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Q 会社の事業目的と同じビジネスを個人的に始めたい役員がいるのですが、競業避止義務に違反しませんか


Q 役員の不適切な業務執行により、会社債権者や取引先が損害を被った場合、当該役員は、直接損害賠償責任を負うことになりますか。


Q 当社では社員を取締役にすることになりました。その際、責任を自覚してもらうために株式を取得させたいと考えているのですが可能でしょうか?


Q 当社は株主総会の決議を経て資本金を減少することにしました。その際、債権者から異議通知書が送られてきたのですが、どのように対応する必要があるのでしょうか?


Q 当社は非公開会社です。株式には譲渡制限が付いているのですが、株主が第三者に対して株式を譲渡したいと申し出てきました。拒否することはできないのでしょうか?


Q 先日、取締役をしている会社の株主総会で取締役の解任を決定されてしまいました。どうしても納得ができないため、この解任を取り消したいのですが、可能でしょうか?

































Q 会社の事業目的と同じビジネスを個人的に始めたい役員がいるのですが、競業避止義務に違反しませんか。


 会社法356条に「競業及び利益相反取引の制限」があります。これを見ますと、取締役は競業避止義務を負っているため、会社の事業の部類に属する取引を行うことは原則として禁止されています。ただし、株主総会の承認を受ければ当該取引を行うことができます。(取締役会設置会社においては、取締役会の承認になります。)ですから、この承認を得れば違反とはなりません。

 もし、この承認を得ずに取引を行ってしまった場合、この役員が得た利益額が会社の被った損害の額であると推定され、責任追及されることになります。(会社法423条第2項)


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Q 役員の不適切な業務執行により、会社債権者や取引先が損害を被った場合、当該役員は、直接損害賠償責任を負うことになりますか。


 役員が会社に損害を与えた場合は、役員と会社は委任契約があるため、債務不履行責任を負います。しかし、役員と直接契約のない会社以外の者に責任を負うとなると、当該会社以外の者に対して役員が不法行為をした場合になります。

 債務不履行に基づく損害賠償は、損害を受けた者(この場合は会社債権者や取引先)が違反行為と損害の発生の因果関係を立証しなければなりませんが、違反者(この場合は役員)に故意、過失等があることを立証する必要はありません。これに対して、不法行為は、損害を受けた者が違反者の故意、過失等を立証しなければなりません。

 役員が、業務執行上において、第三者に対する故意、過失等は通常認めることは困難です。そのため、会社法第429条で「役員等の第三者に対する損害賠償責任」を定めています。本条は旧商法の第266条の3に相当する規定です。

 内容は、役員の業務執行において、任務懈怠行為があり、それが悪意または重過失であるときは、役員は損害を受けた第三者に対して直接損害賠償責任を負わなければならないというものです。この規定により、役員は会社だけでなく、会社以外の第三者に対しても直接責任を負うことが明確になっています。

 該当する行為として、「放漫経営による債権の不良化」、「支払い能力がないことを知りつつ振り出した手形が不渡りになった」、「調査不十分で多額の投資をして会社が破綻した」などがあげられます。会社が倒産した場合、倒産理由によっては債権者が役員に責任追及することが考えられます。

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Q 当社では社員を取締役にすることになりました。その際、責任を自覚してもらうために株式を取得させたいと考えているのですが可能でしょうか?

 公開会社では株主に限定することができません。取締役は、社会から広く能力のある人材を求めることを可能にすることと、一部の大株主に取締役が限定されてしまう弊害をなくすためにこのように規定されています。(会社法331条2)

 しかし、株式譲渡制限会社では、取締役の資格を株主に限定することが可能とされています。ただし定款にその旨を定めることが必要となります。株式譲渡制限会社では、「所有」と「経営」が一致している場合が実体として多くあるため会社法改正のときに実体に合わせた形を取るようになりました。

 ≪定款例≫
 第○条 当会社の取締役は株主に限る。

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Q 当社は株主総会の決議を経て資本金を減少することにしました。その際、債権者から異議通知書が送られてきたのですが、どのように対応する必要があるのでしょうか?

 債権者から異議を述べられたときの会社の対応としては、次の3つがあります。
 @債権の弁済
 A相当の担保の提供
 B弁済を受けさせることを目的とする信託会社への信託

 資本金を減少することによって債権者が被害を被る場合、債権者を保護する必要があるためこのような対応が必要になるのです。

 ですから、債権者を害するおそれがないときは、上記の対応をとる必要はありません。
 例えば、異議を述べた債権者の債権に抵当権などの十分な担保がついている場合があります。このような場合は、すでに担保が提供されているため債権者が害されることはないため、会社として上記の対応をとる必要がないのです。また、欠損を補填するために準備金を減少させる場合も上記と同様に債権者を害することはないため、上記の対応をとる必要はありません。

 債権者が異議を述べることができるのは、自分の債権が害される恐れがあるときにその債権を保護する場合であり、必要以上の債権者保護を与える必要はないのです。

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Q 当社は非公開会社です。株式には譲渡制限が付いているのですが、株主が第三者に対して株式を譲渡したいと申し出てきました。拒否することはできないのでしょうか?

 譲渡制限株式といっても、株主が第三者に株式を売ってはいけないと会社が主張できるものではありません。譲渡をするには株主総会(取締役設置会社であれば取締役会)の決議によらなければいけないのであって、第三者への売買を絶対にしてはいけない株式というわけではありません。

 株主が買取人を指定して譲渡の承認を申し出てきたときは、株主総会(取締役会)の決議にかける必要があります。
 その結果、承認すれば当該買取人に譲渡することになります。
 しかし、当然拒否することもできます。
 ただし、拒否する場合は、会社が自ら株式を買い取るかその他の買取人を指定しなければいけません。
 承認、買取、買取人指定のいずれかを選択し、2週間以内に当該株主に通知する必要があります。もし通知を忘れてしまうと譲渡が認められたとみなされるため拒否する場合には忘れないように注意が必要です。

 以上のように、株主が第三者に対して譲渡することを拒否することはできるのですが、他の譲受人を探すか自社で買い取る必要があるため、譲渡自体を拒否することができないのです。

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Q 先日、取締役をしている会社の株主総会で取締役の解任を決定されてしまいました。どうしても納得ができないため、この解任を取り消したいのですが、可能でしょうか?

 取締役の解任は、いつでも株主総会の決議によってすることができます。(会社法339条)
 したがって、正当な手続きで株主総会が開かれ、決議されたのであれば解任を取り消すことはできません。
 ただし、株主総会の手続きに瑕疵がある場合、例えば召集手続きを怠っていたことや決議方法が法令に違反していたときは、株主総会の決議取り消しの訴えを決議より3ヶ月以内に裁判所へ提訴することができます。

 納得ができない理由であっても解任することには特に理由は必要なく、解任自体は有効なものとなります。
 しかし、その解任について正当な理由がない場合は、解任を取り消すことはできませんが、解任によって生じた損害の賠償を請求することはできます。

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