不妊症や不育症、月経前症候群(PMS)、更年期障害、過敏性腸症候群などでお悩みの方のための鍼灸院です。

Suimeikan Therapy Room
翠明館治療室 〒192-0912 東京都八王子市絹ヶ丘1-68-1 Tel 042-689-4216    

●養生徒然

2012年5月28日(月) 肩こり
厚生労働省の国民基礎調査によると、女性の15歳から64歳の年代で、肩こりを訴える割合がトップになっているようです。男性でも35歳から64歳の年代で、肩こりを訴える割合は、腰痛に続いて第2位になってます。それほど、国民のあらゆる年代で、性別を問わず、肩こりを訴える人が多くいることが分かります。

肩こりというのは、実は日本独特の表現方法で、諸外国には肩こりという概念はありません。ただ、日本でも明治以前は、肩こりという概念あはりませんでした。肩がこるという言葉を使ったのは、夏目漱石が最初であるようで、夏目漱石の造語だといわれています。この言葉が出来てから、多くの日本人が頸から肩周辺の筋肉が張った状態を”肩こり”として自覚するようになったと言われいます。

肩こりという現象は、頸から肩甲骨上部、内縁に広がる僧帽筋エリアにある様々な筋肉に生じる主観的なこわばった感じや不快感・こり感・重苦しさや痛みなどの症候の総称で、多くは、運動不足やPC作業や読書などで長時間同じ姿勢を続けるなど、筋肉を十分に動かさないことによるところが大きな原因となっています。

最近、テレビなどで、手軽に肩こりを改善する方法が紹介されていますが、基本的に、肩甲骨を日常的に動かすことが、肩こりを解消する方法として一番有効であることが分かっています。

例えば、毎日の掃除の時に、腕を大きく動かすことによって、肩甲骨周辺を十分動かすことが出来ますし、水泳や野球、ヨガなどは、腕を大きく動かす動作がありますので、やはり肩甲骨を十分に動かすことが出来ます。また、日常生活の中で、あるいは仕事の途中で、意識的に背伸びをする、体を反る、前後屈をするなどの、腕を大きく動かすような軽い体操をすることでも、肩こりを改善することができます。

ただ、肩こりでも、これらの運動をしても改善しない場合があります。常に肩こりがあるとか、徐々に悪化しているなどの場合は、肩こり以外の病気が隠れている場合があります。たとえば、心臓の病気であったり、脳の病気、あるいは癌がリンパ節に転移している場合など、肩こりに似た、頸から肩にかけて違和感や痛みを訴えることがあります。

たかが肩こりと侮っていると、重大な病が隠れている場合があるので、心当たりのある方、早急に精密検査をされることをお勧めします。

2012年4月30日(月) 森林浴
GWが始まり、旅行やレジャーを楽しんでいる人は大勢いるかと思いますが、この時期は、新緑の季節ですので、自然の多い場所に出掛けて、森林浴をしたいですね。

森林浴の効果については、最近さかんに研究されていますが、森林浴の効果として、樹木が発散するフィトンチッドと呼ばれる物質が作用していると考えられています。特にマツ、ヒノキなどの針葉樹林ではフィトンチッドの発散量が多く、免疫力の向上や殺菌作用などの効果があるという論文も発表されているようです。アロマオイルにも、針葉樹系のものが多くあり、やはり同じように殺菌効果などを示しています。

それ以外にも、たとえば、樹木や花の香りによって、精神的にリラックスしたり、風に揺らめく枝葉のさわさわとした音によっても癒されます。以前f分の1の揺らぎが、人間にとっては心地よい音に聞こえるということが言われていましたが、まさにそのf分の1の揺らぎが、この風に揺らめく枝葉の音なのですね。

林野庁と緑の文明学会、地球環境財団が共同で制定した、”森林浴の森日本100選”がありますが、東京都にも3つの森がエントリーされています。渋谷区にある”明治神宮の森”と八王子市にある”高尾山”、それから青梅市にある”御岳山”です。

高尾山は、観光ガイドで有名なミシュランガイドで三つ星を取ったのは、有名なことですが、都心から1時間も掛からないところにありながら、これだけの深い森を楽しむことが出来るのですから、是非、これからの時期、足を運んで、森林浴を楽しんでほしいと思います。

私も、毎年、春と秋には高尾山に登ります。お気に入りのコースは、稲荷山コース。高尾山の外尾根を登り、途中の稲荷山の展望台では、眼下に八王子市を望み、都心まで一望することが出来、まさに絶景です。それから、琵琶滝を巡る6号路もお勧めです。川のせせらぎを聞きながら、途中の琵琶滝では、滝に打たれることもできます。4号路には吊り橋があり、高尾山の深い森を体験することが出来ます。

高尾山山頂からは、陣馬山コースに進み、一丁平を経て城山に登るのがいつものコース。健脚に自信のある方は、そのまま陣馬山を目指すのも良いかもしれません。たっぷり森林浴をして、ほどよく体を動かしたあとは、心身ともにリラックスしていることを実感できると思います。



2012年3月30日(金) カフェイン
妊娠した女性が気にする成分として”カフェイン”があります。妊娠初期にカフェインを摂取すると胎児に影響がある!!と信じられているからですが、実は、1日コーヒー2,3杯程度であれば問題はない、と医学的には言われています。逆に、コーヒーを飲むことによって、気分的にリラックスできて良いとも言われています。

カフェインを多量に摂取するとどういう影響が胎児に出るかというと、胎盤を通じてカフェインが胎児に取り込まれ、内臓がしっかり出来上がっていないので、カフェインを分解することが出来ず、長い時間排泄される体内に残ってしまうために、不眠や興奮、おちつきがないなどの副作用が出てきます。また、胎盤の血流を減少させるとも言われていて、実際に、生まれた子供が落ち着きがない、低体重だったなどという症例もあるようです。

どれくらいの量であれば問題ないかというと、一日300mgまでのカフェインであれば、胎児への影響はないと言われています。ちなみに、コーヒー140ml中に含まれるカフェインは、56rで、一日に6杯以上飲まなければ、過剰摂取にはなりません。一番多いのが、玉露茶で、140ml中に224r含まれているので、2杯以上飲むと、一日摂取限度の300rを超えてしまいます。その他、たとえば、ウーロン茶は、140ml中に28r、紅茶は140ml中に70r、煎茶やほうじ茶は、140ml中に28rになります。ちなみに、麦茶は、カフェインが含まれていないので、麦茶でしたら、カフェインを気にする人は安心して飲むことが出来ます。

カフェインの過剰摂取を気にするのは、日本人くらいのようで、アメリカなどでは、頭痛の時に鎮痛剤を服用するのに抵抗のある妊婦にコーヒーを勧めているようです。血管がカフェインの作用によって収縮するので、血管拍動性の頭痛の緩和になるようです。

コーヒー好きにとっては、我慢しなくて良いので、うれしいことですが、コーヒーは食後に飲むのだけは控えましょう。食後すぐに飲むと、鉄分が失われやすくなり、妊娠中の貧血などを引き起こす可能性があります。食後1時間以上経ってからであれば、鉄分が失われることもなくなりますので、安心してコーヒーを楽しむことが出来ます。

妊娠中は、胎児の影響を気にして、何かと口に入れるものに気を使います。それはそれでとても大切なことですが、神経質になり過ぎると、却ってそれがストレスになりますので、正確な情報をしっかりと得て、マタニティーライフをリラックスして過ごしましょう。

2012年2月27日(月) フードファディズム
つい最近、京都大学の研究グループが、トマトに”脱メタボ”効果があるという論文を発表したというニュースが流れた途端、スーパーやコンビニからトマトジュースが消えました。トマトの果実やジュースから、脂肪燃焼を活性化する成分を世界で初めて発見しトマトジュース200mlで効果が出るという”朗報”に、メタボの人たちが飛びついたのです。

それから、昨年末だったでしょうか、某メーカーが発売する機能性ヨーグルトを食べると、インフルエンザに罹らないというニュースが流れた途端、やはり同じように、スーパーなどで品切れ状態。この商品は2年前に販売され、今年は特にインフルエンザが猛威を振るっている年ですので、マスコミがそれを報道。そして、間もなく流行の火が付きました。

これと同じような現象は、たとえば、バナナダイエットで、八百屋からバナナが消えたり、納豆やココアも同じような一時的なブームがありました。

このような現象を”フードファディズム (food faddism)”と言うようですが、この言葉の定義は、”食べものや栄養が健康と病気に与える影響を過大に信じること、科学が立証した事実に関係なく何らかの食べものや栄養が与える影響を過大評価すること”で”科学が立証したことよりもその影響を信じ固執していること”とのこと。

多くの場合、そのキーワードは”ダイエット”と”予防”。この食品を食べていれば、この病気にかかりにくいとか、痩せるといったマスコミ発のはっきりした根拠のない情報であることが多いのですが、今回のようなそれなりに信用のできる機関や企業の研究発表が根拠になっていると、その影響力は計り知れません。

ダイエットも病気の予防も、基本は腹八分目の食事と適度な運動、規則正しい生活習慣です。トマトジュースをがぶ飲みしなくても、カロリーを制限して運動すればメタボは改善できます。機能性のヨーグルトを食べ続けなくても、豆類の多い日本食をきちんと食べていれば、胃腸は常に調子が良く、免疫力もUPして、インフルエンザにそうそうかかることはありません。

私は、毎日納豆を食べていますが、納豆の納豆菌には乳酸菌(ビフィズス菌)を増加・安定化させる効果があると考えられます。なので、ヨーグルトと同じように、腸内細菌の善玉菌を増やす効果があり、腸内細菌の善玉菌が増えれば、機能性ヨーグルトをわざわざ食べなくても、お通じが良くなり、免疫力をしっかり維持することができます。

流行に左右されず、フードファディズムとは無縁で伝統的な日本食を毎日食べていれば、病気とは無縁な健康的な体を維持することが出来るのですね。

2012年1月30日(月) 養生の基本
養生訓とえば、江戸時代前期の本草学者である貝原益軒が記した書物ですが、この本は、最晩年の83歳の時に書かれたもので、当時の平均余命が50代にも達していない時代に、この歳で著作活動をしていたのですから、驚きです。さすが、養生に精通した貝原益軒ならではの長寿命だったのでしょう。

この養生訓は、当時、農民などの無学の人のために書かれたもので、文章がとても平易で繰り返し同じことを分かりやすく養生について解説しています。なので、現在の人でも、とてもわかりやすい内容になってます。当時の養生が、現代の機械や電気に囲まれた生活の中で通用するかはわかりませんが、時代変われど、人の体の構造・機能は変わりませんので、基本的な考え方などは、十分に通用するでしょう。

その中で、養生の第一は、自分の体を損なうものを除去することだと言ってます。その体を損なうものに、体の内部から生じる欲望と体の外部からやってくる邪気を挙げています。これは、東洋医学でいう、”七情”と”六淫”がそれに当たります。

七情は、怒・喜・悲・恐・驚・思の人の感情を言い、六淫は、風・寒・暑・湿・燥・火の自然現象を言います。それ以外にも、たとえば、飲食の欲、好色の欲、睡眠の欲、言語を欲しいままにする欲を挙げて、これらの欲望を我慢し少なくして、邪気を防ぐことが出来れば、たえず健康で元気に、病気せずに天寿を全うすることが出来るだろう、と言ってます。

確かに、現代では、ストレス社会で、七情の欲を抑えることが難しくなっています。いつの時代も飲食、好色等々の欲は、普遍的ですから、飽食の国日本では、かなり増大していきそうです。人間の本能ですから仕方ないでしょうけれども、それを我慢して、ほどほどにすることが肝要であることも、いつの時代も普遍的です。

養生の基本は、結局、心の持ち方がとても重要だ、ということなのでしょう。邪気は、現代の科学文明でどうにか克服できそうですが、それが間違った方向に進むと別の邪気が増えてきて、それに対して対処する必要が出てきますので、結局これも心の持ち方が重要になるのでしょう。

極端に走らず、中庸の精神で、過ごしていくことが、養生の基本の基になりますね。

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