Q 振出人の資金不足による不渡り手形を回収する方法はないでしょうか。
Q 白地手形のリスクは何でしょうか。
Q 弁済期が到来していない売掛金と買掛金を相殺したいのですが、可能でしょうか?
Q 医療法人を経営しているのですが、MS法人の設立を考えています。理事長がMS法人の代表取締役になることは可能でしょうか?
Q 売買契約を結んだのですが、契約書を作っていません。この契約は無効でしょうか?
Q 消滅時効が完成しないように、時効完成前に催促の手紙を送りました。この場合、時効は中断されるでしょうか?
Q ある商品を売る契約をしました。この商品を破損してしまい、売ることができなくなってしまいました。この場合、どのように責任をとることになるのでしょうか?
Q 現金を贈与する契約をしたのですが、撤回することはできるでしょうか?
Q 土地50坪を購入したのですが、実際の面積が契約面積より8坪ほど少なかった場合、契約の解除はできるのでしょうか?
Q 取引先A社が倒産しました。当社はA社に対して債務を有していたため、A社の債権者であるB社とC社より債権譲渡通知が届きました。どちらに対して債権譲渡すればいいのでしょうか。
Q 土地50坪をBさんから購入したのですが、そのうち10坪はCさんのものでした。この契約を解除したいのですが可能でしょうか?
Q 債務不履行により契約を解除したいのですが、どのような手続きを取る必要がありますか?
Q 当社は土地を借りているのですが、近所で工事をすることになり、賃貸人に無断でその土地の一部を駐車場として一時的に工事業者に転貸しようと思います。問題はありますか?
Q 営業権を譲渡してもらうことに伴い、現在の店舗の賃貸借契約を譲渡してもらおうと思います。このとき敷金はどのようになるのでしょうか?
Q 営業権を譲り受け、譲渡人の商号を引き続き使用することになりました。この場合、既存の債権債務はどのようになるのでしょうか?
Q 売掛金と買掛金の相殺をしたいと考えているのですが、相手方の承諾は必要でしょうか?
Q 理事のする行為について制限を加えることは可能でしょうか?
Q 商品購入の申込書を郵送で発送しましたが先方が届いていないと主張し購入することができません。申込書を発送したのに有効にはならないのでしょうか?
Q 相続のことを考えているのですが、遺言はどのようなときに必要になるのでしょうか?
Q ある人から土地を購入したのですが、登記をする前にその人が亡くなってしまい、相続人がその土地を登記してしまいました。自分の土地であることを主張することはできないのでしょうか?
Q ある特殊な商品を購入する際に、知識がないため代理人を選任しました。その代理人が購入してきた商品に瑕疵があったのですが、売買契約を解除することはできますか?
Q 自分の借金を無断で友人が返済し、その友人から高い利率で弁済を要求されて困っています。断ることはできないのでしょうか?
Q 時計を購入したのですが、引渡しを受ける前にその時計が壊れてしまいました。この場合、お金を支払う必要はあるのでしょうか?
Q 振出人の資金不足による不渡り手形を回収する方法はないでしょうか。
この場合、3つの法的手段をとることが重要です。
まず1つ目は、仮差押えです。これは、債務者が財産を隠したり、他の債権者が優先的に弁済を受けたりするのを防ぐために、債務者の財産を処分できないように凍結する手段です。裁判所に仮差押えの申し立てを起こし、保証金を供託します。保証金の額はだいたい請求金額の10%〜30%くらいです。不動産だけでなく、預金、売掛金、商品、機械なども仮差押え可能です。
そして2つ目は、手形訴訟です。これは、通常の訴訟なら判決まで1年以上かかるのに、2〜3ヶ月で判決が出るため、早く回収をすることができます。方法は、手形訴訟の訴状と不渡りになった手形のコピーを裁判所に提出します。たいてい1回の審理で手形判決してくれ、手形所持人がほとんどの可能性で勝ちます。
3つ目は強制執行です。手形訴訟で判決をもらっても、相手が素直に支払わないときに強制執行をします。相手の所有しているものなら何に対してもできますが、1つ目にあげた仮差押えをしている場合は、まずそれに対して強制執行します。
このように上記にあげた3つの法的手段をとることによって手形金額を回収できる可能性を高くすることができます。1つでもかけてしまうと可能性が低くなってしまうため、3つ同時に行うことをお勧めします。
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Q 白地手形のリスクは何でしょうか。
白地手形には4種類あります。
@受取人が白地のもの
A振出日が白地のもの
B支払期日が白地のもの
C金額が白地のもの
この中でリスクのあるものとそうでないものがあります。
@については、特に問題はありません。受取人欄を白地にしておくと裏書などをせずに手形の譲渡ができるため、このように発行する手形はよくあります。
Aについては、一番多いケースですが、不利益にはなりません。
Bは非常に怖い手形となります。支払期日が白地ということは、いつ支払期日が来るか分からず、資金計画がたちません。資金に余裕がない場合、不渡手形になる可能性が高くなってしまいます。
Cについては、致命的な手形になってしまいます。相手次第でいくらでも金額を設定されてしまいます。受取人が1億と書いてしまえば、1億円払わなくてはいけないのです。
上記のように特にリスクのあるものはBとCです。
手形を発行する際には、B、Cの白地手形にならないように気をつけなければなりません。
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Q 弁済期が到来していない売掛金と買掛金を相殺したいのですが、可能でしょうか?
相殺は、原則双方の債権が弁済期にあることが要件として挙げられています。(民法505条1項)
しかし、受動債権(この場合、買掛金)については、相手方が期限の利益を放棄(弁済期前に支払いをする)すれば相殺をすることは可能です。(民法136条2項)
では、自動債権(この場合、売掛金)の弁済期前に相殺をするこはできないのでしょうか?
上記に示したように、原則はできませんが、売買契約書の中に下記のような特約を入れることによって可能となります。
「売主が買主に対して債務を負担しているときは、売主は自己債権の弁済期の到来すると否とを問わず、自己債権と買主に対して負担する債務の対当額につき相殺できるものとする。」
ただし、法律で相殺が禁止されているものについては、不可能です。たとえば、不法行為による損害賠償債権と貸付債権の相殺などが考えられます。
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Q 医療法人を経営しているのですが、MS法人の設立を考えています。理事長がMS法人の代表取締役になることは可能でしょうか?
医療法人は意思決定において、大原則の「非営利性」を貫かねばなりません(医療法54条)。それに対して、MS法人は営利法人ですから「利益追求」を貫くことになります。理事長がMS法人の代表取締役になると、両法人の代表権、業務執行権を持つことになり、「非営利性」に抵触する可能性があるため、避けるべきだと思います。
それでは、医療法人の理事長でない理事が代表取締役になるのはどうでしょう。
医療法46条の4において、「理事長は医療法人を代表する」となっていますし、多くの医療法人では、設立時にモデル定款を使っているため、定款に「理事長のみが本社団を代表する。」と書かれていると思います。このことから、理事には医療法人の代表権や業務執行権がないことが分かります。
理事がMS法人の代表取締役になり、利益追求したとしても、医療法人の意思決定においては理事会で制御されますし、代表権もないことから「非営利性」に抵触することはないと考えられます。
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Q 売買契約を結んだのですが、契約書を作っていません。この契約は無効でしょうか?
売買契約は、承諾の意思表示が外形上合致することで成立します。つまり、口約束でも契約書が作っていなくても契約自体は成立し、有効なものとして扱われます。
しかし、契約書がないと後日になって契約の有無や契約内容についてトラブルになりやすいです。契約書はそのときの証拠となります。契約書がなく、トラブルが発生した場合、何か証拠を探さなくてはいけません。この証拠については、メールやメモ、証人による証言など、どのようなものでも証拠にできるのですが、判断する人が信用するかどうかは別問題です。何らかの理由をつけて争われる可能性もあります。
口頭でも契約は成立するとはいえ、確実な証拠として契約書を作成するべきでしょう。
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Q 消滅時効が完成しないように、時効完成前に催促の手紙を送りました。この場合、時効は中断されるでしょうか?
時効には下記の中断事由があります。
@裁判上の請求
A差押え・仮差押え・仮処分
B承認 ・・・ 相手方が一部の支払いをしたりすること。
つまり、催促の手紙を送る(催告)だけでは時効は中断しません。催告は時効を一旦停止させる効果はありますが、その後6ヶ月以内に裁判上の請求を行わなければ効果はなくなります。
ですから、時効を中断させるためには、催促の手紙→裁判上の請求をすることが1つの方法です。しかし、裁判上の請求をするまでもなく、相手方がBの承認をすれば事項は中断されます。
また、時効の停止は1回限り有効なため、繰り返し行うことはできません。
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Q ある商品を売る契約をしました。この商品を破損してしまい、売ることができなくなってしまいました。この場合、どのように責任をとることになるのでしょうか?
売買契約をした商品が、特定物(物の個性に着目している)か種類物(種類と数量のみに着目している)かによって責任の種類が変わってきます。
まず、種類物の場合です。
この場合は、物の個性には着目せず、種類と数量にのみ着目しているため、破損して、その物を売れなくなってしまったのであれば、同様の物を再調達する責任を負います。
次に、特定物の場合です。
この場合は、物の個性に着目して取引をしているため、善管注意義務を負います。
商品の破損ということで、善管注意義務に反しているため、債務不履行に基づく損害賠償責任を負うことになります。
ただし、債権者の受領遅滞があった場合は、債務者の故意または重過失の場合にのみ責任を負うことになるため、不可抗力で破損してしまった場合などには責任をとる必要はありません。
しかし、もし債務者の履行遅滞があった場合は、不可抗力で破損してしまった場合も責任を負うため損害賠償責任が発生します。
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Q 現金を贈与する契約をしたのですが、撤回することはできるでしょうか?
贈与契約の撤回については、民法550条に規定されています。
今回の贈与が書面による贈与なのか口頭での贈与なのかによって撤回できるかどうかも違ってきます。
民法550条によると、書面によらない贈与は撤回することができるとあります。ですから、口頭で現金を贈与する契約をしたのであれば撤回することは可能です。
しかし、但し書きに、「履行の終わった部分については、この限りでない。」とあるため、たとえば100万円の贈与契約に対して40万円の引渡しが済んでいる状態であれば、残りの60万円については撤回できますが、40万円については撤回できません。
贈与契約は、他人に物を上げる契約のため、もともと親しい仲、知っている人に対して行うことが想定されており、人物関係を重視した契約となっているため、安易に贈与契約をしてしまった贈与者を保護するために口頭での契約の撤回が認められています。しかし、履行してしまった部分まで保護するのは、行き過ぎた保護と考えられるため撤回できないことになっています。
また、550条の反対解釈により、書面での贈与契約は撤回することができないとされています。
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Q 土地50坪を購入したのですが、実際の面積が契約面積より8坪ほど少なかった場合、契約の解除はできるのでしょうか?
このような場合、面積が契約よりも少なかったことによって本来の目的が達成できるかどうかで結論が変わります。
たとえば、その土地に家を建てる予定だったとします。
この場合、50坪の面積が確保できなければ、予定していた家が建てられないなどの理由により、土地の購入自体そのものが不必要であったのであれば、本来の目的を達成することができないため契約を解除することができます。また、解除と同時に損害賠償請求をすることも可能です。
また、42坪の面積でも目的を達成できるのであれば、これもまた解除することができません。
この場合は、代金の減額を請求し契約金額よりも安い金額で購入するか、債務不履行による損害賠償を請求する形になります。もちろん、代金減額請求と損害賠償請求を同時にすることもできます。
ただし、契約する前から50坪の面積がないことを知っていた場合は、解除、代金減額請求、損害賠償請求、いずれもすることができません。
また、この権利を行使できるのは、坪数が少なかったことを知ってから1年以内と定められているため、1年を超えても請求することができないため、注意が必要です。
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Q 取引先A社が倒産しました。当社はA社に対して債務を有していたため、A社の債権者であるB社とC社より債権譲渡通知が届きました。どちらに対して債権譲渡すればいいのでしょうか。
民法467条には、「債権譲渡通知は確定日付ある証書によってしなければ、第三者に対抗することができない。」と規定されています。
つまり、確定日付があるかどうかがまず問題になります。
B社の通知にのみ確定日付がある場合、467条の規定どおりB社がC社に優先します。ですから、B社に対して債務を支払うことになります。
両社ともに確定日付がある場合は、別の判断基準が示されています。
この場合は、通知の到達時で判断することになります。
B社よりもC社の方が先に到達すればC社が優先されます。確定日付があれば足りるため、確定日付がB社よりも遅い日付でもC社が優先されることになります。
もし到達したときが同じ場合は、B社もC社も債権者として第三者に対抗することができます。債務者としては、どちらか一方に支払いをすれば債務は消滅することになります。
またどちらが先に到達したか分からないときは、同時到達と同じに扱うとしているため、どちらか一方に支払いをすればいいことになります。
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Q 土地50坪をBさんから購入したのですが、そのうち10坪はCさんのものでした。この契約を解除したいのですが可能でしょうか?
売買契約のときにCさんの土地が含まれていることを知っていれば解除することはできません。契約上、悪意の契約ということになり、当然、損害賠償請求をすることもできません。この場合は、代金減額請求をし、契約は有効なものと扱われます。
しかし、Cさんの土地が含まれていることを知らなかった場合は、解除できる場合があります。
購入可能な土地40坪では土地購入の目的を達成することができない場合は、目的不到達を理由に契約を解除することができます。それと同時に損害賠償請求することも可能です。
また、代金減額請求をして契約することもできますし、損害賠償請求を併せてすることも可能です。
つまり、契約時に善意か悪意かによって採れる対策が異なることになります。
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Q 債務不履行により契約を解除したいのですが、どのような手続きを取る必要がありますか?
債務不履行の種類により手続が変わってきます。
履行遅滞による契約解除の場合は、まず相手方に相当の期間を定めて催告をする必要があります。催告をしたのにもかかわらず、契約が履行されない場合は契約を解除することが可能となりますので、契約解除の意思表示をすることにより手続きは完了します。
履行不能による契約解除の場合は、催告をする必要なく、契約解除の意思表示のみで解除することができます。そもそも履行をすることが不可能なため、相手方に催告をしても結果が変わらないため、催告不要とされています。
不完全履行の場合は、追完が可能であれば、履行遅滞の手続きに準じ、追完が不可能であれば履行不能の手続きに準じます。
また、解除の意思表示については、書面ですることは求められていないため、口頭での解除も法的には可能ですが、後々の問題を避けるため、書面での通知による解除をするべきと考えます。
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Q 当社は土地を借りているのですが、近所で工事をすることになり、賃貸人に無断でその土地の一部を駐車場として一時的に工事業者に転貸しようと思います。問題はありますか?
民法612条により、賃貸人の承諾を得なければ賃借物を転貸することはできないことになっています。
このことから、原則、賃貸借契約を解除することができます。
しかし、賃借人の行為が、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足らない特段の事情がある場合は解除することができません。
今回の事例が背信的行為となるか否かが争点となります。
判例では、次のような場合は背信的行為とはならないとされています。
@個人営業から法人に変わり、実質的に変化がない
A転借人と転貸人の関係が親族関係にある
B転貸による義務違反が軽微である(転貸が一時的であるなど)
今回の場合は上記のBにあたるため契約の解除をされるようなことはないと考えられます。
しかし、無断で転貸したとき、転借人が駐車場のアスファルトを破壊してしまったときのように損害を与えてしまった場合は、転貸人である御社も責任を負うことになってしまいます。
このような事態を避けるためにも、賃貸人の同意を得て転貸することを選択するべきです。
今回のような一時使用であれば賃貸人の同意は取りやすいのではないでしょうか。
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Q 営業権を譲渡してもらうことに伴い、現在の店舗の賃貸借契約を譲渡してもらおうと思います。このとき敷金はどのようになるのでしょうか?
今回の賃貸借契約の譲渡では、賃借人(以下、A)の地位が移転し、新賃借人(以下、B)と賃貸人が契約をすることになります。
この場合、敷金については、Bに当然には移転しません。
通常の場合ですと、契約書には敷金返還請求権の譲渡禁止特約がある場合が多いため、Aが賃借権を譲渡すると、Aが敷金返還請求権を行使することになります。その後、Bが賃貸人と新たな賃貸借契約の敷金を差し入れることになります。しかし、このような場合ですと今までの契約条件を不利に変えられたりする可能性があるため、あまり好ましい方法ではありません。
では、このような場合、他にどのような方法をとることができるのでしょうか。
契約書に敷金返還請求権の譲渡禁止特約があるような場合でも賃貸人の承諾を得ることができれば、敷金返還請求権をAからBに譲渡することができます。敷金返還請求権を譲渡することにより、前に述べたようなリスクはなくなりますし、資金の移動も簡便化することができます。通常の場合ですと、賃貸人からAに敷金を返還し、Bが賃貸人に敷金を差し入れることになりますが、譲渡の場合ですと、賃貸人が返還する敷金の相当額をBがAに支払うことにより、敷金自体の変動をすることなく権利の移転が可能となります。
まずは契約書に敷金返還請求権の譲渡禁止特約があるかどうか確認することから始めましょう。
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Q 営業権を譲り受け、譲渡人の商号を引き続き使用することになりました。この場合、既存の債権債務はどのようになるのでしょうか?
まず債務者との関係についてです。 譲渡人(A)に対して負っていた債務を、譲受人(B)に対して勘違いして弁済したときのように、債務者が善意・無重過失でBに弁済したときは、その債権がBに移転していなかったとしても弁済は有効なものと扱われます。つまり、債務者はAに対して弁済したのと同様に扱われます。ですから、債権がBに移転していなかったときはBがAに対して弁済する義務を負うことになります。
次に債権者との関係についてです。 商法では、原則、BもAの営業によって生じた債務を弁済する責任を負うことになっています。この責任を免れるためには、営業を譲渡したあと、遅滞なく、BがAの債務を負わない旨を登記するか、債権者に対してその旨を通知する必要があります。登記をするには費用がかかりますし、手間がかかるため、債権者への通知でこの責任を回避することが有効です。
既存の債権・債務関係をスムーズに処理するためにも、上記で述べたようなことは最低限知っておく必要があります。 問題を大きくしないためにも、債権者、債務者への通知をすることで、上記のような義務や責任を回避することが重要です。
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Q 売掛金と買掛金の相殺をしたいと考えているのですが、相手方の承諾は必要でしょうか?
民法506条1項により相殺は単独行為であることが分かります。よって相殺適状にあれば相手方の承諾なしに相殺することは可能です。 相殺適状とは次の5つの条件を満たすことが必要となります。
1.債権が対立していること。(今回の場合、売掛金と買掛金のため条件を満たしています。) 2.双方の債権が同種であること。(双方とも金銭債権のため条件を満たしています。) 3.自動債権が弁済期にあること。(売掛金の回収期日が到来していることが必要となります。) 4.双方の債権が有効に存在していること。(双方とも存在しており条件を満たしています。) 5.相殺を許す債務であること。(自働債権に同時履行の抗弁権がついていないことなどが必要となります。)
今回の場合は、売掛金の回収期日が到来していることが確認できれば相手方の承諾なしに相殺することができます。 ただし、5にあるように売掛金に同時履行の抗弁権が付着していたり、契約に相殺禁止特約が規定されている場合などは相殺することはできません。
法律上は、上記で示したように相殺は単独行為であるため、相手方の承諾は必要ありませんが、継続的な取引をするような場合、お互いの信頼関係が非常に重要になるため、相手方の承諾は必要ないからといって一方的に相殺するようなことはせずに、相殺の通知をする必要はあるでしょう。
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Q 理事のする行為について制限を加えることは可能でしょうか?
理事は法人を代表する機関であり、一切の事務について執行することができます。
ですから、定款の趣旨に反しない行為については理事の判断ですることが可能です。
ただし、このような行為は理事全員の同意が必要だというような制限を設けることは可能です。定款に定めることによって制限を加えることができます。
例えば、「5,000万円を超える物品の売買をする場合は、理事全員の承諾を要する。」といったように規定することができます。
しかし、このように定款で定めるような内部的な制限は、外部の者は知ることができません。
ですから、民法54条において理事の代理権に制限を加えた場合、善意の第三者には対抗できない旨の規定があります。
理事の権限を信用して取引した者を保護する規定です。定款に理事の代理権について制限があることを知らなかった場合、保護され、取引は有効なものとなりますが、制限があることを知っていた場合には保護されません。
以上から、制限を加えることは可能ですが、取引の安全を考えたときに外部の者との関係でトラブルが生じることがあることを認識する必要があります。
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Q 商品購入の申込書を郵送で発送しましたが先方が届いていないと主張し購入することができません。申込書を発送したのに有効にはならないのでしょうか?
商品購入などの意思表示の効力が発生する時期は、原則としてその意思表示が相手方に到達したときに発生することになります。ですから、発送するだけでは申込みは有効にはなりません。
しかし、発送したのに何らかの手違いで相手方に届かなかったときはどうなるのでしょう。
まず、「到達」とは相手方が知りうる客観的状態を生じたと認められるときのことをいいます。
ですから、郵便局員が誤って申込書をなくしてしまったときのように相手方が知りうる状態にないときは到達していないことになり、申込みは有効となりません。この場合は、郵便局に対する損害賠償の問題になるでしょう。
また、郵便受に投函されていたが相手方が誤って捨ててしまったときは、知りうる状態にあったということで申込みは有効になります。また同居の親族や内縁の妻などが受領した場合も到達したことになるため申込みは有効となります。
ただし、相手方が知りうる客観的状態を生じたかどうかを判断するのは非常に難しいです。
大切な申込みであれば配達記録などの証拠が残る方法での申込みをすることが重要でしょう。
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Q 相続のことを考えているのですが、遺言はどのようなときに必要になるのでしょうか?
遺言に記載されている事項は、法律上は原則として保障されます。
ですから、遺贈、寄付などの財産の処分、遺産の分割方法や子供の認知などについて、このようにしたいという意思があれば遺言を残しておくべきでしょう。
また、相続は「争族」になる可能性が大いにあるため、後に争いを残したくない場合にも遺言を残すべきです。
しかし、遺言があっても相続人が全員一致した場合は、相続人たちで協議分割することができるため、例外的に遺言が保障されない場合もあります。
また遺産の分割方法によっては遺留分の問題も発生するため遺言が保障されない可能性も出てきます。
上記のような例外はありますが、全体的な方向性は崩れることはないでしょう。
ですから、相続についての意思がある場合、争いを避けたい場合などには遺言を残しましょう。
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Q ある人から土地を購入したのですが、登記をする前にその人が亡くなってしまい、相続人がその土地を登記してしまいました。自分の土地であることを主張することはできないのでしょうか?
物権が変動するとき、その変動を外界から認識することができるように公示を要求する原則があります。
不動産においては、「登記」です。
この登記がないと第三者に対抗することができません。
被相続人とあなたは、売買をした当事者の関係にあります。
そして相続人が民法177条でいう第三者に当たるかどうかで対抗できるかどうかが変わってきます。
民法177条の第三者とは、「当事者とその包括承継人以外の者で、登記の欠缺を主張するにつき正当な利益を有する者」をいいます。
つまり、相続人は「その包括承継人」に当たるため、第三者とはなりません。ですから、相続人に対して登記がなくても自分の土地であることを主張することが可能です。
参考までに、無権利の名義人や不法行為者、不法占拠者なども第三者にはならないため、登記がなくても対抗することができます。
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Q ある特殊な商品を購入する際に、知識がないため代理人を選任しました。その代理人が購入してきた商品に瑕疵があったのですが、売買契約を解除することはできますか?
まず瑕疵のある商品の売買契約は、購入者がその瑕疵について善意・無過失であり、瑕疵があることによって目的を達成することができない場合に解除することができます。また、解除するためには瑕疵を知ったときから1年以内にする必要があります。
しかし、今回のように代理人がした行為の場合、本人が善意・無過失である必要があるのか、代理人が善意・無過失である必要があるのかどちらでしょう。
民法101条によると、代理人を基準に善意・悪意が判断されるとあります。
ですから、代理人が商品の瑕疵を知っていたのであれば、本人が知らなくても売買契約を解除することはできません。代理人が善意・無過失であれば売買契約を解除することができます。
代理人によって判断されるため、信頼できる代理人を選任すること、連絡を容易にとることができる代理人を選任することが重要になりるため、慎重に代理人の選任をするようにしてください。
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Q 自分の借金を無断で友人が返済し、その友人から高い利率で弁済を要求されて困っています。断ることはできないのでしょうか?
まず、友人の弁済が有効なものかどうか判断する必要があります。
民法474条では、無効となる第三者弁済として、
1.債務の性質がこれを許さないとき(その人しかできないもの。例えば、画家が絵を描くなど・・・。)
2.当事者が反対の意思を表示したとき
3.利害関係のない第三者が債務者の意思に反して弁済したとき
以上の3つが挙げられています。
ここで、「友人が利害関係のある第三者」に該当するかどうかが問題になります。もし友人が利害関係のある第三者に該当するのであれば、あなたの意思に反して返済をしていたとしても上記の3の反対解釈から有効な弁済となるからです。
判例では「利害関係を有する第三者とは、弁済をすることに法律上の利害関係を有するものを意味する」とされています。法律上の利害関係を有する者には、「物上保証人」や「抵当不動産の第三取得者」などがありますが、友人関係や親子関係などは当たりません。債務者が弁済をしないことで法的に迷惑をかけてしまう人が「法律上の利害関係を有する者」と考えればいいでしょう。
ですから、友人の借金返済があなたの意思に反したものであれば、弁済自体が無効なものとなるため、友人の要求に応じる必要はありません。また無効な弁済になったことにより、友人から弁済した金額の返還を求められたとしても応じる必要はありません。そもそも無効な弁済なわけですから、あたなにではなく、弁済した方に不当利得返還請求をすることになるからです。
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Q 時計を購入したのですが、引渡しを受ける前にその時計が壊れてしまいました。この場合、お金を支払う必要はあるのでしょうか?
時計が壊れた原因によって支払う必要があるかどうか変わってきます。
まず、売主が原因で壊れてしまった場合。この場合は、債務者に帰責性があるため、その時計が特定物であれば債務不履行の問題となり契約を解除することができます。もし時計を引き受けることができないことで損害を被った場合は、損害賠償請求をすることも可能です。また、その時計が不特定物であれば、売主に再調達義務が課されるため、買主に引き渡すため再度時計を仕入れる必要があります。
しかし、原因が売主にない場合は話が違ってきます。
売買という双務契約において、債務者の責に帰すべからず事由によって後発的に履行不能となった場合は債務不履行でなく、危険負担の問題になります。
つまりその時計が特定物であれば、危険負担の問題となり、売主は買主にそのままの状態で引き渡すことによって売買は成立します。しかし、不特定物であれば売主に再調達義務が課されることになります。
以上から分かりますように、状況によって支払うかどうか変わってきます。
まとめますと、時計が特定物で原因が売主にあれば契約を解除できるためお金を支払う必要はありません。原因が売主になければ、壊れた状態で時計を買い取る必要があるため、お金を支払わなければいけません。
そして、時計が不特定物であれば、売主が再調達してきたものを買い取る必要があるため、お金を支払う必要があります。
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