上肢の痛み(痺れ)
肩の痛み・上腕の痛み・肘の痛み・前腕の痛み・手の痛み
お断り:上肢に関する疾患は、多種多様を極めています。浅学な私は、全ての上肢の疾患について述べることはできません。鍼灸治療が適応する疾患のうち、当方が経験したごくごく僅かな疾患についてのみ述べます。また疾患の多くは、慢性的に発症したものが多いようです。炎症が強い場合、進行性の場合は、早期に専門医での精査をおすすめします。


@肩の痛み

「肩関節」と「肩」の区別
★まず最初に、「肩関節」と「肩」の区別をしておかなければなりません。右図のように、「いわゆる肩こりを起こす肩」は、医学的には、「頸」に属します。
★「肩関節」は、文字通り、「関節」を示します。

「肩関節痛」と「肩痛(肩こり)」の区別
★「肩関節痛」と「肩痛」は混同されやすいのですが、「肩関節痛」は肩関節を動かしたときの「肩関節の痛み」であり、
★「肩痛(肩こり)」は、肩関節の運動とは無関係の、別項で述べた、筋肉の過使用による緊張や頚部の末梢神経障害による「痛み(こり)」です。


肩関節の痛み
★「肩関節の痛み」は肩関節を動かしたとき(回したり、横に挙げる)の「痛み」で、「痛み」は主に肩関節に限局化されることが多いようです。時に痛みは、上腕や前腕に関連した痛みを招くことがあるようです。肩関節の痛みでは、関節を固定する(動かさない)ことが大切なようです。肩関節の痛みを生じる疾患は多くありますが、ここでは代表的な三疾患を挙げます。

上腕二頭筋長頭腱炎:肩を前方に曲げても後方に伸ばしても、主に肩関節前面が痛みます。これは力コブを作る筋肉の障害が多いようです(肩関節1)。
腱板炎:肩を側方(横)に挙げた場合、肩関節の外側が痛むもので、肩を横に挙げる腱板という筋の障害によるものです(肩関節2)。
五十肩(四十肩):肩関節全面が痛むもので、主たる原因は加齢によるものですが、上記の上腕二頭筋長頭腱炎や腱板炎が基盤となって発症することが多いようです。

肩の痛み
いわゆる「肩の痛み」については、「頚」に原因することが多いため、本HPの別項に詳述しています。参照してください。本症では、障害した頚部の位置によって後頭部や肩甲骨内縁が痛むこともあるようです。また、本症では、頚部を横に曲げたり後ろに反ったりすると痛みが増悪することがあるようです。これは、炎症を起こした頚部の神経根への刺激(頸椎症性神経根症)が原因であると思われます。
★また、理美容師や教師、時にテニスプレイヤーなどの上肢を多用する場合、いわゆる「肩」や肩甲骨内縁が痛む場合もあるようです。これは、頚部で神経が締め付けられている胸郭出口症候群と推定される場合もあります。




A肘の痛み
肘関節外側の痛み(肘関節1)
★肘関節外側の痛みとしては、
「テニス肘」が知られています。「テニス肘」は「外上顆炎」とも言われ、単なる「テニス肘」の段階では、肘の周囲の筋や靱帯の障害(前腕1)ですが、慢性化すると肘関節炎となり治療に抵抗するようです。
肘関節内側の痛み
(肘関節2)
★肘関節内側の痛みとしては、
「ゴルフ肘」、時として「野球肘」として知られています。「ゴルフ肘」、「野球肘」は「内上顆炎」とも言われ、単なるこれらの段階では、肘の周囲の筋や靱帯の障害ですが、慢性化すると肘関節炎となり治療に抵抗するようです。




B手の痛み・手の痺れ、指の痛み・指の痺れ

★手の痛み・手の痺れの見方として、手を動かさなくて痛みやしびれがある、もしくは手に力が入らない場合は、末梢神経の障害、手を動かして痛む場合は、筋、靱帯、関節などの障害があるようです。ここでは、多くの疾患のうち、小生が経験したごく僅かな疾患について記します。
末梢神経の障
頚部の障害に起因するもの
★手を動かさなくて、手の痛み・手の痺れの位置が、拇指や示指拇指側ではC6、中指ではC7、環指や小指ではC8の頚部の神経根の障害が疑われます。
時として、頚部の運動でこれらの痛みやしびれが増悪することがあります。
★頚部の神経根障害については、別項に詳述しています。
ここでは、主に痛み・痺れなどの知覚障害を対象にしていますが、筋力検査などの神経学的検査を行うことが必要です。

頚部の障害によるもの 前腕の障害によるもの
★手を動かさなくても、手の痛み・手の痺れの位置が、拇指や示指拇指側ではC6、中指ではC7、環指や小指ではC8の頚部の神経根の障害が疑われます。時として、頚部の運動でこれらの痛みやしびれが増悪することがあります。
★頚部の神経根障害については、
別項に詳述しています。
★拇指から環指半分までの障害では、正中神経の障害で、回内筋筋症候群(前腕での障害)、手根管症候群(手関節の障害)などが考えられます。物をつまんだり、握ったりすることが困難なことがあります。
★環指半分から小指での障害では、尺骨神経の障害で、肘部管症候群(前腕での障害)、尺骨神経管症候群(手関節近くの障害)などが考えられます。環指と小指で物をつまんだり、握ったりすることが困難なことがあります。
★前腕背側から手背の痺れ・痛みの場合は、橈骨神経の障害が考えられます。指を伸ばすことが困難になることがあります。

筋、靱帯、関節などの障害
筋、靱帯、関節などの障害は、極めて多岐にわたり、ここで論ずることは不可能です。ただ、覚えておいてほしいのは、動かして痛いのは、多くは、筋、靱帯、関節などの障害です。
★そして、多くの場合、痛みの位置は、関節上、もしくは関節の近辺にあるような印象を受けます。
多くの疾患のうち、慢性的に発症して、痛みの位置が、関節上、もしくは関節の近辺に痛みが認められる時は、代表的な疾患としては変形性関節症、または弾発指などが挙げられます。









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