近視の治療

《INDEX》
●東洋医学的な”近視”とは・・・
東洋医学では、近視を”近視””能近怯遠症””視近怯遠症”などといっています。

近視は、屈折異常の一種で、目に入ってきた光が水晶体で屈折して、網膜より手前で像を結び、物がぼやけて見える状態です。近視には、角膜・水晶体の光の屈折力が強すぎることにより起こる屈折性近視と、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が正常より長すぎるために起こる軸性近視があります。

また、近視には、仮性近視真性近視があります。仮性近視は、長い時間、読書や近くをみる仕事を続けると、目の調節機能が低下して、一時的に近視状態になることをいいます。これは、水晶体といわれピントを調整しているレンズが、近くを見る時はふくらんで厚くなり、遠くを見る時は薄くなってピント合わせます。水晶体の周囲には毛様体筋という筋肉があり、この筋肉が緊張したり、ゆるくなったりして水晶体の厚さを変化させることによって、ピントを合わせます。近くを見つめる状態を長く続けていると、毛様体筋の緊張が高まったままの状態が長く続き、水晶体がふくらんだままの状態になり、緊張ががとれて後もこのふくらみが元に戻らず、近視状態になってしまいます。 仮性近視は、医学的には屈折異常と区別し、水晶体の調節異常とされます。仮性近視の場合、毛様体の緊張がなくなれば元の視力が戻るので、毛様体の緊張をとる点眼薬や、遠くを見ることを心掛けることで、改善していきます。

真性近視の場合は、この毛様体筋の緊張が固定してしまって。水晶体のふくらみが元に戻らなくなってしまった状態をいいます。また、単に屈折異常だけでなく、眼軸長が長くなることによって、さらに近視が進んでいきます。一般にいう近視というのは、真性近視のことで、軸性近視タイプがほとんどを占めています。

東洋医学では、”肝は目に開竅する”といわれています。肝の経絡は、目に連絡をしています。視力は肝血によって滋養されていますので、肝血が不足すると、目が乾き、物がはっきりとみえなくなってしまいます。肝血が不足することによって、近視だけでなく、白内障緑内障、視神経萎縮など、様々な眼科疾患を引き起こします。

肝血が不足する原因には様々な要因が考えられますが、もともと虚弱体質で血を十分に作ることが出来ない、消化器系が弱くて、血を作る材料となる気を十分に取り込めない、ストレス精神的に鬱屈した状態で気の巡りが悪い、目の使いすぎ運動、仕事のし過ぎなどによって、血を著しく消耗した、などが考えられます。 では、どんなタイプがあるか見ていきましょう。

●近視のタイプ別特徴・・・
@肝血虚
心労、過労、出産、出血、慢性病などによって、肝血の不足が起こります。肝の機能である、”蔵血””調整”が失調し、体のあらゆる臓腑、組織に血液を十分に送り込むことが出来なくなりますので、目と筋にその影響が現れ、目に十分な血が送ることが出来ずに、栄養不良と毛様体眼球筋肉機能低下により、視力が低下してしまいます。

目のかすみ、目の乾き、夜盲、不眠、多夢、脇部の陰痛、筋肉がつりやすい、爪が薄く割れやすい、


A肝腎陰虚
感情の起伏が激しかったり、長い間病気がちであったりで、精血が不足した状態が長続きすると、肝腎の精血が不足して、目を栄養することが出来ず、また陽気が相対的に多くなりますので、体内に熱が生じて、さらに精血を消耗して、やはり目を栄養することが出来ずに、視力の低下が起こります。

目の乾き、めまい、顔のほてり、喉の渇き、口の乾燥、耳鳴り、不眠、多夢、腰と膝のだるさ、寝汗、胸苦しさ、手足のほてり


B気滞
精神的なストレス緊張。怒りなどによって、肝気が鬱滞し、気血の巡りを阻害します。肝は目に開竅していますから、目の調整機能が低下して、視力の低下が起こります。

精神的な抑鬱、気がふさぐ、よく溜息をつく、イライラしやすい、怒りやすい、胸脇部の脹痛


C気血両虚
生まれつきの虚弱体質過労、飲食の不摂生、慢性病などのよって、脾の機能が低下し、気血の元になる栄養を十分に摂取することが出来ずなくなります。そのために、目を栄養することが出来ず、視力低下が起こります。

めまい、精神的疲労、無力感、全身の倦怠感、息切れ、暑くないのに汗をかく、動悸、不眠、目の乾き、何をするにもおっくう

●治療方法・・・
【全身調整】
  • 基本的に、タイプ別にある症状を取り除き、体全体の機能をアップさせ、目に精血が十分に行き渡るようにします。
  • 背部、腹部、下肢、上肢の経穴を使い、鍼および灸によって、治療してきます。
  • 小児の場合は、小児鍼を使って、皮膚に鍼を刺さずに、皮膚を刺激する治療方法をとります。


    【目の機能改善】

  • 近視の人は、後頭部から肩、肩甲間部に凝りがありますので、その凝りを取り除きますます。
  • 目の機能を改善する経穴は、目の周囲、側頭部、頭頂部、後頭部に集中していますので、その経穴を鍼にて刺激を与え、目の周囲頭部血液循環の改善を図り、後頭部、側頭部緊張を緩和します。
  • ●治療期間と周期・・・
    10日〜2週間1回の間隔で、治療をしていきます。

    仮性近視の場合、1回の治療で1〜2ポイント視力か改善します。真性近視の場合は、近視の度合いによりますが、数回の治療で1〜2ポイント改善を目標に治療をしていきます。

    また、自宅での目のトレーニング簡易梅花鍼による目の周囲の自己治療法を指導しますので、 日常生活の中で、近視を進めないようにしていただきます。

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