冷え性の治療

《目次》
●東洋医学的な”冷え症”とは・・・
●冷え性のタイプ別特徴・・・<
●タイプ別治療方法・・・<
●治療期間と周期・・・
●日常の過ごし方・・・

《INDEX》

●東洋医学的な”冷え性”とは・・・
冷え症の原因については、健康豆知識の"冷え克服マニュアル”でお話してしていますので、そちらをご覧ください。ここでは、冷えをタイプ別に分けて、それぞれの治療法法についてお話していきます。

では、東洋医学では冷え性をどのように分類しているのでしょう。東洋医学ではその人の体質などにより”証”というタイプ別に分けます。冷え性は以下の4つのタイプに分けられます。

@腎陽不足による冷え性
腎虚とは、腎気といって先天的に親から受け継いだエネルギーが足りなかったり弱かったりすることをいいます。要するに虚弱体質というとわかりやすいと思います。先天的には虚弱ではないけれども、成長段階で十分に栄養を摂らなかったり、過度な肉体疲労、ストレスによる激しい精神的な疲労、不摂生、過度な性生活などにより、腎気を消耗し傷つけてしまうことによってエネルギーを消耗し、腎虚になることもあります。

腎陽虚というのは、腎気を消耗し、それが進行すると起こります。陽気は、体を温めたり、気を巡らしたり、あるいは体の代謝を促進したりする作用がありますので、その陽気が不足すると、体の冷えが生じ、血液循環が悪くなり冷えに拍車をかけます。また、冷えに対してとても敏感になりますので、夏に冷たいものを多食多飲したり、クーラーの利いた部屋に長時間いることは、陽気をさらに損傷することになります。もちろん、冬の寒い時期は、体の保温を保たなければ、容赦なく寒邪が体内に侵入してきます。

A脾腎陽虚による冷え性
は、西洋医学的な脾臓を指すのではなく、膵臓を含めた消化器系全体を指します。先天の気は、親から受け継ぎますが、後天の気は食事をすることによって、食物から得られます。ですので、脾は後天の気を産生し、気を充実させるためにはとても重要な器官でありシステムなのです。
脾陽虚は、腎陽虚と同じように、脾の気が虚して、それが進行することによって起こります。体を温めるための気を作る機能が低下してしまうわけですから、体は冷え、特に手や足が冷えていきます。腎陽虚と脾陽虚を併せ持った症状が特徴です。

B心陽虚による冷え性
というのは、文字通り心臓ですけれども、東洋医学の場合、心臓だけを指すのではなくて、血脈をコントロールしたり、意識や精神活動、思惟活動をコントロールする機能全体と捉えています。先天の気が不足していたり、長い間病気を患っていたり、あるいは急性病に罹った後などは、この心のシステムに異常をきたし、全身に血液を十分に送ることが出来ずに、体を温めることができなくなってしまいます。その異常が更に進むと、この心陽虚という状態が起こります。
もともと心臓が弱い人、心臓に持病を抱えている人は、この症状になりやすいく、またストレスによって精神的に疲労している人も同じようなことがいえます。

C瘀血による冷え性
気候の変化クーラ−冷たいものを多飲多食することによって、血液の流れが悪くなることによって瘀血が生じます。それと同時に陽気が損なわれ、体が徐々に冷えてしまいます。血液のめぐりが悪くなるわけですから、手足の末端まで十分に血液が循環せずに冷えてしまうのですね。また、体の各部分に血液が十分に行き渡りませんから、冷痛を伴う症状も出来てきます。

《TOP》

●冷え性のタイプ別特徴・・・
@腎陽不足による冷え性
顔色が白い・めまい・精神不振・寒がり・手足の冷え・腰と膝のだるさと冷え・不妊・下痢(明け方になると腹痛になりやすい)
このような随伴症状をお持ちの方は、”腎陽不足”による冷え症と考えてよいでしょう。

A脾腎陽虚による冷え性
顔色が蒼白・下痢(明け方になると腹痛になりやすい)・下腹部の冷え・腰膝が重だるい・尿量の減少・浮腫(顔面・眼瞼・肢体)・お腹が張る・寒がり・手足の冷え
このような随伴症状をお持ちの方は、”脾腎陽虚”による冷え症と考えてよいでしょう。

B心陽虚弱による冷え性
動悸・胸苦しい・息切れ・無力感・精神疲労・不眠・胸部が絞め付けられるように痛む・寒がり・四肢の冷え
このような随伴症状をお持ちの方は、”心陽虚弱”による不妊症と考えてよいでしょう。

C瘀血による冷え性
体幹と四肢の冷え・下腹部の冷痛(温めると緩和する)・固定痛
このような随伴症状をお持ちの方は、”瘀血”による冷え症と考えてよいでしょう。

《TOP》

●タイプ別治療方法・・・
@腎陽不足による冷え性
基本的に、腎気を補い温める治療(温腎治療)が中心になります。腎気に関係する経穴(ツボ)にと温灸(灸頭鍼)によって刺激を与え、体内の気を充実させます。特に冷え強い部分に対しては、灸を多用して治療していきます。治療部位は、下腹部下肢の前面になります。

A脾腎陽虚による冷え性
腎と脾の気を補い温める治療(温補脾腎治療)が中心になります。腎や脾に関係する経穴(ツボ)にと温灸(灸頭鍼)によって刺激を与え、腎気を補い、消化機能を丈夫にします。特に冷えの強い部分に対しては、灸を多用し治療していきます。また、浮腫がある場合には、水分代謝を良くする治療も同時に行っていきます。治療部位は、下腹部膝下の前面になります

B心陽虚弱による冷え症
心気を補う治療(補心治療)が中心になります。心に関係する経穴(ツボ)にと温灸(灸頭鍼)によって刺激を与え、心気を補い、血液循環を改善していきます。特に浮腫の強い場合には、浮腫を改善するような治療を加えていきます。治療部位は、背部、腰部、下腹部、下肢の前面になります。

C瘀血による冷え性
滞っている血流を改善する治療(活血化瘀治療)を中心に行っていきます。滞っている状態を改善する治療は、少し刺激量が多くして、余分なものを取り除く治療をしていきます。鍼治療が中心になりが、特に冷えの強い部分については灸を多用していきます。治療部位は、背部、腹部、前腕部、膝下の前面になります。

《TOP》

●治療期間と周期・・・
5〜10回の治療を1クールとして、概ね3クールで体の中の発電機を自力で動かせるような体の環境を作っていきます。

1クール目 タイプ別にある主な症状を取り除きます。まずは環境作りですね。
2クール目 環境が整ったら、次は発電機の修理です。故障の程度によって、この段階で発電機が動かせるようになります。
3クール目 さて、発電機の修理が完了しました。次は、エネルギーを注入して、いよいよ発電機の稼働です。無事、発電機か動いていることを確認して、修理完了です!

治療の周期としては、週1回から隔週1回が目安となります。症状がきつい人は、週2回がベストです。

発電機は、定期的に点検が必要ですから、半年に1度はメインテナンスを心がけましょう。

《TOP》

●日常の過ごし方・・・
○温浴をして温める
  • 手足が冷える
    足浴や手浴などの部分浴をしましょう。
    【方法】
    精油 洗面器に通常の入浴温度よりもやや熱めのお湯をいれ、足浴の場合足くるぶしの3〜4p、手浴の場合手首の上まで付けます。自然塩かすった生姜を2かみほど入れると良いでしょう。10〜15分行います。また、ラベンダーの精油を2滴ほど入れるのだけでも良いでしょう。香りが一緒に楽しめます。
  • 全身が冷える
    半身浴をしましょう。
    【方法】
    浴槽にむるめのお湯を、おへその少し上までつかるくらい入れ、30〜40分かけて汗を十分に出します。じっくり入るのがポイントです。冬場は上半身が冷えないようにタオルをかけましょう。また、浴槽にラベンダーの精油を2滴ほど入れるとリラックス効果も得られまず。
○グッズを利用して温める
  • 腹巻き&カイロ
    普段からお腹が冷えないように腹巻きをしましょう。冬場はカイロを下腹部に入れておくと全身が温まります。
  • 遠赤外線キルトパッド
    キルトパッド 当院の治療ベッドで利用している遠赤外線キルトパッドを敷布団に敷いて寝ると、体中がほかぱ温まります。トルマリンを折り込んだ繊維を使用していますので、マイナスイオン効果もあり、ぐっすりリラックスして睡眠をとることができます。




○食事を改善して温める
  • 温野菜を摂る
    食事は、生野菜刺身などの生食は避け、温野菜煮魚を食べるように心がけましょう。
  • 体を温める食材一覧

    根菜類 ごぼう、人参、れん根、ねぎ、玉ねぎ、山芋、生姜
    塩気の多い食材 塩、味噌、しょうゆ、明太子、チリメンじゃこ、佃煮、漬物
    赤い食材 赤ピーマン、赤唐辛子、いちご、小豆、かに・えびのから、人参
    黒い食材 玄米、黒豆、黒ゴマ

    黒い食材は、腎の機能を補うのにとてもよい効果が得られます。

○ハーブティーで温める
    ハーブティーも体を温める効果があります。エルダリーフラワー、ジャーマンカモミール、アンジェリカ、ハイビスカスなどは、体の冷え改善に効果があります。ラズベリールーフ、ローズヒップ、アンジェリカは、ホルモンのバランスを整えていきますので、生理不順気味の火にはお勧めです。

○運動&リラクゼーション法で温める
  • 運動
    特別にジムに通うとか、運動の器械を買う必要は全くありません。1日30分の散歩が一番良いでしょう。少し早歩き程度(1分間で100m)で歩きましょう。ほどよく>体も温まりますし、気分もリフレッシュします。ただ、汗をかいたら直ぐにタオルでふき取ってください。

  • 自律訓練法
    体が常に緊張気味の人は、この方法を使うと体の力が抜け、リラックスすると血流が良くなります。詳しい方法は、書店で自律訓練法に関する本が売っていますので、そちらをお読みになってください。

    ここでは、簡単にその方法を説明します。
    【方法】
    まず、仰向けに寝てください。ソファーやリラックスできる椅子に腰掛けてもかまいません。
    最初に手(左右片方づづ)、次に足(左右片づつ)、体、最後に頭の順で、温かいあるいは重たいというイメージを描きます。こころの中で温かくなると言いながら、手が温かくなるのを想像してください。
    それを順番にやってきます。次第に手足の力が抜け、徐々にぼわっと温かく感じられてきます。最後に頭は涼しくなるとイメージして終わりです。そのまま寝てしまう場合もありますから、不眠症気味の人は寝る前に行うと不眠解消と一石二鳥となるでしょう。、

  • 蒸気吸入による芳香浴
    【方法】
    洗面器に熱湯を入れ、蒸気が少し落ち着いてからロースオットーラベンダーを各1滴落とします。蒸気に顔あて、蒸気が逃げないように、タオルで頭から肩を覆いましょう。目は刺激しないように閉じてください。5〜10分そのまま蒸気を当ててください。

  • アロマポットによる芳香浴
    【方法】
    アロマポット アロマポットは、キャンドルタイプ電気で加熱するタイプがあります。安全を考えると電気で加熱するタイプが良いでしょう。当院では、電気で加熱するタイプを使用しています。
    ポットに半分くらい水を注ぎ入れ、ラベンダーを4滴、もしくはローズオットーラベンダーを2滴づつ入れてください。あとはキャンドルに点火、あるいは電気ポットのスイッチを入れましょう。



  • 癒し系音楽
    最近、モーツァルトの楽曲が健康に良いという報告があり、CDショップで症状別にモーツァルトの曲を収めたCDが販売されているようです。基本的には、自分が好きなアーチストの音楽を聴くの一番リラックスできます。ただ、あまりビートの激しい音楽は避けましょう。交感神経を刺激して、リラックス効果は得られません。個人的にはエンヤが好きなので、お勧めです。当院では、毎日エンヤの音楽が流れています。

    《TOP》《Home》



Copyright (c) 2004-2005 by suimeikan,
All right reserved