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子宮筋腫の治療

●西洋医学的な”子宮筋腫”とは・・・
子宮筋腫は、子宮の筋層を構成している平滑筋部分に発生する平滑筋腫をいいます。成人の女性の20%に発生するといわれています。30歳代から多く見られるようになり、好発年齢は40歳代閉経期にピークとなり、閉経後は激減します。

子宮筋腫がなぜできるかについては、卵胞ホルモンのエストロゲンが作用しているのではないかと言われています。初潮前と閉経後の女性には、筋腫が存在しないことと、エストロゲンを押さえる薬を服用すると筋腫が小さくなるということから、推測できるのですが、ではその発生原因はというと、まだはっきりとは分かっていません。

【子宮筋腫の発生部位】

    @子宮体部・・・ 子宮体部に発生する筋腫を体部筋腫といい、子宮筋腫の95%はここに発生します。子宮体部は、子宮上部の3分の2の部分。

    子宮筋腫
    漿膜下筋腫 子宮漿膜直下(子宮の外側)に発生した筋腫で、子宮の表面(漿膜面)に向かって発育していくのが特徴。子宮の外側にありますので、筋腫が大きくても筋腫特有の症状はほとんどありません。
    筋層内筋腫 子宮筋層の内部(子宮壁の真ん中)に発生し、筋層内で発育。子宮壁筋層の中に囲まれています。子宮筋腫では最も多いタイプ
    粘膜下筋腫 子宮内膜直下(子宮の内側)に発生し、子宮内腔に向かって発育していくのが特徴。頻度は少ないですが、筋腫が小さくても過多月経月経痛などの症状が強く現れ場合が多いようです。



    A子宮頚部・・・子宮頸部に発生する子宮筋腫を頸部筋腫といいます。子宮頸部は、子宮下部3分の1の部分。
    B筋腫分娩・・・粘膜下筋腫の特殊なタイプで、粘膜下筋腫が有茎性(茎を持って)に発育し、その茎が次第に延長し、ついには筋腫自体が子宮外(膣内や陰裂外)まで脱出した状態を筋腫分娩と呼びます。

【主な随伴症状】
@過多月経
A月経困難症(月経痛)
B不妊
C下腹部の膨大、腫瘤の触知
D隣接臓器への圧迫症状
E疼痛・・・・など

@ABは子宮筋腫の自覚症状として最も多い症状で、@Aの症状が続くようでしたら、子宮筋腫を疑う必要がでてきます。Bの不妊症についてですが。筋腫のある部分によって、妊娠に差し支えない場合もあり、また摘出手術をする必要のない場合もありますから、必ず不妊症になるとは限りません。

摘出手術をするかどうかは、筋腫の大きさ年齢、症状の程度によって決められるようですが、一般的に手の握りこぶし大以上で、症状が重い場合に、手術をします。手術方法についても、年齢的に若い女性や子供を望む女性に対しては、筋腫の核のみを摘出する手術をします。また、ホルモン治療や筋腫を栄養している動脈を止める、子宮動脈塞栓術などによって、筋腫を小さくする治療も行われています。

東洋医学的な”子宮筋腫”とは・・・
東洋医学には、”子宮筋腫””癥瘕”といったり、”石瘕”ということもあります。 ”癥”というのは、腫瘤(しこり)を意味して、西洋医学でいうところの腫瘍をいいます。”瘕”も同じように腫瘤を意味しますが、”癥”が硬く動かない腫瘤を意味するのに対して、”瘕”は押さえても触れることのない移動性の腫瘤をいいます。

筋腫などの”癥瘕”がなぜ発生するかというと、子宮を寒邪が襲い、気血の流れが悪くなることによって、月経によって排出されるはずの血が出ずに、腐った血の塊となって止まり、それが硬い塊となることによって起こるとされています。

基本的には、気血の流れが悪くなることによって、”瘀血”が生じるところから始まります。自覚症状で多い、月経痛は、瘀血症の特徴で、また過多月経も瘀血によって血海が狭くなっていますので、月経でない時期から出血が始まり、出血がだらだらといつまでも続くようになります。

ですので、東洋医学では、筋腫発生の原因になっている、気の滞り(気滞)や悪くなった血の流れ(瘀血)を改善するような治療をしていきます。 では、どんなタイプがあるか見ていきましょう。

瘀血 瘀血になる原因には、さまざまなものがあります。気滞(気が滞った状態)・気虚(気虚が不足している状態)・寒凝(冷えが体内を侵し凝集した状態)・血熱(血が熱に侵された状態)など・・・これらは全て、血液循環を妨げ、瘀血の原因となります。瘀血が形成されると、月経時に排出されずに停滞し蓄積し、その陰血が筋腫となります。
痰湿阻滞 痰湿は、脾や腎の機能が失調すると、津液(体内の水分)の循環、排泄が上手く行えなくなり。余分な津液が、病理物質である痰を形成し、気血の巡りを阻害するようになります。痰湿が単独で子宮や卵巣内に停滞すると、”卵巣嚢腫”や”卵管水腫”になり、気血が一緒に停滞すると筋腫を伴います。
気滞 長期にわたって気分が塞いだり、あるいは怒りやすく、常にイライラしたり、また過度のストレスなどによって、肝気が鬱滞して気の流れが悪くなることによって引き起こされます。また、いつもくよくよとして、考え事や心配事ばかりすることによって、脾気を損傷して、気の流れが悪くなることによっても引き起こされます。気滞単独で筋腫が起こることはなく、気滞が原因になり、気血の巡りを阻害し、結果として筋腫を発生させてしまいます。

子宮筋腫のタイプ別特徴・・・
瘀血 月経量多、月経痛 経色暗紫色・レバー状の塊 不正出血 刺すような痛み、固定痛、あざが出来やすい、皮膚のかさつき 顔色が暗い
痰湿阻滞 帯下量多 粘稠質 時折痛む 胸部苦悶感 精神疲労、無力感、頭重 眩暈 食べても美味しく感じない 口が粘つく
気滞 月経不順 月経前〜開始時の月経痛 移動性の脹痛 下腹部の脹満感 精神的な抑うつ感 イライラ、怒り易い ため息 ゲップ 腹鳴 おなら 

タイプ別治療方法・・・
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瘀血 治療部位 背腰部 腹部 下腿 前腕
治療方法 【活血化瘀法】
鍼治療は、やや強めの刺激で、瘀血を取り除いていきます。また、温灸や棒灸を組み合わせることによって、血液循環の改善を図ります。
痰湿阻滞 治療部位 頭部 背腰部 腹部 前腕 下腿 
治療方法 【理気化痰法】
鍼治療は、やや強め刺激で、津液の代謝を良くするようにし、冷えを伴う場合には灸を多用します。眩暈などがある場合は頭部に刺鍼します。
気滞 治療部位 背腰部 腹部 下腿 前腕
治療方法 【理気行滞法】
鍼治療は、やや強めの刺激で、気の巡りを良くするようにします。瘀血や痰湿の症状を伴うときは、灸を併せて施します。

治療期間と周期・・・
月経前の症状が強く出ている場合には、排卵期から月経前に集中して治療をしていきます。また、不正出血を伴う場合には、月経後期から低温期にかけて集中して治療していきます。

月経の3周期の治療を1クールとして、概ね3〜5クールで、筋腫を小さくし、場合によっては取り除い<ていきます。

1クール目 最も辛い症状を中心に治療(標治)していきます。余分なものは取り除き、足りないものを即席に補います。
2クール目以降 辛い症状が改善したら、次は体質改善(本治)です。じっくり足りないものを補充し、体をリラックスさせ、体全体の調和を図りますます。

治療の初期段階で、辛い症状は取れますので、最初1クールは、症状の強く出る前の時期に週1回間隔で来院してください。症状が楽になりましたら、症状や体質に合わせて10日に1回から隔週1回程度のペースで来院することで、筋腫を小さくすることができます。

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