飯給食を増やすことを求めます。
自校調理方式と共同調理方式の比較
どなたも自校調理方式が好ましいという認識は一 致していると思います。
私は先日、市内の小中学校がすべて自校調理方式で有名な春日部の学校を数校視察しました。明らかに給食の質がいい、おいしいと実感しました。
埼玉県の市だけを見れば、自校調理方式の学校は39市中、12市が該当し約30%です。具体的には草加市、鳩ヶ谷市、志木市、和光市、新座市、桶川市、飯能市、坂戸市、深谷市、春日部市、蓮田市、幸手市等があげられます。
共同調理方式のデメリットは、輸送という制約が総てに影響し、調理時間の制約を受ける、そのため加工品の利用が増える、輸送中に温度が下がる、衛生管理が難しい等があります。作り手の問題のみならず食べる側にもデメリットがあります。県内の市民団体が調査した所沢市内の小学校の残さいデータを入手しました。その中で共同調理方式は、自校調理方式に比べ残さいの量が多いという結果が出ています。川口市における自校式と共同調理方式の残さいの量は2倍も違う結果が出ています。
経済性では自校調理方式は割高という先入観がありますが、輸送コストを考えると大きな違いにならないと考えます。
食器の問題「先割れスプーン」1
中学校で先割れスプーンから箸の利用をすすめることを提案します。
先割れスプーンは、汁ものを食べる時に犬食いを助長する原因として早くから教育関係者より指摘されていることです。県教育委員会発行「平成14年度埼玉の学校給食」中につぎのデータがあります。悪名高い先割れスプーンを採用しているのは、県内で1261校中84校あり、84校のうち24校が本市のすべての中学校です。先割れスプーンを使っている県内の学校の約3割が川口の中学校ということになるのです。川口の学校の先生はよく「箸を持参させると衛生面で好ましくない」との発言をされる方がおりますが、それこそ学校で厳しく指導をする内容ではないでしょうか。
学校給食法
前回に引き続き学校給食の問題に触れます。今回は、まず学校給食が法律でどう扱われているか、川口市としてどんな目標が設定されているか、どのような政策的な議論がなされ給食が行われているかを見ます。
学校給食は、「学校給食法」で決められています。その中で主に4つのことがうたわれています。 (1)日常における食事について、正しい理解と望ましい習慣を養うこと
(2)学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと
(3)食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図ること
(4)食糧の生産、配分及び消費について、正しい理解に導くこと とあります。
川口市の学校給食の方針
また、川口市教育委員会では「川口市の学校給食」として次のようなことが書かれています。 「人間形成の基盤は健康であり、健康的に生活を営むためには食事、運動、休養の調和のとれた生活習慣を身につけることが大切です。特に、成長期の児童生徒にとってバランスのとれた栄養の摂取は、たいへん重要となります。そこで、学校給食は、豊かな栄養をバランスよく摂り、望ましい食習慣を形成し、人間関係を豊かにし、多様な教育効果を期待することができることなどから、重要な教育活動として学校教育に位置づけられています。
最近では、生活水準が向上し、食生活も豊かで多様化しています。しかし、その反面、不規則な食生活や偏った栄養摂取など、児童生徒の食生活上の問題点も数多く指摘されています。このため栄養指導などを含めた健康教育の一環としての学校給食の役割が一層重視されています。
そこで川口の学校給食では、校長を委員長として給食主任、学校栄養士、教育委員会などの関係者で組織した献立委員会を毎月開催し、栄養のバランスのとれた豊かで美味しい献立の作成につとめています。作成された献立に基づいて、校長、給食主任、学校栄養士、教育委員会、保健所などの関係者で組織された物資委員会が、安全で、しかも良質な物資の選定に努めています。選定された物資は、財団法人川口市学校給食協会が、安価で、しかも、安定して各学校や各学校給食センターへ供給するように努めています。
教育委員会では、各種の研修会を実施して各学校や各学校給食センターの学校給食関係者の資質の向上を図っています。また、保護者の経費負担を軽減するために牛乳代の一部とパン包装紙代に対して川口市独自の補助も行っています。学校給食には、児童生徒が豊かな栄養をバランスよく摂れ、児童生徒が美味しく食べられることが求められています。また、それ以上に児童生徒の健康にとって安全であることが強く望まれています。そこで各調理場の施設設備の整備と調理従事者への徹底した衛生管理に努めています。
また、保護者の皆さんに学校給食を理解していただくために、共同献立表などの各種資料の配付、給食試食会、学校栄養士による栄養指導、学校給食センターの見学会、学校給食週間などを実施しています。」(以下略)
学校給食運営審議会
私は学校給食運営審議会の委員になっています。去る11/19 にその審議会が開催され出席しました。審議会は年に2回開催されます。学校給食運営審議会とはどんなものか条例をひもといてみます。まず、設置の目的は、「学校給食の正しい普及と充実を図るため」となっています。また、その機能は「教育委員会の諮問に応じて、学校給食の運営に関する重要事項について調査審議する。審議会は、重要事項に関し、教育委員会に意見を述べることができる。」となっています。審議会の組織は、委員15人以内とされ、委員は、教育委員会が委嘱します。またその構成は、知識経験者、小・中学校長、小・中学校PTA関係者とし、委員の任期は、2年となっています。なお、議員は知識経験者枠に入ります。
条例を簡単に表現するとこの審議会では、「学校給食運営に関わる政策立案やさまざまな重要事項について審議する会」とでもなるでしょうか。
民主的な審議会か?
私は今回の審議会で冒頭次のような発言を致しました。 まず、審議会の構成について、知識経験者枠に議員が入るのはおかしいのではないかと発言をしました。少なくとも議員は議会で行政運営に対して発言をする機会が与えられています。更に審議会も陣取り発言する機会を設ける必要があるのでしょうか?条例では、議員は知識経験者枠に入っていますが少なくとも議員は知識経験者とは言えません。給食に関して専門に研究をして来たならまだしもそうではないからです。進んでいる自治体では、審議会に議員が参加しないところが出てきています。議員ではなく、真に学校給食について研究されている方やよりよい学校給食を求めて運動をされている方に入っていただいた方が議論が深まると考えます。
また審議会には一般市民の枠がありません。小・中学校PTA関係者も出席をしていますが、多様な意見を反映させるためには一般市民から公募を行い審議会に参加できる枠を設けることが求められます。陳情型の市民参加なのか、真の市民参加型の市民参加なのかはこのことが大きな試金石になると思います。
更に、審議会は原則一般市民が傍聴することができません。開かれた市政を実現するのであれば議会と同様、審議会の場も一般市民に傍聴できるようにすべきです。
(財)川口市学校給食協会について
表面の「川口市の学校給食の方針」でも少し触れていますが、(財)川口市学校給食協会は川口市の小・中学校71校における学校給食の円滑な実施運営をするため、市教育委員会の指導助言を得て、「共同献立案の作成」と「物資の一括購入事業」等を行っています。
事業規模では年間約18億円を扱い、主な事業費の内訳は下記の通りとなっています。
<収入の主な内訳>約18億円
事業収入
給食費
小学校
3,600円/人月
中学校
4,250円/人月
市補助金
牛乳代
2円/1食
パン包装紙代
2.85円/1食
借入金他
<支出の主な内訳>約18億円
事業収入
年間給食実施回数
約180回
約700万食
小学校
自校調理方式
20校
約222円/1食
センター調理方式
27校
約222円/1食
中学校
センター調理方式
24校
約261円/1食
管理費等の経費
1食あたり小学校で約222円、中学校で約261円の費用で行っており大量調理によるコストダウンを実現しているようですが、大量調理による物理的制約や予算上の制約から、家庭でつくる食事にくらべると物足りないと言わざるを得ません。
協会が行っている一括購入を考えてみます。市内の小・中学生に対して平等に給食を行うこと、安価に食材を仕入れることが可能かもしれませんが、反面、ほんとうに一つ一つ吟味して食材を調達しているか不安になります。小中学生には年間で180食も口の中に入れる食事です。家庭でお母さんが食材選びに神経をつかっているようにもっともっと学校給食協会の物資委員会のメンバーを充実させ、手間暇かける必要はないでしょうか?材料費についても1食220円から260円程度です。受益者負担の原則から、学校給食費を保護者から徴収していますが、給食や食教育を充実させる意味で市補助金をもっと増やしてもいいのではないでしょうか。将来の川口市を担う子どもたちを育てる重要な政策だと思います。
また、私は学校給食協会の物資委員会や献立委員会のメンバーに市民公募による委員を入れるべきだと主張しています。現状は右上の表にあるように行政側や教育関係者だけです。このメンバーだけが教育従事者ではありません。今、市民や地域が主体的に教育に関与できるシステムをつくることが求められています。教育は与えられるものではなく地域が自らつくりだして行くものです。まず学校給食のシステムから行うようにしたらどうでしょうか?
(財)川口市学校給食協会の役員、委員及び職員に関する事項
区分
役職
選任者役職名
定数
理事会
理事長
学校教育部長
1
副理事長
小学校長代表、中学校長代表、学校保健課長
3
専務理事
事務局長(兼務)
1
常務理事
小学校長代表、中学校長代表、学校保健課給食係長
3
理事
評議員会選出の学校長
7
PTA代表
3
教育局の課長
2
評議員会
評議員
市立小・中学校長
59
会計監査
監事
PTA代表、学校長代表、学識経験者
3
経営委員会
経営委員
理事の学校長、理事会選出の委員
12
物資委員会
物資委員
理事の学校長、川口保健所生活衛生・薬事担当部長、給食センター所長、教諭、学校保健課職員、栄養士
13
献立委員会
自校調理小献立委員
理事の学校長、給食センター所長、教諭、学校保健課職員、栄養士
13
センター調理小献立委員
〃
13
中学校献立委員
〃
13
事務局
職員
事務局長、局次長、副主幹、係長、主任
5
学校給食運営審議会の視察報告です
先週に引き続き、視察報告です。去る1/18(火)〜 1/19(水)まで、学校給食運営審議会が先進的な学校給食運営を行っている仙台市を視察しました。視察先は、仙台市青葉区の荒巻学校給食センターと仙台市若林区の七郷小学校の2カ所です。私も委員として参加しましたのでご報告します。
仙台市と川口市の学校給食の比較
※表1
をご覧ください。まず自治体の規模ですが、仙台は政令指定都市で人口は川口の約2倍、面積は約14 倍、人口密度は約15/100 です。
小学校と中学校の数はどちらも川口の約2.6 倍、きめ細かな対応ができるといわれる自校調理方式(単独調理方式)の割合は、川口の約28%に対して仙台は約44.6%です。
学校給食の費用は、両市とも変わりなく小学校は約220円、中学校は約260 円程度ですが、川口では牛乳代とパン包装代は市が補助金を出しているので、実質は仙台の方が割安になります。
献立や食材に手間をかけているか?
2つの視察先とも給食を実際に試食させて頂きました。私は、川口や他の自治体の給食を過去数多く試食しています。それでも主観的になりますが、私には仙台の給食の方が食材が新鮮で手がかかっていると感じました。
農産物の産地でもあり、新鮮な食材を使えることから地理的に好条件といえます。給食費が川口より割安なのも関係しているでしょう。もちろん物価が安いこともありますが。
しかし、それだけではないと推察します。川口の場合(財)川口市学校給食協会が決めた統一献立で食材も一括購入です。統一献立や一括購入が運営を硬直化させ、冷凍食品や加工品を使う依存体質をつくっていないでしょうか?仙台の自校式給食では、献立は学校の給食主任や栄養教諭が独自に決めており、食材も学校単位で独自に調達できます。またセンター調理方式とて3種類の献立が用意されています。これを可能にしているのは、地元農協や農家のみなさんと学校給食関係者が密に連携しながら学校給食を運営しているからです。安くていいものを学校給食に使う教育的配慮が働いていると感じます。
また米飯給食については週3〜4回で川口よりも1回多く、今後も増やすことを考えているということです。以前のレポートでも詳しく述べましたが、小中学校の味覚が将来の食習慣を形づくりことを考えると、米飯給食は教育問題だけでなく食糧安全保障にも関わる重要な戦略であると考えます。地元農家を支援する意味でも見習うべきです。
これらを見ると給食対象全人員が2倍もある仙台の方が、川口より献立や食材調達に手間をかけてきめ細かな対応をしていることがわかります。
食器2
仙台は、食教育の観点や金属が溶解する等の安全性の問題で、川口の給食で採用されている『アルマイト食器』、『ランチプレート(お盆と食器の兼用したもの。お皿が全く必要なくなり、省力化できることから軍隊の食器と言われる)』、『先割れスプーン(フォーク、ナイフ、スプーンの機能を一つにしたもの。犬食いの癖がつくといわれる)』の使用を完全に廃止しました。自校式学校では、磁器食器等を採用し出来る限り家庭と同じ食器を使うことを目指しています。
一方、川口は仙台で廃止した食器をほとんどの学校で採用しています。埼玉県の調査から、県内の小中学校で『先割れスプーン』の使用は川口の中学校くらいだとわかっています。仙台では、生徒が毎日献立表を見て箸やスプーンを持参します。川口では教育関係者がそれを衛生上問題があると指摘しますが、それは教育が行う躾といえないでしょうか。
衛生管理
衛生管理の比較をすると学校給食に対する考え方が浮き彫りになります。たとえば、仙台は野菜の洗浄を国の基準よりも1回工程を増やしています。これは当然人手のかかることです。川口では衛生上の観点から、冷凍食品を除いて食材はその日の内に使いきることが施設管理の大前提になっています。これにより川口の献立に大きな制約がないでしょうか。
今回視察した荒巻学校給食センターは、建て替えて間もない新しい施設ですが、かえって以前よりも人手や維持費がかかる施設になっています。食材の安全性を担保し給食の質を高めるため、搬入した包装材を外し専用の容器に移し替え貯蔵したりと、省力化、合理化よりも給食の安全性や質を優先しています。ここに仙台の教育に対する考え方が見えます。
市民参加、食教育
「おやづ(=おやじ:方言)の会」など、農家や地域が食教育に参加したり、生徒も農家に体験学習に行ったりと、一方的な給食運営ではなく、給食を通じて市民参加の運営を目指していることがわかります。また、全国に先駆け『食教育の手引き』をつくり内容は全国の自治体が参考にしています。しかたなく給食制度を維持するのではなく、本来の学校給食法にもうたわれているように、給食を通じて、子どもたちに好ましい食習慣を身につけさせ、食糧の生産や配分及び消費について正しい理解を導くことを目指しています。
H18年度 第1回学校給食運営審議会
年に2回、学校給食運営審議会が開催されます。私は、審議会委員として参加しています。
この審議会は、学校給食の正しい普及と充実を図るために設置され、教育委員会の諮問に応じて、学校給食の運営に関する重要事項について審議し、教育委員会に意見を述べることができると条例に明記されています。
審議会委員は、知識経験者6名(市議会議員3名、県保健所1名、学校経営者1名、関連団体1名)、小中学校長5名、小中学校PTA関係者4名の計15名で構成されています。
学校給食の運営体制と実施状況
食数
06.5.1現在
小学校
中学校
合計
学校数
食数
学校数
食数
学校数
食数
自校給食校(単独調理場)
21
13,966
0
0
21
13,966
学校給食センター(共同調理場)
27
14,785
24
12,622
51
27,407
内訳
前川学校給食センター
5
2,566
5
2,567
10
5,133
神根学校給食センター
7
4,172
6
3,013
13
7,185
新郷学校給食センター
6
3,948
6
3,517
12
7,465
南平学校給食センター
9
4,099
7
3,525
16
7,624
合 計
48
28,751
24
12,622
72
41,373
職員数
06.5.1現在
所長
事務職員
栄養士
調理員
給食員
配送員
ボイラー
自校給食校(単独調理場)
0
0
17
93
0
0
学校給食センター(共同調理場)
4
4
14
119
81
19
8
内訳
前川学校給食センター
1
1
3
24
各配送
校配置
4
2
神根学校給食センター
1
1
3
30
4
2
新郷学校給食センター
1
1
4
32
6
2
南平学校給食センター
1
1
4
33
6
2
合 計
4
4
31
212
81
19
8
私が考える学校給食の課題
学校給食について議論をすると、昔にくらべたら食べられるだけで幸せだと言ったご意見や、問題があるのなら給食制度をやめてお弁当にすればいいというご意見を伺います。
食育基本法が施行され、乱れている食の問題を正すため逆転の発想で、食教育を積極的に行い食を通した健康、習慣、農林水産業の理解、強いては環境問題に至るまで社会教育の一環として重要な柱としてとらえられています。そのため、学校給食という既にあるインフラを利用して有効活用していくことは非常に重要です。
今回、以前に3回発行した学校給食に関するレポートを集大成する形で私が考える学校給食の課題について記します。
審議会
まず、学校給食の運営体制について触れたいと思います。まず、本審議会についてですが、以前のレポートでも触れましたが、審議会に議員が入る必要があるのかという点です。条例では、知識経験者枠に議員があてられていますが、自治体によっては議員が入らないところがあります。議員は、本会議や委員会又は通常の議員活動の中で日頃から行政運営に関して発言の機会が与えられています。それよりも、給食をよりよいものにしようと研究されている方、そのような運動をされている方々に委員の枠をあてた方が好ましいと思います。そのためにも、一般市民からの公募委員を少なくとも1/3程度の枠を設けるべきです。
また、審議会は一般市民に対して開催日を告知しておらず、一般市民の傍聴が認められていません。ちなみに、東京23区や東京西部地区の市などのHPをご覧ください。市民に対して審議会の開催日が公表されていますし、傍聴も可能です。
(財)川口市学校給食協会
次に、(財)川口市学校給食協会についてです。H17年度決算で総事業費は約17億4,200万円となっています。主な事業は「共同献立の作成」と「物資の一括購入」を行っています。お隣のさいたま市では今年度からこの組織が廃止されました。財団法人として別組織にすることのメリット、デメリットをしっかりと見極める必要があります。そして、運営の判断をしている「物資委員会」や「献立委員会」に教育関係者しか従事しておりませんが、市民参加を進めるために、ここにも市民公募の委員を選ぶべきです。進んだ自治体では始まっています。
学校給食協会では、統一献立を採用しています。物資の大量購入、大量調理によるコストダウンの実現が図れるメリットがあると言われますが、かえって大量の食材を一挙に仕入れなければならないことの危うさはないでしょうか。統一献立は平等に給食を支給できるメリットがありますが、かえって手のかからない冷凍食品や加工品などを多用していないでしょうか?
また、物資委員会は物資の質を担保するために充分なチェックがなされているかという課題もあります。先頃、(財)埼玉県学校給食会で学校給食における低級米の混入事件が発生しました。給食費は昔からあまり上がっていません。一方で食材は随時価格が変動します。納入業者が利益重視をしないとも限りません。そのためにも発注金額に見合った食材が納入されているか、質をしっかりと見極めチェックする体制が必要です。確かに、そのような行為を業者が行えば社会的制裁がなされ淘汰されるとも言えますが、それを理由にチェックを漫然と行っていることは職務放棄です。
統一献立、大量購入、大量調理のデメリットについて定量的にしっかりとその是非を検証する必要があります。
食中毒やO157対応として、野菜やサラダなどが温野菜になっている点は理解はできますが、はたして安易にそうしていないでしょうか?他の自治体では、常温で野菜が食べられるように「真空脱水冷却機」や「調理済食品専用冷蔵庫」が設置されているところもあります。残念ながら川口市にはほとんどありません。また「焼きもの機」が自校調理場にはありません。それゆえ加工品に頼っていないか検証する必要があります。
米飯給食2
米飯給食は、文部科学省の推奨では週3回ですが、川口市では予算上の都合で週2回となっています。文部科学省では、週3回を基本に「食品構成表」をつくり献立の基礎を明示していますが、週2回により献立に無理が出ていないか心配です。パンに皿うどん、パンにカレーシチュー、牛乳にごはん等々、一般の家庭の献立ではあり得ない組み合わせが存在します。
米飯給食は食教育上大切なだけでなく、食料戦略上も非常に大切です。日本の食料自給率はカロリーベースで約40%程度、米の生産調整は約38%です。農水省などは米の消費拡大のための広告宣伝に年間約40〜50億円もかけていますが、これは上滑りな対応策です。栄養学的にも見直されているお米の価値を見直し、食料安全保障を考えるならば、幼少期の食習慣の重要性を認識し、特に学校給食で主食であるお米を多用することがいかに大切かということがわかります。県内で週2.5回以上米飯給食を実施している学校は約80%にもなります。せめて川口市の小中学生にも他の自治体と同じ対応をしてあげたいものです。
自校調理方式とセンター方式
自校調理方式とセンター方式(共同調理方式)の是非では、市教育委員会は出来る限り自校調理方式を進めると表明しています。私の一般質問に対する教育委員会の答弁では、残飯の量を比較するとセンター方式の方が自校式の2倍程度多いとのこと。統一献立についても微妙に絡んでくる課題ですが、自校式で学校毎に食材を調達し、手をかけた給食のあり方を追求して欲しいものです。特に今後は、給食センターの老朽化により、施設更新の際には可能な限り自校式に転換して欲しいものです。
食器3
食器について、川口は昔からアルマイトの食器を使用しています。こわれないという安全性と持ち運びしやすい利便性からですが、同規模自治体と比較すると磁器食器を利用している自治体が増えてきています。特に、川口市の場合、合理性だけを追求したアルマイト性のランチプレートは、保護者からも不満の声が多数あり、早急に見直して行く必要があると考えます。
給食費
給食実施回数と給食費(保護者負担分)
区分
年間回数
年額(円)
1食単価(円)
小学校
1年生
175回
38,190
220
2〜6年生
180回
39,600
中学校
1・2年生
180回
46,750
260
3年生
173回
44,930
給食費については、現在、小学校と中学校の2つの金額が設定されています。給食事業は、保護者から頂く給食費で食材を購入しますが、川口市は牛乳代とパンの包装代が補助金として支給されています。調理に要する職員の人件費や光熱費等の経費は自治体が税金のなかから負担しています。
まず、給食費の金額ですが他の自治体を見ると小学校の低学年と高学年と差をつけているところがあります。食べる量が違うのに、金額が同じでいいのかしっかりと検証する必要があると思われます。
また、生活保護を受けられているご家庭の「要保護児童」や所得が少ないご家庭の「準要保護児童」に対する補助金は年間に約1億6,000万円程度あります。もちろん大変重要な施策でありますが、今国はこの予算を削り、自治体に負担をさせようとしています。義務教育では絶対に差をつけないという既定路線を覆すことになりかねないものであり、強く継続を求めるものです。その一方で、要保護や準要保護のご家庭でもないのに給食費の滞納をするご家庭が増えている状況であり、教育委員会はその対策に頭を痛めている状況です。
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