■ 20070930/広告史を読む。
昨日、日ハムが王者の貫禄でパ・リーグを制した。そして沖縄ではなんと11万人が集まって教科書検定撤回を訴えた。という状況の中で、遠い国の、それも地区優勝が1面(〜3)面はないでしょう? 日刊スポーツさん…
そしてそんな騒然とした世間にちょっと距離を置きつつ、ワタシは先週ご紹介した『みんなCM音楽を歌っていた―大森昭男ともうひとつのJ-POP』 を読破しましたよ。完読。驚くなかれ445ページ。
いやぁ、読み応えたっぷり。三木鶏郎からいずみたく、小林亜星、杉山登志、糸井重里など、日本の広告史のキーパーソンはいうまでもなく、大滝詠一、山下達郎、坂本龍一などまで話は広がり、要するに「日本ポップス史」としても十分に楽しめる本。
杉山登志についてのあのドラマ のときにも書きましたが、「広告史」というものが、もっともっと語られなければいけない。っていうか、そんなのを語っている人は、皆無。だから大学などでそーいうことを偉そうに語ろうとするワタシのような人間が草の根的にいろいろ調べなければならなくて、面倒。
そんな中、こーいう本が発売されれば、広告の歴史が一気に体系化されて見えてくる。あわせて、広告業界の大きな流れの中で、自分がいかに小さい存在かが分かってくる(笑)
こーいう手合いの本を書くのは時間かかるでしょうね。そしてその割にはあんまり売れなかったりするのかなぁ。でも「あ、これワタシのために書かれた本だ!」というビームを感じました。不肖ワタシが十二分に活用させていただきます。田家秀樹さま、かしこ。
さて、千葉ロッテは2位を確実なものにしてほしい…あさって清水直を先発させるか否か、ボビーはどう判断するのだろう?
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■ 20070923/久々の大豊作。
いま机上に積まれた本とCDの山。大豊作の秋。
ライブドア事件でも話題になったこの人 の本。ここ で紹介したラジオ番組が単行本に。なんだか泣ける。
まだ未読なるも、「広告史探求家」として熟読するのが「使命」でしょう。
氏 のご紹介。「渋谷系」とは山下達郎を起源とすることが発見。なるほど。
これも氏 絡み(少し「昼間の仕事」絡みでもある)。脇の甘い日本語ラップがよい。リップスライム・フォロワー界の前頭筆頭。
メロディへの歌詞の乗せ方がイマイチ。むしろ#2のギターが最高。サンボマスターと同じく、このギター&ボーカルの女の子はギタリストとしての才を優先した方がいいんじゃないかな。
実はこれがいちばん面白かった。これ の影響か? アグネスラムの巨大ポスター付き!
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■ 20070917/新曲についてスージー氏大いに語る(2)
待望のスージー鈴木の新曲がまた発表された。題して《いちご球場よ永遠に〜"Strawberry Field" Forever》 。
「野球音楽の殿堂」 の中の一曲ということで、今回も野球ネタではあるのだが、覚醒剤かなんかのクスリをやりながら作ったような本格的なサイケデリック・ロックとなっている。
っていうか、中期ビートルズそのまんま??
ついに来ましたね、ビートルズ!: ま、いろいろ言ってもですね、やっぱりいちばんよく聴いて、いちばんよく弾いたアーチストですからね。ミュージシャン別ライフタイム・シェアは圧倒的No.1。そりゃ小学校時代はあのねのね、中学時代はプラスチックスがトップシェアでしたけど。トータルすればやっぱり、ね。
それにしてもあまりにも本家に似せすぎてませんか?: いや、伝説の名バンド、ラトルズ よりはマシでしょう。似てると思われるのは、ワタシが1967年のビートルズの本質をがっしり掴んでるからですよ。高校時代に、ビートルズのコード進行の分析とかよくやってましたからね。
具体的にはどんな「本質」なんですか?: いささか専門的になりますが、要するに1967年版の、ちょっとおかしくなりはじめた頃のジョン・レノンは「おいおい、そこに行くのはさすがに無理がないか?」という方向にコードを展開させていくというクセがある。今回のこの曲も、たった4分の間にEm→A→C→F→A→Em→A→C→F→Em→Eですから、まぁ奇天烈な転調です。
それだけ転調すると戻し方が難しいのでは?: はい。いよいよ専門的になりますが、1番のサビ(♪"Strawberry Field" forever…)はキーがFで、そこからAに戻すときにB♭→B♭7→Aという進行を使いましたが、これスパイダース《夕陽が泣いている》ですから、浜口庫之介メロディですね。
よく分かりませんが(笑)。で、「いちご球場」への思い出は?: 最近では、毎年1〜2回、大阪芸大に行くのです。そのときに近鉄藤井寺駅を通るのです。芸大の仕事をはじめたのが5年前で、そのときは確かに藤井寺球場があったのですが、だんだん削られていって、今や完璧な更地になってしまって。あぁ消えていくんだなぁと。
大阪球場への思い入れも深いのでは?: 浪人時代、浪速区の名門予備校(??)大阪予備校に行っていたのです。で、近鉄なんば駅から予備校までの「通学路」の間に大阪球場があってですね、試合がある日も閑散としてましたね。確かに。でもある日急に若者でごった返していた日があって、お?南海人気復活?と思ったら、あの伝説の尾崎豊の大阪球場コンサートだったという…つまらない思い出ですが(笑)
分かりました。これだけの名作・傑作を世に問うと、次回作へのハードルが高くなりませんか?: ちょっと力を入れすぎてしまいましたね。反省反省。次回はまたギター一本の軽いノリに戻しましょう。《ボーグルソン・ブルース》なんていかがでしょう?
というわけで、新曲を発表したスージー鈴木氏への単独インタビューをお届けした。次回の新曲も待ち遠しいところである。(編集部)
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■ 20070909/三都物語。
いろいろありました「関西横断ツアー」。結局、関東の台風を避けて一泊延泊、計7泊8日。大阪→京都→甲子園の三都物語。以下つれづれなる箇条書きで。
(1)大阪芸大は、過去最高の楽しい授業でした。たった7人の生徒たちよ、ありがとう。
(2)大阪芸大といえば、岡田斗司夫の『いつまでもデブと思うなよ』 を大阪のホテルで。やっぱりこの人、デタラメに頭がいい。「オタク」とかの称号をはずした方がいい。
(3)京阪電車で京都へ移動。京都の若い男の子はみんなくるりのような感じだった。
(4)京セラドーム大阪でオリックス対北海道日ハム(9/4)。客が少ないこともあるが、この球場のファンサービスはあまりにも貧弱な印象。根源は親会社オリックスが球団経営に情熱を失っていることにあると見る。根本的対策として、本拠地大阪と心中するような球団名変更をお奨めする。「なにわ(オリックス)バファローズ」。「なにわ」は平仮名で。
(5)京セラドームから地下鉄で北新地へ。いつもの歌謡曲バーで《たどりついたらいつも雨降り》を熱唱。大阪駅から京都駅を寝過ごして気がついたら大津駅。なんと寂しい駅!
(6)京都造形芸術大で二日間のスクーリング。しこんでいたギャグがほとんど受けなかったのがイタかった。いてて。まぁ20年近く年齢が違うわけだからしょうがないか…。
(7)暇つぶしに読んでいた『僕がテレビ屋サトーです―名物ディレクター奮戦記 「ビートルズ」から「はじめてのおつかい」まで』 が抜群に面白かった。超傑作『元祖テレビ屋大奮戦!』(井原高忠)もそうだが、日本テレビ出身の優秀なディレクターは、とても豊かな日本語を持っている。
(8)関東地区に台風直撃のおそれありと聞き、一泊延泊。京都から甲子園へ。アンディ・シーツのサヨナラヒットを目撃(9/6)。完璧な三浦大輔に沈黙するも、9回に見事なサヨナラ勝ち。現在の阪神の勢いは神がかっている。観るだけでも御利益がありそうだ。
(9)帰ってきて、昨日は青山劇場へ。実は今やっているミュージカル『RATS〜今村さんの早期退職〜』 で、THE CONVOY SHOWの黒須洋壬さんのパートで上映されるパワーポイントのスライドはワタシの作品です。機会があれば観てみてください。こちらは、そのスライドの中の小ネタが少し受けてて良かった。
(10)本日ニッポン放送『三宅裕司みんなのヒット』で聴いたチャットモンチー。何者だ?こいつら…すんごい曲。《橙》 。
というわけで関西に引きこもった一週間も終わり。明日からはまた退屈な日常が。やれやれ。
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■ 20070902/やり過ぎの大阪。
大阪のスポーツ新聞への違和感。
またまた大阪へ。今回は大阪芸大に続き、ついでに京都の某芸術系大学のお仕事もいただき、大阪→京都、計6泊7日の強行軍。
ちょうどこの間千葉ロッテはずっと千葉。ですが「YAHOO!動画」というサービスを使えばパソコンで試合が観られることが判明。ホテルのLANにつないだパソコンで試合を観ています。まぁなんと便利な時代になったことでしょう。
大阪にいるということは、いつも宅配してもらっている日刊スポーツを駅売りで買うということでして、毎朝、近鉄あべの橋駅で130円払って、買うわけです。
そのときにズラっとスポーツ新聞が並んでいる棚を見るわけですが、げんなりしますよ。もう本当に。すごいですよ。
全部、黄色い。全部、阪神ネタ。
誤解のないように言っておきますが、阪神はどちらかといえば好きな球団ですし、関西人が、というか、その土地の人がその土地のチームを応援するということはたいへん健康的だと思います。
その上、新聞というメディアがあるチームに偏った報道をすることにもワタシは寛容な態度をとります(しかし、テレビはダメ。認可事業なんで)。
しかし、大阪のスポーツ新聞、限度を超えていると思う。機会があったらいちど読んでみてください。腰を抜かしますよ。
たぶん阪神の試合だけで平均4〜5ページは使ってますね。単なる普通のヒット1本でカラー1ページ費やしたり、最後には岡田監督がどんなパンツをはいてるかとか、阪神番記者の内輪話とか。
関西という土壌で阪神ネタを書かなければ売れない、という事情はよくわかります。ただメディアはひとつの権力だから、ある一定の批評精神がないといけない。
昨日(9/1)の試合であれば、阪神の誰か(失念)のポテンヒットを褒めるより、東京ヤクルトの、あのモチベーションが低い守備を批判しなければならない。否、それ以前に広島前田の2000本安打を1面にするのがメディアの矜持っていうもんでしょう。
要するに、大阪は「日本でいちばん大きな田舎だ」ということです。これは否定的な意味だけで言っているわけではないけど、少なくともこのようなデタラメな編集方針を許しているということは、たいへんムラ的で閉鎖的で不愉快。
いちど、このネタ で大阪のスポーツ新聞を斬りましたが、こういうダジャレも要するに阪神に関するページの割き方が尋常じゃなく、掲載へのハードルが低いからこそ出てくる。
スポーツ新聞で言えば阪神を必要以上のスペースで取り上げること。テレビで言えば、やしきたかじんがタバコを吸いながら司会をすることを許してしまうこと。いずれにしても一見開放的な行いのように見えて、実はたいへん閉鎖的な事象だと思うのです。
「大阪人は全員、大阪のすべてを手放しで受け入れている」なんて思うなよ。
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■ 20070827/山形のリンゴの筋肉?
朝日新聞山形版の取材を受けました。ふざけた芸名が、天下の朝日に堂々と出ています。不思議な感覚。この感覚はこのとき いらいかも。記事の内容はこちら を参照のこと。
くるりの影響で、ちょっとカビが生えつつあった音楽感性がまた研ぎ澄まされて、いい曲がいろいろ聴こえてきました。『ミュージック・ステーション』で観た東京事変の《キラーチューン》、すばらしい。まさにキラーチューン。やはり椎名林檎はあまり勝手なことをさせずに、周りが律したほうがよい。この人は基本的にシンガーソングライターじゃなくって歌謡曲の歌手(=「歌ひ手」)なのだから。
で、この本、騙されたと思って読んでみてください。
なんという美しい文体なのでしょう。言葉遣い、テンポ感、すばらしい。平成の谷崎潤一郎。
ワタシは映画にまったく興味がないのに、小林信彦の映画評がすいすい読めてしまうのは、その内容の面白さもさることながら、なんとも粋でポップな文体だから。同様に「筋肉」に興味が無くとも、この本、一気に読めます。それぐらいこの本の文章はすごい。
水道橋博士は、近く小説で評価されるでしょう。ワタシ的には小説よりも、伊丹十三→景山民夫の流れを組むコラムニストの方角に進んでほしいのですが。
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■ 20070820/くるりに狂えり。
イントロ(1):札幌まで怒濤の観戦ツアー。この状況で2勝1敗はほぼ満額回答でしょう。成瀬の136球に感謝。
イントロ(2):ブルーハーツをCMソングとして使うのはやめないか?これ とかこれ とか。両方とも、ぜっんぜんブルーハーツと合わない。使う方も使われる方も不幸。
で、本論。この2週間「すりきれるほど」聴いたアルバム。くるりの《ワルツを踊れ》。
くるりというグループをワタシはよく知らなかったんで、このアルバムがワタシ的にはデフォルトで、さかのぼってベストを聴きました。
一般的にはこのアルバム、「くるりがクラシックアレンジに挑戦」と言われてますが、ワタシとしてはこちらのほうが全然ポップで、むしろベストのほうが、宅録臭漂うアングラな香りがしましたね。いや、クラシック=マニアックと決めつけているわけではないのですが。
当たり前のこと、それでいてけっこう重要なことを書きますが、ストリングスやブラス、ひいてはオーケストラを導入する場合、アレンジのためにかなり複雑なスコア(楽譜)を書かねばなりません。
ロックバンドだけのセッション方式なら、スコアを書かずにコード譜だけで演奏できる場合が多いでしょう。打ち込みの場合も、ある程度のアレンジができたら、いきなり打ち込む場合が多いはずです。
つまりは、ストリングスやブラスのアレンジには、多くの楽器の重なりをどう構成するかが難しいわけですが、それがくるりにいい影響を与えたのではないかと。
クラシック要素を入れるにあたり、その複雑なアレンジを吟味していく過程の中で、自分たちの作ったメロディをなんどもなんども推敲することができたのではないか。そして、なんどもなんども推敲する中で、宅録な、アングラな贅肉が取れたタフでポップなメロディが現れたのではないか。
大まかな流れだけを決めた即興の朗読(コード譜)ではなく、PCでのコピーペースト(打ち込み)でもなく、原稿用紙に向かって数万字の原稿を書き、推敲し、校正した小説。しかしそれは老若男女に響き渡るポップさを持つ。そんな感じ?
ビートルズの有名曲ランキングベスト3が、クラシック〜教会音楽臭漂う《イエスタデイ》《レットイットビー》《ヘイジュード》であることが、この話とどこか近い感じがしますがね。
あと、そもそも生のストリングスの音は快感なのです。#9《スラヴ》のエンディングなんてまさに。
それはワタシが昔の歌謡曲を聴き続けるひとつの理由なわけですが。
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■ 20070812/六本木が危ない。
六本木、芋洗坂沿いに「R」(仮称)という店がある。
そこは、マスターの生ギターをバックに懐メロやビートルズを歌える店で、なにかイベント事があれば二次会、三次会としてその店にたむろしたものだ。
その店が「風営法違反」として摘発にあったという。良心的なマスターがなんと警察に数日間拘留されたという。びっくりした。
この法律、よく知らないが、少なくともこの店は純粋に音楽を楽しむたいへん硬派な店で、「風俗」というイメージとは縁遠い風情なのだが。
以下、六本木に流れている風の噂。
現在、六本木界隈に吹き荒れている「クリーン化」と言われる粛正の波。「クリーン化」と言えば聞こえがいいが、その背景に「第2六本木ヒルズ計画」(ロアビル〜鳥居坂方面を敷地とする。「週刊ダイアモンド」誌より)があるという。
「クリーンじゃない店」を一気に摘発し、廃業する店舗を増やして、計画を円滑に進めようという考えらしい。
そしてまた、その背景には、風俗街嫌い(おまけに中国人・韓国人・女性蔑視、なのにカジノは推進派)の石原慎太郎がいる、と。
確かに六本木の歓楽街すべてがクリーンだとは言わない。しかし、生ギターをバックに、そして自分も生ギターを持って《たどりついたらいつも雨降り》を歌える店の、どこがクリーンじゃないというのか。
更に言えば、土建屋、地上げ屋、行政が徒党を組んだなんとかヒルズは、まったく完璧にクリーンだというのだろうか?
少なくともワタシにとっては、わけのわからんオリンピックやマラソンなんかより、今の「R」という店が持つ独特の文化のほうがよっぽど貴重だ。
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■ 20070805/大阪テレビナイト。
忙しい、ちゅーか忙しくしてるというか、土日を返上して大阪芸大。週刊ベースボールの原稿も、そしてこの文章も新幹線の中で書いています。
しかし大阪2泊3日で夜、外に全く出ずホテルに籠もったことはおそらく史上初ではないかしらん? それぐらいこの週末のテレビは面白かった。よかった。
8月3日(金):「千葉ロッテ=北海道日本ハム」(BS1)→「プレミアム10〜阿久悠追悼特集」(NHK)→「探偵!ナイトスクープ」(ABC)。
8月4日(土):「千葉ロッテ=北海道日本ハム」(BS1)→「日めくりタイムトラベル」(BS2)→「ボブマーリー・ライブ」(BS2)。
大阪泊の2日間、千葉ロッテ戦が(ホテルでも観られる)NHK衛星で中継しているという奇跡。プレミアム10は、紅白歌合戦というスペシャルコンテンツを大量に保存しているNHKの強みが生きた。都倉俊一を呼んだセンスも含めて完璧。
「日めくり」は前々回かなりしんどかったこと を指摘したのですが、あれを読んだのか(?)昭和38年に繰り上げたことが奏功。板尾の司会も絶妙。
阿久悠について二つほど。ひとつ。なぜかほとんどのマスコミが彼の作詞家デビュー作を《朝まで待てない》(モップス)だとしていますが、これ間違い。ザ・スパイダースの《モンキーダンス》ですね。
ふたつめ。阿久悠について、ワタシ的には、作詞家というより、のちに秋元康につながっていく「プロデューサー」っていうか、うさんくさくいえば「トレンドセッター」的な側面に興味があります。
《時の過ぎゆくままに》(沢田研二)という傑作がありますが、あれを聴いて、吉田拓郎が「こんなに簡単に見事に俺の方法論をパクられたら困ってしまう」的なリアクションを当時したらしい。確かに前年に《襟裳岬》(森進一)でその方法論が全国区になった拓郎にとって、あの曲っぽい音楽性を、さらにポップな形で、それもジュリーに歌われたらたまったもんじゃなかったでしょう。
後に、キャンディーズや石野真子、さらには風見慎吾など、作曲家として歌謡界に果敢に挑んでいったのも、阿久悠と《時の過ぎゆくままに》(に代表される歌謡界)に対する復讐だったのではと考えています。
さらにいえば、そんな拓郎のモチベーションを阿久悠は利用したふしがある(石野真子《狼なんてこわくない》は阿久悠作詞だから、彼が拓郎を選んだ可能性が高い)。そうなると阿久悠の「プロデューサー魂」は本気で凄いのですが。
追悼として阿久氏の歌詞を文学的に解釈していくより、そのうさんくささを認めて、その影響を具体的に考えていく方が楽しい。だって詩ではなく「詞」なのですから。
ここ に触発されて、新幹線に乗る前に品川駅構内のCD屋でくるりの新作を購入。割と聴き応えあるんちゅうかなちゅう感じ。次号にて作品評。たぶん。
そろそろ掛川駅通過か。
(20分経過)熱海の海に花火が見えた!
■ 20070729/30番の写真。
恵比寿で時間が空いたので、めずらしく(っていうか初めて)東京都写真美術館 に足を運ぶ。
というのは、「"昭和"写真の1945-1989 第2部"ヒーロー・ヒロインの時代"」 という、お目当ての展示があったから、なのだが、こちらはそんなに印象的なものではなかった(丘ひろみ=無断リンク= という名の60年代の女性モデルの顔だけが忘れられない)。
地下一階の「世界報道写真展2007」 。激烈に凄い。
ま、こんな感じ で、これだけでも凄いのだが、このファイルに入っていない「30番」の写真が凄絶。
イリノイ州のカップル。まじめそうな女性と米兵の結婚写真。米兵はイラク派兵で皮膚のほぼすべてに火傷を負い全身手術をしている。それどころか顔そのものが面影を全く残していない。
そんな2人が結婚写真という、あまりにハッピーな枠組みの中に収まっているということの不条理…うむ。コトバでは決して表現できない。
世界はまだまだ騒乱・争乱の中にある。そんな世界に対して日本はどのように舵をきっていくのか。自民党惨敗の夜に、イラクのことをまた考えた。他人事ではない。
入口から入って左奥の方に設置されている「30」の写真に注目。8月5日まで。
■ 20070722/新曲についてスージー氏大いに語る。
待望のスージー鈴木の新曲が発表された。題して《たどりついたらいつも空振り》 。
「野球音楽の殿堂」 の中の一曲ということで、今回も野球ネタではあるのだが、これまでのようにギャグ系というよりも、いちおう歌詞そのものはまともなメッセージソングになっている。
ただしタイトルと曲調は、あのモップスの名曲《たどりついたらいつも雨降り》の完全なる(?)パロディ。その曲はコレ。
なんでも、この曲のシングル盤が大学時代の愛聴盤だったそうで、この曲とゴールデンカップスの《愛する君に》はGS〜ニューロックの中でのフェイバリットだという。
曲そのものの構想はいつごろ?: この春ぐらいですね。実はサザンのパロディで《岩瀬なロコモーション》ってのを考えていたんですが、自分があまりドラゴンズに詳しくなくて歌詞が出てこなかったときに、落合ヒロミツ関連じゃなくって、愛するボーカリスト、鈴木ヒロミツへのオマージュとして、この曲を思いついたのです。ま、鈴木氏もドラゴンズファンという変な因縁もある話ですが。
レコーディングはどんな感じ?: 前々作《バルデスなんデス》 ではっぴいえんどの線をねらったんですが、打ち込みのドラムがなんとも浮いていて、私の手弾きのベースと合わない(笑)。ので、やはりアナログ志向に戻そうということで、アコギ2本と手弾きベース、象さんギター、タンバリン、ボーカル2声の7チャンネル録音。すべて自分でやってます。
ギターソロが珍しく穏やかな感じですが?: 最近アドリブが効かないので(笑)。基本的に同じメロディの繰り返しで。はじめはテレキャスターでやってたら、全然うまくいかなくって、象さんに変えたら一発OK。やはり《supersonic speedstar》の狂ったようなトリプルリードを支えた象さんは違います。
ボーカル録音は?: 今回は一発録りではなく、「二発録り」。楽譜は書かず。前回の《東大阪で生まれた男》 が思いの外うまく歌えたので今回も、と思いましたが、若干音程のブレが…ま、しかし私の曲を聴く人で歌のうまさを要求してくる人は皆無でしょう。
では最後にモップスについて: 《たどりついたら…》は作家である吉田拓郎バージョンよりも全然いいんですね。すべては鈴木ヒロミツの完璧なボーカルによると思ってます。このボーカルは日本のGS〜ニューロックの中でも最高峰のボーカルでしょう。彼やジョニー大倉のボーカルは、ロック史的にもっともっと評価されるべきだと思います。
というわけで、新曲を発表したスージー鈴木氏への単独インタビューをお届けした。次回の新曲も待ち遠しいところである。(編集部)
■ 20070716/松本人志インNHK。
先週放送された、NHK「プレミアム10〜松本人志の大人間論〜究極の笑いを求め続けて〜」は相当よかった。こんなクソ本 より523倍良かった。
何が良かったって、番組の構成が、あの『大日本人』という映画に絡めているようで全く絡めていないという高等テク! あの映画は横に置いておいて、とにかく松本人志にしゃべらせる。これが奏功しましたね。
いちばん良かったのが、放送作家の高須光聖と、尼崎の風景を見ながら会話するシーン。そして松本が自分の半生をとうとうと語るシーン。
また失礼なことを書きますが、誰かが松本のことを論じる「松本論」なんて、これっぽっちもいらねぇ。調子乗って言っちゃいますが、自分がかなりの「松本論客」だと思うから、「ごっつ」すらもちゃんと見てない連中の文章を読まなければいけない義理もヒマもない。
ワタシの前で「松本論」を話していいのは、みうらじゅんとナンシー関だけ!
今回の番組で、松本がテレビのお笑いに感じた限界の理由もよく分かったし、また90年代半ばの、ちょうど『遺書』のころの自分をちょっと距離をおいて客観的に眺めていることもよく分かった。そして、そんなちょっと枯れた松本への好感が再燃した。
40代の松本が、もう1回波を起こすような気がする。でもそれを起こすのは、サブカル論客が繁殖しやすい映画や舞台ではなく、テレビであってほしいと思うのはワタシだけ?
観ていない方は再放送を祈りましょう。
■ 20070708/突然のキャロル衝動。
昨日のテレ朝は『オーラの泉スペシャル』でしたね。喧嘩売ってるとしか思えん。
さて、そんなツマラないことは忘れて。突然、やってきました。キャロル・マイ・ブーム。テキストはこれとこれ。
ジョニー大倉については、すでにここ やここ で絶賛しましたが、今回、大学時代によく聴いたライブ盤をCDで購入して思いを新たにしました。
ジョニー大倉、すごい。
と、このコトバに尽きますが、ここで終わったらアホみたいなんで、因数分解。
(1)演奏能力。ジョニー大倉のボーカルの魅力。加えてユウ岡崎のドラム+矢沢永吉のベースは全盛期のビートルズよりも上手いんじゃないか? スパイダースやゴールデンカップスにも感じることですが、やはり当時のバンドはクラブ回りを経験しているからライブの場数が違うわ。
(2)ジョニー大倉の本を読み直してみて、《ルイジアンナ》が初めは英語版でリリースされる予定で、プレス寸前までいったという事実を知り驚いた。「♪君探し求めso many time」的な日英チャンポン歌詞は、実はジョニー大倉による苦肉の策の突貫作業で生まれたことが判明。これがその後の日本ロックの基本的な歌詞のパターンになったことがすごい。
(3)ツッパリ=革ジャンとリーゼントという21世紀にも残るステレオタイプの不良像は、ジョニー大倉が作ったものですね。ハングルク時代のビートルズの真似。これも「ガッツポーズ」を作ったガッツ石松よりもすごい歴史的偉業。
はっぴいえんどやサザンという「大卒ロック」の流れは、歴史を振り返るときに語られやすい。それそのものが「知性」というか、なんか語りやすいモチーフを秘めてるから。でもそれに「高卒ロック」の流れを入れないと、パズルは完成しないのです。
スパイダース(高卒)→はっぴいえんど(大卒)→キャロル(高卒)→サザン(大卒)→ブルーハーツ(高卒)。長年日本ロックの歴史探訪を繰り返してきたワタシが思う、これが日本ロックの背骨。あ、「大卒」「高卒」はあくまでイメージ。大滝詠一も桑田佳祐も卒業していないはずだから。
そう。キャロルがいなければ、サザンはなかった(桑田氏はキャロルのコピーバンド経験有り)。サザンがいなければ、日本のロックはなかった…かも。少なくとも10年は遅れていたでしょう。
キャロルの、そしてジョニー大倉の、再評価を!
■ 20070701/超能力がTVのチカラなのか?
[特捜!TVのチカラ]
6月30日(土) テレビ朝日 19:00〜20:54
▽超能力クリス&ハンナ緊急生透視…あの美人講師リンゼイさん全裸殺害犯…自殺?潜伏?“娘を返せ自首しろ”両親激高…今夜生出演独占スクープ撮…市橋容疑者の大胆接近手口防犯ビデオ解析“2つの新事実”最終回SP
出演 / 高橋英樹 東ちづる 中山秀征 大澤孝征 家田荘子 梶原しげる 石井希和
[謎の怪事件ファイル 犯人は誰だ!?夏のミステリーSP 科学捜査VS超能力捜査官]
7月1日(日) テレビ朝日 18:56〜20:54
▽NYを震かんさせた伝説のゾディアック事件とそっくりな連続殺人事件を追う▽美人敏腕プロデューサー殺人事件!発生後,8000人の犯罪者のDNAを保管するデータバンクの記録が犯人を追い詰める!ほか
▽アメリカの超能力捜査官の事件解決例などを取り上げる。ナビゲーターは小倉智昭、眞鍋かをり。▽ニューヨークで起きた連続殺人事件で、犯人は報道機関に謎の占星術の記号を送りつけてきた。超能力捜査官ノリーン・レニエにも犯人捜査の依頼が届く。さらに、テキサスのバーの駐車場で銃声が響き、金髪女性がトラックで連れ去られた。警察は、超能力者キャロル・ペートに捜査を依頼。彼女は発生現場の駐車場に立って「花のにおいがする」と口にしたあと、警察を引き連れて車を運転し始めた。
大事な期首特番の時期に、2日連続で超能力ものを放映するという神経。それ以前に自称「スピリチュアル・カウンセラー」の番組をゴールデンにオンエアしていることも含めて、これは倫理の問題を超えて、法的にどうなんだ?というレベルのところまで来ている。
この水道橋博士の名文 から一年と少し。どんどん日本のテレビ界は悪くなっていく。特に10チャンネルあたりから。