企業が社員に対して期待することは、「各社員がそれぞれの与えられた職務を責任もってやり遂げ、そうしたプロセスを通して、各社員の能力の向上を願う。そのような集団になれば、どんな苦境に遭遇しても乗り切ることができ、企業の反映は約束され、社員も幸福な充実した人生を送ることができる」というところにあるのではないでしょうか。


 ひとつの目的を達成するには、必ず何らかの仕組みが必要です。目的を描いて、ある日突然達成できましたというのは偶然です。宝くじの1等と同じです。偶然は反復継続しません。まして、企業は個人の集団です。様々な意識で働いている人の集団です。その集団に対して上記の期待をもち、その方向に向けるには仕組み(システム)は欠かせないのです。


 企業業績も勝ち組と負け組が明確になってきました。しかし、勝ち組とはいえ常勝できるかどうかわかりません。右上がり時代は全企業が勝ち組でした。だから、賃上げも一律で、社員も年功的な賃上げを期待して、若いときは低賃金でも辛抱していました。これもその時代を背景としたひとつの「システム」だったのです。


 しかし、ご承知のとおり、この「システム」は今は通用しません。新たな「システム」が必要です。よく「賃金制度を変えると社内が混乱する」、「今のままで十分だ」と言われることがありますが、従業員意識調査を実施すると、そういう企業にかぎって、「当社には賃金制度がない」、「評価があいまいだ。もっときちんと評価して欲しい」、「機会があれば辞めたい」などの回答が返ってきます。


 当事務所が考える人事賃金システムは、


● 社員の「仕事に対する姿勢」、「行動」、「成果」を評価し、賃金に反映させる。
● 企業の業績に基づいて、賃金の原資を決める。
● 評価を通した社員の成長が処遇につながることを周知徹底する。



 の3項目を基本コンセプトとしています。


 
 
● 能力・役割等級制度

 管理職は役割の遂行、非管理職は能力の向上を軸に評価することが重要です。従来の年功、学歴による評価は捨て去りましょう。


● 給与

 青天井の自動昇給は社員のモラールアップに貢献しません。どうすれば、給与が上がるのかを明確にして、納得の上、余分な固定費を削減、無意味な昇給を排除します。


● 賞与

 会社業績と最も連動します。会社業績から賞与原資を計算し、それを個人評価で分配することが基本的なスタイルです。


● 退職金

 ポイント制退職金または前払い制退職金を推奨します。いずれも勤続貢献を重視するものの、従来の制度と比べると相当業績貢献部分が反映されます。また、基本給からの切り離しにより、退職金に伴う債務の膨張を減らします。


● 人事評価

 最も重要かつ難しい分野です。しかし、これを無視して人事賃金システムは成り立ちません。たくさんの評価項目は必要ないです。最初は、社員に最も望む事項を数項目でもかまいません。運用を重視して、簡単なところからスタートして肉付けしていくのが成功への近道です。








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